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TPP 関税撤廃「除外」なし 最新の交渉状況

 政府の示したTPP交渉に関する最新の分野別状況。主要紙は、「本格的な議論を行う状況に至っていない」と意見対立部分を中心に報道し、「コメなどの扱いで日本の意見を反映させる余地が広がる」としている。
 しかし、関税の即時撤廃か段階的かの議論はあっても“特定品目の「例外」が求めている例はない”ことをきちんと報道していない。
 また、アメリカは、「漁業補助金」禁止や「サメの保護」等も提案。復興の努力とはあいいれない。
【TPP交渉 関税撤廃で「除外」認めず 赤旗3/24】
【関税撤廃7年以内 TPP交渉分野別状況 9割を即時  農業新聞3/23】
【TPP:米など9カ国の交渉難航 関税撤廃、議論進まず 毎日3/25】
【TPP交渉参加についての日本医師会の見解-最近の情勢を踏まえて-3/14】

【TPP交渉 関税撤廃で「除外」認めず】より

◆即時関税撤廃
 「包括的で高いレベルの自由化」を目指すTPP交渉でもっとも重要なのが「例外なしの関税撤廃」です。これまで日本政府は、コメなどを「センシティブ(重要)品目」として「例外」扱いできるかのように宣伝してきました。
 ところが実際の交渉では、多くの国が「90~95%」の品目を協定発効と同時に「即時関税撤廃」し、残る品目も7年以内に撤廃すべきだとの考えを支持。関税撤廃の対象としない「除外」や、交渉を先送りする「再協議」を原則認めない立場を示しています。実際に特定品目の「除外」を求めている例もないとしています。

◆輸出国「権利」
 衛生・植物検疫協定の「権利義務を強化」することについて「合意がある」と記述。米国は牛海綿状脳症(BSE=狂牛病)予防のための日本の牛肉輸入制限の緩和を強く求めており、ここでも輸出国=米国の「権利」が強化されるおそれがあります。

◆英語告示義務
 公共事業などの政府調達について、資料では「英語で入札公告の概要を告示」する義務が課されるとの情報を明記しています。この対象に「地方政府」「その他の機関」も含めるよう目指している国もあり、英語告示にかかる経費など自治体の費用負担増につながりかねません。

◆知財期間延長
 米国は、自国企業が開発した医薬品のデータを他国の企業に利用させないために、「知的財産」の保護期間の延長を目指しています。資料によると、TPP交渉でも「著作権」や「医薬品のデータ保護期間」が「議論されている模様」と説明。実際に延長されれば、ジェネリック薬品など安価な医薬品の製造が困難となり、途上国や貧困層の医療に重大な影響が生じます。

◆「国有」を標的
 米国の提案で「国有企業に特化した議論」がされていると説明されています。「有利な待遇を与えられた国有企業」を標的としており、日本の郵政事業も対象となりかねません。

◆免許相互承認
 「資格・免許」「専門職」について各国間で「相互承認」を協議するための「枠組み」づくりが検討されていることが判明しました。医師免許などの「相互承認」が今後交渉対象となる可能性を政府も否定していません。また、「急送便」の「公正な競争条件の確保」なども提案されているといいます。

◆「対等な競争」
 公的な「保険サービス」を標的に、「民間との対等な競争条件の確保」のための議論が行われています。日本の公的医療保険や医薬品制度、共済が崩壊の危機にさらされることにもなりかねません。

◆「サメの保護」
 米国が、乱獲防止を理由とする「漁業補助金」の禁止や「サメの保護」等を提案し、各国間で議論されています。サメのヒレは「ふかひれ」の原料として宮城県など東北地方から世界に輸出されており、被災地の経済復興にも重大な影響を及ぼしかねません。

◆秘密のベール
 一方で資料では、「議論されている模様」などの不明確な記述が目立ちます。“同盟国”の米国が提案する「サメの保護」の条文案も「明らかにされていない」など、米国からも必要な情報が入手できていない実態も露呈。まさに“秘密交渉”そのものです。

【関税撤廃7年以内 TPP交渉分野別状況 9割を即時  農業新聞3/23】  外務省など関係府省庁は22日、環太平洋連携協定(TPP)交渉に関する最新の分野別状況をまとめた。関係国とのこれまでの事前協議で得られた情報を整理したもので、農産物などの関税については「90~95%を即時撤廃し、残る関税についても7年以内に段階的に撤廃すべしとの考えを支持している国が多数ある」ことを明記した。米国が漁業補助金の禁止を提案していることも分かった。 (リード分のみ)
【TPP:米など9カ国の交渉難航 関税撤廃、議論進まず 毎日3/25】

 日本が参加を検討している環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉が難航している。米国など既に交渉に参加している9カ国から日本政府が得た情報によると、焦点の関税撤廃で「本格的な議論を行う状況に至っていない」など交渉対象の21分野の多くが遅れ気味だ。ルール策定が遅れれば、コメなどの扱いで日本の意見を反映させる余地が広がる。日本政府は参加に向けた調整を急ぐ方針だが、国内外に難題を抱え、予断を許さない。【野原大輔】
 TPPは「例外なき関税撤廃」を掲げ、貿易自由化や各種規制の撤廃・共通化など21の交渉分野で高い水準の門戸開放を目指す。交渉は10年3月から始まり、3月まで11回の会合を重ねた。
 ただ、関税分野では2国間の協議にとどまり、全体のルールを議論するに至っていない。米国が砂糖や乳製品で関税の即時撤廃に抵抗しているのに対し、オーストラリアが反発するなど、個別の農産物や工業製品の扱いを巡り、対立する2国間の問題が決着していない模様だ。日本政府によると、「90~95%の品目の関税を即時撤廃し、残りも7年以内に段階的に撤廃」と主張する国が多いが、「即時撤廃は減らすべきだ」との意見もあり、「具体的な内容についての9カ国の合意はまだない」という。
 知的財産の分野でも商標や著作権などのルールをどうするかで意見が割れたまま。米国などは映画などの著作権保護を強化したい考えだが、新興国などは「著作権料の負担が重くなる」などと警戒しているとみられる。
 投資先の国で企業や投資家が不利な扱いを受けた場合、相手国を国際仲裁機関に訴えられる「投資家と国家間の紛争解決手続き」では、乱用を防ぐ仕組みなどの議論が続き、導入そのものへの反対もある。交渉が進展している分野は、対立の少ない貿易手続きの円滑化など限られている。

 ◇日本、国内に根強い反対論
 TPPを主導する米国は「年内の最終合意」を目指しており、「今夏が実質合意に向けた重要な節目」(交渉関係者)との見方が出ていた。一方、日本の参加には9カ国の同意が必要で、日本は9カ国と事前協議を進めているが、日本に農産物市場の開放などを求めている米国やオーストラリアなどはまだ同意しておらず、日本の参加は早くても7月ごろになりそうだ。だが、9カ国の交渉が遅れ、日本の参加が決まった時点でも本格議論に入っていなければ、ルールの大枠が固まる前に日本も議論に加われる。
 もっとも、日本が交渉に加われば、難航している交渉がさらに停滞しかねない。日本はコメなどで関税撤廃の例外扱いを求める考えで、難題が増えるからだ。「ルール作りを急ぐ米国などが日本の交渉参加への同意を遅らせるのでは」(政府関係者)との懸念もある。
 一方、日本国内でも農業団体や与野党のTPP参加反対論が根強い。政府は「日本の意見を反映できる可能性はまだ大きい」と理解を求め、5月の大型連休に想定する野田佳彦首相の訪米までに国内の意見集約を図りたい考えだが、調整は難航しそうだ。

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