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「節電」 我慢でなくパラダイム転換の契機に

 原発ゼロで迎えようとしている今夏。古い枠組みのまま『我慢』でのりきるのでなく、無駄の削減、エネルギー効率の改善、新エネルギー普及にむけた電力の地域独占の打破など利便性を落とさず未来に資するパラダイム転換の契機にできるか。その流れが着実に進行している。
 以下は、ISEPの飯田哲也氏のツイートなどをもとに、まとめた私のメモ。どの方向で努力するのかがカギ。

◆原発の再稼働=安全性の問題と、電力の安定供給は別次元の問題。
・電力の安定供給は、そのために地域独占を許されている電力会社の責任であり、その独占を認めている国の責任。すでに3.11後、全原発の停止は予測できた。
 仮に再稼働しても些細なトラブルで止まるリスクを考えると、原発無しでの安定供給の見通しを示す責任が電力会社と国にはある。「再稼働しないと足りない」というのは責任放棄。関電はそこを認めて再稼働なしでの「絶対に停電は避ける」と約束(まだ少し埋まりきってないが。29日の大阪エネ会議の議題)。

◆パラダイムの転換。
・「足りないから節電」「足りるなら節電不要」は旧い枠組みの思考。
・「節電=ガマン」ではなく、利便性を落とさず、全ての人々にメリットとなる。

(メモ者 過度な照明などの是正と、エネルギー効率の改善の前倒しによる経済効果。使用済み核燃料の処理など負の遺産の低減。新エネ市場の拡大による環境・経済効果、エネルギーの安全保障など、中長期のメリットは大きい。
 電力会社も、ゆきづまった設備と販売の量的拡大路線、それにともなう有限で高騰が危惧される燃料を外国から購入という路線から、持続可能な新エネ開発・需給マネジメントという経営転換に資することになる。)

・今回の『節電計画』における新しい枠組みは、情報と市場を活用した「需要側管理」「節電発電所」(節電分を発電と評価する仕組み)の活用。
・地域独占から広域連携へ。電力の「融通」は、閉鎖的な地域独占を前提にした「長屋でのミソ・醤油の貸し借り」的な用語。広域連携の方が安定供給に資するのは当然。
・今回の西日本6社が協力する姿は発送電分離後の広域送電会社の先取りと言える。

(「電力システム改革専門委員会」は、18日「総括原価方式」の撤廃。発送電事業の分離、小売自由化などの方向性を決定)
【電力小売り、家庭含め完全自由化…競争原理導入 読売5/18】

◆今夏の電力
・国の需給検証委員会も夏の電力制限令は避け、節電目標とそのアクションプランにて対応できると方針決定。これは需要側管理と広域連携を重視した結果。

・政府の試算は、6社でピークの日時が同じ想定。が2010年、2011年も6とも同じ日だったことはない。そのことを前提とすると政府試算よりも少ない6社で5%強の節電による融通で対応できる(共同通信)。
【5%強の節電で不足回避 西日本で融通、原発ゼロ 共同5/16】

・別途、東京電力からの100万kWの融通も見通せる。東京都環境局方針
【猛暑でも無理なく西日本へ百万kW融通 東京都エネルギー方針 2012/5】 

・国は計画停電を準備しているが、これは全面停電を避けるための当然のリスクマネジメント。ただし枝野大臣のようにテレビで公言すると「停電脅し」になるので厳禁。
(その前に、需給調整契約の発動など、リスクマネジメントは多段階にわたる) 

 ~ しかし、この動きに「経団連」はまったくついていってない。原子力にむらがる「利益集団」とのたたかい。

【5%強の節電で不足回避 西日本で融通、原発ゼロ 共同5/16】

 今夏が2010年並みの猛暑でも、西日本の電力6社が5%強の節電をして余った電力を融通すれば、原発を再稼働しなくても西日本全体の電力を賄える。共同通信が16日までに政府の電力需給データを分析すると、こうした結果が出た。
 政府は6社で同じ日に需要がピークになると想定しているが、実績では異なり、西日本全体の最大需要は政府想定より少なかったのが原因。
 関西、九州両電力は需給が厳しく、政府は10%以上の節電要請を検討する一方、関電大飯原発3、4号機を再稼働すれば厳しい節電なしで電力が足りるとしている。
 周波数が同じ60ヘルツの西日本の電力6社(北陸、中部、関西、中国、四国、九州)について、政府が需給予測で使ったデータを分析した。
 政府は、今夏が過去約110年で最も平均気温が高かった10年並みの猛暑になると想定し、10年夏の各社のピーク需要を足した9925万キロワットを前提に試算している。今夏の6社の供給力は計9301万キロワット。関電管内で15~20%、九電管内で10~12%、他の4社は5%の節電要請が必要とみている。
 だが現実には、10年も11年もピークが6社とも同じ日だったことはない。
(2012年5月16日)

【電力小売り、家庭含め完全自由化…競争原理導入 読売5/18】  経済産業省の「電力システム改革専門委員会」(委員長=伊藤元重・東大教授)は18日、電力小売りについて家庭向けを含め、全面的に自由化することで一致した。

 人件費や燃料費などに一定の利益を上乗せする「総括原価方式」も撤廃し、電力業界に競争原理を導入する。電力会社の発電事業と送配電事業の分離など電力自由化も加速する。一般家庭の電力購入の選択肢が増え、電気料金の引き下げにつながる可能性がある。
 家庭向け電力の自由化は、政府が今夏にまとめる新たなエネルギー基本計画に盛り込む。電力業界も受け入れる方向で、来年春にも電気事業法の改正案を国会に提出する。周知期間を経て早ければ2015年前後に実現する。
 電力の小売りが全面自由化されれば、消費者は電力会社のほか安価に電力を提供する新電力(特定規模電気事業者=PPS)や再生可能エネルギー専用の小売業者などから自由に購入先を選択できる。
 総括原価方式の撤廃で、経産省による料金値上げの認可制もなくなる。この結果、自由な料金設定が可能になる。
 電力会社の発送電分離などの電力自由化も加速させるのは、規制がなくなった後も、電力会社による事実上の地域独占が続き、電気料金が高止まりしないようにするためだ。

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