再処理が最も高額
委員の指摘による試算のやり直しで、原発ゼロ全量直接処分8.6兆〜9.3兆円、原発依存度35%・全部再処理が18兆円。この差は、発電コストの「試算」とあわせわざにすると、原発ゼロが高くなる仕掛けで?・
なぜなら
①再処理技術が確立していない。この後いくらかかるか、本当に完成するか不明。MOX燃料はさらに高度な技術を持つ別工場が必要。
②2030年に発生した核燃料の処分費用であり、原発ゼロの場合はこれで終わるが、存続するケースはこの後も増え続ける。という問題が抜けているからである。
大島教授は、昨年、政府・電力会社の示す再処理費用18兆円は不当に安く、74兆円と試算している。
【核燃料処理:全量直接処分が最安 総事業費試算やり直し 4/27】【核燃料処理 再処理がらみ費用大幅増 原子力委再試算 東京4/27】
【原発「安価」神話のウソ 2011/6】
【核燃料処理:全量直接処分が最安 総事業費試算やり直し 4/27】原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の今後を検討している内閣府原子力委員会の小委員会は27日、処理方法ごとの総事業費に関する試算をやり直した結果を公表した。使用済み核燃料をすべて地中に埋める「全量直接処分」は、前回の試算では最も割高とされたが、一転して最安となった。国の従来方針の「全量再処理」は逆に最も高くなり、政策転換に結びつく可能性がある。
新試算は、2030年までに発生する使用済み核燃料の処理がすべて終わる約300年先までの総事業費を、▽全量再処理▽全量直接処分▽両方を併存−−の3方法ごとに計算。全発電量に占める原発比率が(1)30年に35%(2)同20%(3)20年に0%−−の3ケースを想定し、比較した。
原発存続を前提とする(1)と(2)で、全量直接処分は11.8兆〜14.1兆円となり、全量再処理や併存をそれぞれ4兆円程度下回った。再処理する必要がなくなる脱原発シナリオの(3)だと全量直接処分に8.6兆〜9.3兆円かかるとされた。
【核燃料処理 再処理がらみ費用大幅増 原子力委再試算 東京4/27】原子力委員会の小委員会は二十七日、どんな核燃料サイクル政策を採るといくらかかるのか、二〇三〇年時点までのコストを再試算した結果を公表した。二〇年までに原発をゼロにし、使用済み核燃料は地中に埋設する直接処分のシナリオが八・六兆~九・三兆円とコスト的に最も有利との結果は変わらなかった。再処理をからめた従来路線は、前回試算より金額が大幅に膨れあがった。
再試算は、前回と同様に、(1)全ての使用済み核燃料を再処理(2)全てを直接処分する(3)両者の併用-の三シナリオを設定。総発電量に占める原発の比率を、脱原発を意味する0%、現状よりやや原発依存度が低い20%、現状以上に原発依存度が高い35%の場合に分け、それぞれの費用を出した。
前回とは異なり、再処理事業中止に伴う費用は、どのシナリオでもかかるため除外。その上で、これからかかる費用を中心に総費用ベースで比較した。
その結果、最も安上がりなのは、脱原発をし、過去に発電に使った核燃料だけを直接処分する場合の八・六~九・三兆円。最も高コストなのは、原発依存度を35%まで高め、全部再処理する場合の十八兆円となった。
全体的に前回より金額が大きくなったが、どの原発比率でも、直接処分がコスト的には有利との結果だった。
前回の試算は、直接処分のコストを高く見積もり、委員から批判が出たため、鈴木達治郎座長が再試算を指示していた。
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