消費税増税の一方で、米軍への大盤振る舞い
沖縄からグアムに移転する海兵隊の規模は約8千人から4200人に縮小、しかし日本政府の負担は、2320億円から2900億円に増額。そのうえ、普天間基地の補修費8年分250億円も要求。
すでに「抑止力」論は、米国内の有力議員、研究所が否定している。
「米国追随そのものだ。『血税』の使われ方としておかしい。」「消費税増税で国民に負担増を求めようとしているのに、米側に大盤振る舞いでは、国民の理解を得られまい。」(琉球新報)。
「自立」支援法で導入された障害者医療の応益負担・・・100億円で無料化できるのに放置している。
【普天間補修費8年分要求 米国、日本に250億円 朝日4/4】
【グアム移転負担 大盤振る舞いはおかしい 琉球新報社説4/1】
【普天間補修費8年分要求 米国、日本に250億円 朝日4/4】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の補修費として、2013年度から8年間で約250億円を負担するよう、米政府が日本政府に要求していることがわかった。日本側は、長期の大規模補修に応じれば普天間の固定化につながるとして、難色を示している。
再編見直しの日米協議で米側が打診した。日本側が補修項目と積算根拠を示すよう求めたところ、米側は13年度から8年分の年度別リストを提示。下士官兵舎や飛行場正門の補修などを先行させ、安全性の観点から補修が必要とされてきた滑走路の整備は8年間の後半に盛り込まれていた。
今年2月、日米両政府は普天間移設と在沖海兵隊のグアム移転をセットで進めるとしてきた06年の日米合意見直しで一致。グアム移転を先行させ、普天間の名護市辺野古への移設は切り離して進めることで合意した。ただ、普天間の県内移設は地元の反対で見通しが立っておらず、切り離しで普天間が固定化することも懸念されている。
【グアム移転負担 大盤振る舞いはおかしい 琉球新報社説4/1】米政府は在沖米海兵隊のグアム移転費の日本側負担を、これまでの28億ドル(約2320億円)から35億ドル(約2900億円)に増額するよう求め、日本政府はそれに応じる方向で調整に入った。
沖縄からグアムに移転する海兵隊の規模は約8千人から4200人に縮小している。
規模はほぼ半減しているのに、負担は増える。日米同盟を重視する立場から負担増に方針転換したと報じられているが、米国追随そのものだ。「血税」の使われ方としておかしい。
しかも沖縄に残す海兵隊は日米合意の1万人を超える見通しだ。ことあるごとに強調してきた「沖縄の負担軽減」は空文化している。
日本からの資金提供の根拠は、日米双方が財政負担することを定めたグアム移転協定(2009年)だ。同協定の前提が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設と海兵隊のグアム移転、そして嘉手納より南の5施設・区域の返還をパッケージにした米軍再編ロードマップ(06年)の実行だ。
しかし2月の米軍再編見直しで、ロードマップに示したパッケージは崩れた。この時点で日本が資金提供する根拠はなくなったのではないか。根拠があいまいなのにもかかわらず、資金上積み要求に応ずるなら、国民は到底納得しない。
パッケージを崩したのは米側の財政事情と、それに対応した新たな戦略の変化にある。
12年度の米財政赤字は1兆3269億ドル(約103兆円)で09年度に次ぐ過去2番目の高水準。4年連続で1兆ドルの大台を超える。予算権を持つ米議会は、予算の削減を求めている。海兵隊のグアム移転費を認めるかどうか不透明だ。
米国がアジア太平洋全体に軍事プレゼンスを示すためには、財政事情と折り合いをつける必要がある。
そこで生まれた発想が海兵隊のローテーション配備だ。コストの掛かる地上部隊を常駐させず、グアム、オーストラリア、ハワイなどへ分散配置する。海兵隊が沖縄に常駐する時代は終わりを告げるのである。
日本の財政事情は米国以上に深刻だ。消費税増税で国民に負担増を求めようとしているのに、米側に大盤振る舞いでは、国民の理解を得られまい。
実現可能な再編見直しは、普天間飛行場を閉鎖し、海兵隊を米国内に移転させることだ。
« 「同意」でなく「理解」、「地元」とは、・・・再稼動問題 | Main | 消費税増税が加速させる産業空洞化 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 感染防止対策への国民の主体的・積極的参加を妨げる! 感染症法等改定で声明 保団連(2021.01.25)
- コロナ特措法など改定案、日弁連声明 罰則に反対~「差別助長する」「正当な補償を」(2021.01.23)
- 今こそ内部留保を活用して日本経済の再生を!-新型コロナ危機をチャンスに- 労働総研1/18(2021.01.22)
- 「マイナンバーカード」固執~ 利用制限なし 電子証明証の「発行番号」がカギ(2021.01.20)
- 〈全国行動声明〉 日本政府および日本メディアは日本軍「慰安婦」訴訟判決を正しく受け止めよ 1/14(2021.01.18)
「米軍基地」カテゴリの記事
- 米軍機低空飛行訓練 県全域で発生、異常事態(2020.05.08)
- 年金改定、検察人事介入、スーパーシティ、種苗法、辺野古設計変更 … コロナ禍に乗じ悪法次々(2020.04.27)
- 秋田・イージス見直し だったら、辺野古も見直しを(2019.12.12)
- オーストラリア 米軍機を厳しく規制 全国知事会で沖縄県報告(2019.11.11)
- 岩国米軍機 手放し操縦、薬物乱用…違反横行 日本の空を飛ぶな(2019.11.03)
Comments