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広島ホテル火災から考える~公務員削減と『分権』

 “消防法に基づいて内規で「2年に1回」と定めた定期査察を、約9年間していなかった”“総務大臣 対応、相当問題”と報道されているが… さまざま考えるべきことがある。
 歌舞伎町の雑居ビル火災のときもクローズアップされたが、点検もできないような消防職員の不足。
 05年、「消防力の基準」は、目安に「緩和」された。全国的に充足率は75%前後である。査察実施率は年々低下、23%台となっている。
【定期査察9年間せず 地区消防局「人員が不足」中国新聞5/14】
【川端総務相「消防の対応、相当問題」 福山ホテル火災 朝日5/15】

◆査察の実施率(2008年)
・防火対象物数 3,882,144のうち23.7%(H10は 31.5%)。
 平均しても、4-5年に1回して査察できない。
・措置命令の発動状況は増加
 査察率は低下しているが、措置命令の件数は、98年112件が08年は295件に増加。

 
◆消防職員の実数は微増だが・・・
・95年133,610人 → 09年158,327人
・救急搬送の増加 2000年418万件→2010年546万件
  市町村合併など行政の広域化、救急病院の減少もあり、稼働時間数はもっと大きいと推測される。
・消防団の減少 
  95年975,512人→ 2010年883,710

 ~ 救急搬送の増加、消防団の縮小、そして査察内容の高度化、複雑化も想起される・・・ 以上の数字は、「消防庁」のもの。査察がきちんとできないことは、政府も既知の話。

◆地方分権の行く末・・・
 “検査で違反が見つかった場合にどのような手順で改善命令や使用禁止命令を出すかは各消防で決めることになっている”とのこと。つまり『地方分権』を推進すれば、こんなことが多発するということではないか。

 ツァーバス事故も同様… コスト削減とは、安全ための「余裕」、チェック機能のカット。

 「公務員が多すぎる」という声を主要メディアが喧伝するが、日本は国際的に見ても少ない(野村総研レポート)。

 そのうえで、減らすとなれば、チェック機能が低下するのは当然。

 公務員を減らし、民間にアウトソーシングしても、そのチェックのための体制が必要となり、本来は、経費削減にはならない。余計に手間がいる。

 それが「削減」になるのは、安全性の「削減」と、ワーキングプアの「製造」の『成果』でしかない。
(民間のノウハウで新たな質のサービスが提供できる、という事例があることも否定はしない。)

 そのメダルの裏側として、余裕のない職場、バッシングの影響もあり、メンタルヘルス疾患、早期退職者が増加している。また、マニフェスト型選挙の影響で、住民と接する現場からボトムアップする政策づくりをする力が衰退し、職員のやる気を奪っている。
  
 地方行政は、住民の福祉の増進、人権保障が目的であり、主権者としての行動や住民自治の発揚を支える、またそのための専門性を蓄積できる機関としての大切な機能がある。

 そういう本来の役割を発揮させるための努力こそが必要と思う。 

【定期査察9年間せず 地区消防局「人員が不足」中国新聞5/14】

 7人が死亡した福山市西桜町1丁目のホテル火災で、福山地区消防局が消防法に基づいて内規で「2年に1回」と定めた定期査察を、約9年間していなかったことが13日、分かった。消防局は査察対象の建築物の増加を理由に挙げ、「人員が足りず手が回らなかった」としている。
 消防局によると、建物の査察は規模などによって異なるが、今回火災のホテルは内規では「2年に1回以上」に当てはまる。直近の査察は、2003年9月。ホテル側が、自動火災報知機や消火器の点検、消火訓練などをしていなかったため、実施と報告書の提出を求めたという。
 その後、ホテル側からの提出はなかったが、消防局は再度提出を求める通知をするにとどまり、査察はしていなかった。
 この間、報知機の作動確認もないまま。査察の空白期間が長かったため、今回の火災で消防法違反があったかどうかの確認にも時間がかかっている。消防局は「火災当時、報知機が正常作動したかどうか分からない」という。
 建築基準法に基づく査察をする市から、合同実施を求められた11年9月9日にも「救急の日」のイベントを優先し参加しなかった。
 消防局予防課の吉沢浩一課長は「定期的に査察するべきだったと反省している」と陳謝した。


【川端総務相「消防の対応、相当問題」 福山ホテル火災 朝日5/15】
 広島県福山市で起きたホテル火災で、地元の福山地区消防組合が2003年にホテルへ立ち入り検査して消防法違反を指摘しながら、その後は是正指導をしていなかったことについて、川端達夫総務相は15日の閣議後の記者会見で「相当問題がある」との認識を示した。
 すでに総務省消防庁の職員を現地に派遣し、事実関係の調査を始めている。川端総務相は「事実関係をしっかり把握し、結果をふまえて消防への助言や全国的な対応を検討したい」と述べた。
 消防庁によると、検査で違反が見つかった場合にどのような手順で改善命令や使用禁止命令を出すかは各消防で決めることになっている。

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