原発津波対策 保安院基準でも「完了」はゼロ
事故究明もできておらず新たな安全指針も出来てなく、地震・津波の想定見直しもしてないもとでの「再稼動」がありえない。が、保安院が定めた7項目の「津波対策」ですら「7項目完了」はゼロとのこと。
【東日本大震災 きょう1年 原発、津波対策わずか 産経3/11】原発の津波対策調査
■「浸水」着手・完了 「7項目全て」ゼロ
東京電力福島第1原発の事故を受けて、経済産業省原子力安全・保安院が提示した原発の津波対策7項目のうち、浸水対策強化については同原発を除く全国16原発(商業炉)の全てで対策に着手、または完了していることが10日、産経新聞の電力各社への調査で分かった。
防潮堤の新設・かさ上げも、予定のある13原発中11原発で建設に着手・完成。一方、7項目すべての対策に着手している原発はゼロだった。全原発で新たな津波対策が完了するのは早くても平成27年度末とみられ、早期の原発再稼働に影響が出るのは必至だ。
福島第1原発では、津波による配電盤の冠水などで全電源が喪失。原子炉の冷却ができなくなり、大量の放射性物質を飛散させる事態を招いた。電力各社は事故直後から津波対策を進めてきたが、保安院は、2月に30項目にわたる安全対策を取りまとめた。うち7項目は津波への多重の備えを明文化した“統一基準”。(1)電気設備の分散配置(2)浸水対策強化、防潮堤建設(3)空冷式非常用発電機の新設(4)非常用バッテリーの強化(5)非常時の重要な計器類専用電源の新設(6)非常時に対応できる電源の接続部の統一(7)復旧時に必要な照明やケーブルなど電気設備の予備品確保-となっている。(2)の浸水対策は、建屋入り口に「水密扉」を設置するなど非常用電気設備の冠水を防ぐもの。全原発で対策が進み、島根(中国電力)と東海第2(日本原電)では完了していた。
13原発で予定される防潮堤の新設・かさ上げは年内に3原発で完了する見込み。未着手は東海第2など2原発にとどまった。一方、整備の遅れが目立つ項目も。過酷事故発生時に重要となるバッテリーの十分な容量確保((4))と計器類専用の電源確保((5))は、いずれも15原発で未着手。震災から1年が経過しても、代替の非常用電源に不安が残っている。
津波対策の投資額は浜岡(中部電力)の約1千億円が最高。関西電力が美浜、高浜、大飯の3原発で津波対策を含む一連の安全対策に約2千億円を見込む。
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