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廃炉コスト語たれぬ東電 

 東電の事業計画に廃炉コストが入ってない。圧力容器を抜けて、格納容器も突き破っている燃料棒をどう取り出すか。世界でまったく経験のない事態であり、いくらコストがかかるかわからない。どれだけ高くつく発電か、を示したもの。そもそも作業員が確保できるのか。作業の困難さを小出氏が語っているが・・・
 原発メーカー、電力会社に無制限の賠償責任を適用する必要がある。電気料金云々の話もそれが前提・・・
【廃炉コストかたれぬ東電 画餅の事業計画5/22 日経】
【肥田美佐子のNYリポート / ニューヨーク講演後の小出裕章・京大助教に聞く「4号機の安定化には、未損傷の燃料棒取り出しが先決」 WSJ 5/18】

【肥田美佐子のNYリポート】ニューヨーク講演後の小出裕章・京大助教に聞く「4号機の安定化には、未損傷の燃料棒取り出しが先決」5/18

――やはり4号機が一番危険なのか。

小出助教 震災時、運転中だった1~3号機は、炉心が溶け、放射性物質が大量に環境中に吹き出した。残りは溶け落ち、どこにあるか分からない。  一方、停止中だった4号機は、炉心に燃料がなかったため、溶けることもなかった。だが、使用済み燃料プールがかなり傾いており、いつ壊れて燃料が溶け出すか分からない。そういう状態だ。

――4月、ワイデン議員は、米政府への書簡で4号機の危険性を訴え、米国の支援を要請した。本紙などがそれを報じたが、その後、東電は、4月26日付で、「4号機原子炉建屋は傾いておらず、燃料プールを含め地震で倒れることはありません」という見解を発表している。本当に安全なのか。

小出助教 東電は、事故後すぐに、これは大変だと気づき、耐震補強工事を行った。燃料プールの底に鋼鉄製の柱を何本も入れて落ちないようにした。その後、その鋼鉄の柱の周りにコンクリートを流し込み、補強したから大丈夫、というのが東電の主張だ。

――耐震余裕度を20%以上向上させたというが、十分だと思うか。

小出助教 分からない。ものすごい被ばく環境なので、労働者がゆっくりと作業できない状況だ。コンクリートを打ったといっても、すのない、空気の泡が残っていない状態かどうかも分からない。わたしのところにも、工事に当たった作業員の声が届くが、震度5くらいの地震がきたらプールが壊れると言う人もいる。4号機にリスクがあるのはもちろんだが、どれだけのリスクがあるか分からない。

――米メディアなどからは、日本は米国からの支援に消極的、といった批判も聞かれる。

小出助教 実際の工事や作業で一番力を持っているのは、現場を知っている人たちだ。東電や(原子炉を)製造してきた日立や東芝である。米国の人たちが、そうした実際に働いている人たちが気づかないようなことに気づくとは、あまり思えない。
 唯一期待できるのは、(第1原発を)設計した米ゼネラル・エレクトリック社(GE)だ。あの原子炉のどこに弱点があるのか、などの知識を持っていると思う。ただし、設計されたのは40年前であり、当時の人たちはもういない。おまけに、GEは、自社の生産ラインをすべて失うほど、原子力部門が衰退している。

――米国の支援をもってしても、行程表の迅速化は期待できないのか。

小出助教 壊れたプールからどうやって使用済み燃料を外に取り出すかなど、やらなければならないことは明白だ。プールの底に崩れ落ちたガレキを取り出し、(燃料棒を移すための)キャスクをプールに入れるには、まず巨大なクレーンを造らねばならない。燃料交換機を新たに設置する必要もある。
 そうしたことを一つ一つやる必要があるのだが、被ばく環境がひどいため、なかなかできない。(東電が4号機の使用済み燃料プールの燃料棒を取り出す行程を)10年としているのは長すぎると思う。まだ壊れていない燃料を安全な場所に移すことに全力を尽くさねばならない。だが、なかなか進まないのが現実だ。

――世界の英知を集めても迅速化は無理なのか。

小出助教 知識はすでにある。問題は、実際の作業ができないことだ。もちろん、原発作業員を世界中から集めるといったことは、何がしかの力にはなると思うが。プールの底に沈んでいる使用済み燃料集合体は損傷している。たぶん普通の作業ではできないだろうから、専用のキャスクを造らねばならない。そうした作業をどこかの国が引き受けてくれるのであれば、迅速化は図れると思う。

――たとえば、スリーマイル事故の経験がある米企業からは、どういった支援を受けられると思うか。

小出助教 スリーマイルでは、炉心の半分が溶け、原子炉圧力容器の底に落ちたが、圧力容器そのものは大丈夫だった。溶け落ちた炉心は、圧力容器の底に残っていたのだ。だから、6~7年後、燃料をつかみ出すことができた。
 だが、福島原発は、圧力容器の底が抜け、溶け出した炉心が下に落ちているので、たぶんつかみ出せないのではないか。東電は、圧力容器の底に穴を開け、下に落ちたものが見えるようにしたいというが、難しい。それができても、落ちた炉心が下にあるのかどうか、つかみ出せるのかどうか分からない。
 最悪の場合、チェルノブイリ同様、石棺で封じ込めるしかないのではないか。その際、米国がスリーマイル事故でやったような作業や知識が役立つだろう。

――それまでに何年くらいかかるのか。

小出助教 東電によれば、4号機の燃料棒のつかみ出し作業が始まるのが、来年12月だ。1~3号機も、壊れた建屋の上を取り除き、新しいものを造り、クレーンを置く、といった作業を何年がかりでやらねばならない。それが終わらないと、溶けた炉心の処置を始めることさえできない。炉心作業を始めるまでに、たぶん10年はかかるだろう。最短で何十年がかりだ。

――今、米企業にできることはあるか。

小出助教 スリーマイルでの溶け落ちた炉心のつかみ出し作業は、米国しかやったことがない。そのやり方を教えてもらえれば、今から準備ができる。GEの当時の技術者などがまだ健在なら、現場に来てもらい、議論をしながら作業を進めていくのも役立つかもしれない。
 また、原発作業員が国内でどんどん不足すると思うので、米国に助けになってもらうこともできる。ただ、黒人労働者などが(作業員として)犠牲になる恐れがあるので、あまり気が進まない。マンパワーが何より必要だが、日本に責任があるのだから、まずは自分たちでやるべきだと思う。とはいえ、現実には、なかなか作業が進んでいない。

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