普天間 入学式にタッチアンゴー訓練
訓練の配慮を要請していた小学校の入学式に、米海兵隊のFA18戦闘攻撃機などが普天間飛行場でタッチアンドゴーを繰り返し、式が中断。訓練したのは岩国基地と米本土など外から飛来した12機を中心に行われた。
先日、基地周辺の住民ら3129人が、騒音の差し止め、損害賠償を求める普天間爆音第2次訴訟をおこしたばかり。米国内では、決して許されない訓練である。
【普天間第二小 門出の日襲う米軍爆音 4/18】
【騒音で入学式中断 FA18、普天間に12機飛来 琉球新報4/11】
【普天間第二小 門出の日襲う米軍爆音 4/18】【宜野湾】「動悸(どうき)が止まらない」「音に押しつぶされて死にそうだ」―。米海兵隊のFA18戦闘攻撃機が普天間飛行場で離着陸訓練を繰り返した10日、宜野湾市には「基地被害110番」の電話が鳴り続けた。普天間第二小学校では入学式が中断。両耳を押さえる新1年生の姿に、PTA会長の村上ゆかりさん(47)は「こういう生活が6年続くと思い知らされた子どもたち。かわいそうだ」と悲痛に顔をゆがめた。
この日の普天間飛行場は、FA18の戦闘機だけでなく、所属機のKC130空中給油機やジェット連絡機のUC35が5分間隔でタッチアンゴーを繰り返した。
さらに合間に、CH53大型ヘリやCH46中型ヘリが低周波音を響かせ飛び回る。加えて、嘉手納基地所属のP3C哨戒機も飛来し、旋回し続けた。市内は上空から、あらゆる騒音が幾度も幾度も降り注いだ。
入学式が開かれていた体育館は空気を切り裂くような音が3度も続いた。祝辞のあいさつを中断された村上さん。再び口を開くと「飛行機の音に負けないよう、大きな声であいさつしましょうね」と呼び掛ける言葉しか出てこなかった。
2月に来校した田中直紀防衛相に解決を求めたばかり。「毎日、危機にさらされている。オスプレイ配備なんて本当に信じがたい」と焦燥感を募らせた。
那覇市の小学校から転任したばかりの川村和久校長(54)は「初体験だが、耐え難い音。めちゃくちゃだ」と憤った。予想以上の爆音に「ずっと聞かされ続ければ神経がおかしくなる。限界を超えている」と絶句。児童が何度も耳を押さえる姿に、胸が締め付けられた。
佐喜真淳市長は大山小学校の入学式から庁舎に戻る途中にごう音を体験し、沖縄防衛局に直接出向いて抗議するよう職員に指示した。「騒音も危険性も助長している。入学式に何度も飛行し、納得いかない。ただでさえ騒音問題があるのに、外来機が飛来する自体おかしい」と声を荒らげた。
【騒音で入学式中断 FA18、普天間に12機飛来 琉球新報4/11】【宜野湾】米バージニア州で6日(日本時間7日未明)墜落したFA18戦闘攻撃機(ホーネット)の同型機が10日午前、宜野湾市の米軍普天間飛行場に飛来した。飛来したのは岩国基地(山口県)所属の4機と米カリフォルニア州ミラマー基地所属の8機の計12機。12機のうち8機は墜落したものと同じ2人乗りのD型だった。
FA18は午前10時34分までに12機が滑走路の南側から着陸し、午後1時ごろまで離着陸を繰り返した。米海兵隊は琉球新報の取材に「通常訓練の一環。安全性を最優先している」と回答した。
同飛行場周辺では10日、小学校の入学式が開かれており、宜野湾市は同日、沖縄防衛局を通じ米軍に対し飛行の自粛を文書で要請した。普天間第二小学校や浦添市立沢岻小学校では騒音で入学式が一時中断した。
FA18の同型機は米バージニア州で住宅地区にあるアパート街に離陸直後に墜落する事故を起こした矢先だった。海軍当局はこの事故機のエンジンに「致命的な故障」が発生したとしているが、明確な事故原因は判明していない。
沖縄防衛局は3月30日に入学式への配慮を米側に要請していた。佐喜真淳宜野湾市長は「戦闘機が飛来すること自体が危険性を助長する。騒音問題がある中で入学式の日に飛来するのは遺憾だ。抗議したい」と話した。
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