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原発再稼動に関する「そもそも論」と「再稼動8条件」 

様々評価のある大阪府市政だが、「エネルギー戦略会議」のスタッフは一流である。座長 植田 和弘(京都大学大学院経済学研究科 教授)、座長代理 飯田哲也(環境エネルギー政策研究所 所長)、古賀茂明(元経済産業省大臣官房付)、大島 堅一(立命館大学国産関係学部 教授)村上 憲郎(村上憲郎事務所代表) などなど・・・ 
  再稼働にあたる「8条件」は4月1日の会議で、飯田氏から提出されたもの。4月10日の会議の関電との意見交換が映像で配信されているが… 今日の電力問題の課題、到達点がよくわかる。 
【原発再稼動に関する「そもそも論」と「再稼動8条件」】 
【ピーク対応について 追加資料1-5】
【ネガワットのアウトソース化と市場創設 追加資料1-7】 
【第五回エネルギー戦略会議 4/10USTREAM】

 4月11日の会議では
・電力会社は、安定供給の責務を担っていることで地域独占を認められている。原発ゼロでの安定供給の見通しを示せ。政治判断だけでなく、原発が停止することはある。原発中心の供給体制を進めたことが経営戦略の失敗。  → 関電 4月中に示したい
・「いくらの値段でも買う」というピーク時に対応した公募による自家発電の購入をなぜしないのか。対策をおくらせて「再稼働」の理由にしようとしているのではないか。→ 相対交渉を基本としてきた。卸電力市場がある。検討する。
・デマンドサイドの対策は。東電ではシナジープロポーザルがはじまっている。ネガワット市場の開拓も視野にいれるべき → 取り組みが弱かった。
 などの印象に残っている。

 提案の中で、事故の補償などへの「事業者による無限責任の原則」をかかげ、「当面は最低でも数十兆円の供託金を原子力発電事業者で分担する制度・仕組みに見直す 」とある。
 これは、河野太郎氏なども提案していることで、こうすれば“原発は市場の原理でなくなる”。
 

原発再稼働に関する「そもそも論」と「再稼働8条件」 飯田座長代理 提出資料1】

【そもそも論】政府が原発再稼働を検討する以前の根本的な問題点
1. 「次のフクシマ」は日本を滅ぼすという危機感が欠けている
2. 事故原因が究明されていない
3. 原発事故「A級戦犯」がそのまま動かそうとしている
4. 原発素人の政治家が「間違った政治主導」をしようとしている
5. 手続き面で矛盾を重ねている

■原発再稼働8条件
1. 再稼働が不可欠であることを説明すること
2. 国民が信頼できる新しい原子力規制体制に見直すこと
3. 新体制のもとで事故原因を踏まえた新しい原子力安全基準に見直すこと
4. 新体制のもとでストレステスト基準も見直し、それにクリアすること
5. 事故収束と損害賠償に備えて十分な資金を準備すること
6. 現実に機能する防災計画と危機管理体制へ抜本的に見直すこと
7. より広域の地方自治体と安全協定を締結し再稼働への同意を得ること
8. 使用済み核燃料の長期的な管理方策を政治合意し、その実現が見通せること

■各論
1. 再稼働が不可欠であることを説明すること

・ 現状の問題:
現在は、原発再稼働の必要性を何も立証せず、また再稼働以前に取ることができる対策をしないまま、再稼働の圧力が増していることで、建設的な議論が成立していない。

・ 対応策:
(1) 電力需給面から原発再稼働が不可欠であることを、完全なる情報公開と万策を尽くした上で証明すること

(2) 具体的には、需要側でのピーク料金やデマンドレスポンスなどを利用したピークマネジメントの可能性、供給側での分散発電市場や揚水発電などを活用したインバランス市場の整備を含めての過不足見込みなどをすべて対策した上での説明であること

2. 国民が信頼できる新しい原子力規制体制に見直すこと

・ 現状の問題:
 現在は、原発事故「A級戦犯」とも言える原子力安全・保安院や原子力安全委員会がそのまま原発再稼働の安全性を判断する進め方となっており、国民の目から見て不信感をぬぐえない。新しい原子力規制庁の信頼を最初から損なう行為である。

