「再稼動」ありき 来月発足?の「原子力規制庁」
「再稼動」ありきの「原子力規制庁」の拙速な設置というしかない。
経産省から分離というが、同じく原発推進の環境省のもとに移す点や国会事故調は「事故を踏まえた行政組織のあり方の見直しを含めた提言」を任務にしているが、まだ調査中である・・・ 国民の信頼を失っている保安院、安全委をさっさと解体し、「再稼動」の環境を整えたいということではないか。
【来月発足の原子力規制庁 課題山積、国会審議も始まらず 産経3/8】
【環境省は原発推進者 独立した規制機関要求 赤旗3/6】
【来月発足の原子力規制庁 課題山積、国会審議も始まらず 産経3/8】東京電力福島第1原発事故を受けて原子力規制機関「原子力規制庁」が来月、環境省の外局として発足する。しかし、設置に関する法案の審議はいまだに国会で始まっていない。細野豪志原発事故担当相は「これまでは規制そのものを正面からやる組織になっていなかった」と発足に向けて意欲を語るが、国会の事故調査委員会からは、調査結果が出ていない段階での発足に非難の声も上がる。(原子力取材班)
今回の事故では、原子力行政を推進する「経済産業省資源エネルギー庁」と、規制する「原子力安全・保安院」が、同じ経産省別館に同居し人事交流していることなどが問題視された。経産省からの独立をうたった規制庁は保安院や原子力安全委員会、文部科学省の原子力規制部門などの業務を一元化し約480人体制で発足する。職員は保安院から約350人、安全委から約70人、文科省から約45人などが配属予定だ。
細野氏は産経新聞のインタビューに対し、「(推進側から)独立させるためには人事が極めて重要で、課長以上は『ノーリターンルール』(出向した職員を元の省庁に戻さない規則)を明確にした」と述べた。経産省や文科省から入庁する課長級以上の幹部職員19人には、原則としてこのルールが適用される。
また、規制庁の監視役として、国会同意人事で任命された有識者5人を委員とする「原子力安全調査委員会」も新設。原子力規制の実効性のチェックや事故が起きた際の調査を行い、環境相や規制庁、関係行政機関への勧告権も持たせるなど、規制当局として態勢が強化されることになる。
ただ、国会事故調の黒川清委員長(元日本学術会議会長)は「調査の最中に(規制庁設置を閣議)決定したことは理解できない」と反発している。事故調の任務に「事故を踏まえた行政組織のあり方の見直しを含めた提言」が盛り込まれているためだ。
規制庁の場所をめぐっても、保安院がある経産省別館からの移転先として近くの民間ビルなどが浮かんでいるが、耐震性や首相官邸との距離などの問題から来月の転居は難しくなりつつある。経産省別館での間借りが続けば、肝心の独立性にも疑問符が付きかねない。
九州大学の工藤和彦特任教授(原子力工学)は「毅然(きぜん)とした原子力の規制には独立性が大切だ。早く独立した場所を確保すべきだ」と話している。
【環境省は原発推進者 独立した規制機関要求 赤旗3/6】日本共産党の吉井英勝衆院議員は5日の衆院予算委員会分科会で、環境省に「原子力規制庁」を設置する法案に関して、「環境省は『原発推進』を明言してきた官庁だ」と述べ、独立した規制機関をつくるべきだと主張しました。
吉井氏は、環境省が1999年以降、8件12基の原発立地をめぐる環境影響評価において“建設ノー”を言ったことがないと指摘しました。白石順一総合環境政策局長は「事業の是非に言及したことはない」と認めました。
また吉井氏は、原発アセスメントで小沢鋭仁氏が環境大臣として「(原発は)極めて有効な手段」と川内(せんだい)原発(鹿児島県)について発言した事実などを紹介。さらに吉井氏が、同省所管でいま国会に提案中の地球温暖化対策基本法案では、原発について「国民の理解と信頼を得て、推進する」との立場を明確にしているとただすと、鈴木正規地球環境局長は「条文はその通り」と認めました。
吉井氏が「環境省は原発推進官庁だ」と批判したのに対し、細野豪志環境相は「エネルギーの安定供給に責任はないのでブレーキ役ができる」などと釈明しました。
吉井氏は、細野氏が原発再稼働の必要性に言及しているインタビュー記事を示し、「再稼働が必要という環境省で『規制庁』を抱えるのは大きな問題だ」と批判しました。
その上で、原発規制機関と推進機関の分離を定めた国際条約を守るべきだと主張し、「権限」「財源」「人的資源」で完全に独立性を持った「公正取引委員会」型の機関にするべきだと提起しました。
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