・ 対応策:
(1) 電力会社や原子力事業などの利害関係者から遮断された、国民から信頼される新しい原子力規制体制を作った上で判断するべきである。

(2) 新しい原子力規制体制では、既存の御用学者や無能力体制の問題点をあぶり出し、それを克服できる体制構築を行うべきである。

(3) 不当な政治介入から独立し、市民の生命・健康・財産など安全最優先で果敢に意思決定し行動できる責任体制とするべきである。

3. 新体制のもとで事故原因を踏まえた新しい原子力安全基準に見直すこと

・ 現状の問題:
現状のストレステストは原発の安全性には無関係に行われているため、再稼働の判定条件にはならない。しかも、政府と国会の事故調査委員会もまだ事故原因を究明していない段階であり、安全基準を見直す以前の段階にある。

・ 対応策:
(1) 政府事故調および国会事故調の調査結果をもとに、新しい原子力規制体
制によって、事故の根本原因(想定地震動、組織的な不作為等)に基づ
いた新しい安全基準を再検討することが先決である

(2) その新しい安全基準をすべての原子炉に再適用すること

4. 新体制のもとでストレステスト基準も見直し、それにクリアすること

・ 現状の問題:
現行のストレステストは「想定外事象」のうち、限られた事象に対する原発の「強度」を見るだけのものであり、安全性の判断とは無関係である。

・ 対応策:
(1) 新しい規制体制のもとで、想定外を想定するストレステストの枠組みを見直し、それを再適用すべきである。

5. 事故収束と損害賠償に備えて十分な資金を準備すること

・ 現状の問題:
すべての電力会社において、事故収束と損害賠償に対する資金的な備えは、皆無に等しい。

・ 対応策:
(1) 事業者による無限責任を原則として、当面は最低でも数十兆円の供託金を原子力発電事業者で分担する制度・仕組みに見直す

6. 現実に機能する防災計画と危機管理体制へ抜本的に見直すこと

・ 現状の問題:
 福島原発事故が明らかにしたように、この国の原発事故への緊急時対応は、まったくの無為・無策・無能であり、住民をいたずらに被ばくにさらしたもので、それは今もなお、まったく変わっていない。

・ 対応策:
(1) まったく機能不全であった国の危機管理体制を根本的に見直すこと
(2) 事故時の放射能拡散シミュレーションを全原発地点で公開すること
(3) それに対応して、即応できる防災計画・危機管理体制を構築すること
(4) ヨウ素剤配布を含む現実事故対応の準備と迫真の防災訓練の実施すること

7. より広域の地方自治体と安全協定を締結し再稼働への同意を得ること

・ 現状の問題:
 福島原発事故が明らかにしたように、いったん原発事故が起きると、その被害の範囲は原発立地自治体や10km圏内を大きく越える。

・ 対応策:
(1) 最低でも80km圏もしくは放射能拡散シミュレーションに応じた地方 自治体を原子力安全協定の対象とすること
(2) その広域の自治体において住民による熟議を経たうえで政治的に「再稼働」が正式決定されること

8. 使用済み核燃料の長期的な管理方策を政治合意し、その実現が見通せること

・ 現状の問題:
 六カ所再処理工場と高速増殖原型炉もんじゅ、プルサーマルからなる核燃料サイクルは完全に絵に描いた餅であり、破綻している。しかも、使用済み燃料は発電所サイトで溢れかえっており、2.10年で満杯になる。この国の使用済み核燃料の長期的な管理方策は、まったくのデタラメであった。

・ 対応策:
(1) 再処理・核燃料サイクルが破綻している現実を認め、それに代わる使用済み核燃料の長期管理方策を提示すること
(2) その長期管理方策が技術的にも政治的にも現実的で、具体的なスケジュール・立地点を含むプログラムが策定されていること
(3) 最終処分のあり方についても、国民的な議論に着手すること

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