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出先機関 拙速な廃止に意義あり 地方を守る会 

 「地域主権改革」の一環である地方整備局など国の出先機関の「原則廃止」方針に、全国の市町村長でつくる「地方を守る会」が反対、懸念の声を表明。全国1719市町村のうち4分の1以上にあたる447の首長が賛同。ところがネットで検索すると主要紙では朝日がチョコッと報道しているだけ。財界の意向に反することは大きく取り上げない、ということか・・・ 
内容は、「自治研の日記」が詳しい。“国は国土形成・保全という仕事に責任を持て”“住民と向き合ってその生命財産に責任をもっている基礎自治体の首長を素通りして意思決定することは許さない”というのが大きな合意ということ。決議文も載っている。
【「地方を守る会」総会、潜入記 自治研の日記3/5】
【出先機関の廃止論に地方懸念 市町村長の団体が決議 朝日3/4】

【「地方を守る会」総会、潜入記 自治研の日記3/5】

 以下のような決議を採択した「地方を守る会」(代表世話人:國定勇人三条市長)総会が、3日都内で行われた。基礎自治体の市町村長約100人が出席、民主、自民、公明の国会議員も10数人出席していた。

 この総会では、会の経過報告とともに、会として地域主権改革そのものに反対するものではないし、基礎自治体の首長としてしっかりすすめていきたいと思うものの、近接性・補完性・基礎自治体優先ですすめられるべき地域主権や地方分権改革のはずだが今回の国の出先機関改革でも、関西や九州という広域組織に移管することが先行しているだけではなく、われわれ首長の異見すら聞いていないことが問題だとして、もたれたものだ。昨年12月から行動を開始し、すでに447人の首長の賛同を得ていることも報告された。

 総会では、宮古市長や十津川村長が、東日本大震災や台風災害にあたって、地方整備局がいかにその役割を発揮したかを述べた後、会場の首長らが次々に手をあげ発言した(7人)。「地方経済産業局はいざ知らず、地方整備局はなくしてはならない」、「県は頼りにならないので国が引き続き責任をもつべし」といったフライング気味の発言もあったが、

1.地方整備局の果たしてきた(いる)役割(とくに災害時。職員も機材も全国動員して、不眠不休で市町村をバックアップしてくれる安心感がある)
2.関西広域連合や九州広域行政機構への移管ということになると、市町村・県・広域行政・国という4重行政になってしまう懸念があること(しかも、広域行政は形式的なトップがいるものの事実上意思決定がスムーズにできないではないか)
3.そもそも地方分権(地域主権)はわれわれ基礎自治体が中心になるべきこと
4.進め方も基礎自治体の首長の意見も聞いておらず拙速であること(内閣府では「地方の発意により選択的に実施する」としているが、この「地方」とは何かを質すと、「地方とは府県だ」という回答であった、ことが紹介された)
といった4点にまとめられるようだ(当日司会を務めた、同会代表幹事:立谷秀清相馬市長)。

 一部に、地域主権とはいいつつそれを返上するとは何事か?といった表面的な批判もあるようだが、国は国土形成・保全という仕事に責任を持て、住民と向き合ってその生命財産に責任をもっている基礎自治体の首長を素通りして意思決定することは許さない、という意向で会場は満ち溢れていた。
後者に関しては、市町村に権限をよこせ、というよりは国との役割分担を求めているものになったが、中核市も賛同団体に含まれており、今後進められる政策提言段階で、どのような内容のものとしてまとめられるかが注目される。

【決 議】
 東日本大震災は、東北地方をはじめとする広範な地域に甚大の被害を及ぼし、現在、国をあげて復旧・復興に向けた懸命な取り組みが行われている。
 今回の大震災では、発災直後から地方整備局や地方経済産業局と市町村が一体となって、迅速かつ懸命な救援活動やインフラ・産業の復旧が行われるなど、地域における国の出先の役割が改めて認識された。また、昨年、全国各地を襲った水害でも、こうした認識が持たれたところである。
 しかるに、現在行われている国の出先機関は意思若しくは地方移管の議論は、こうした東日本大震災などの教訓を全く鑑みることなく、東北のインフラ・産業の復興を遅らせるのみならず、地震、津波、風水害等の大規模な自然災害の危険性に常にさらされている我が国において、国民の安全安心を守る国の体制を弱体化させることとなり、大きな危機感を持たざるをえない。
 よって、国の出先機関は意思については、地域住民の安全安心に直接責任を有し、産業・雇用を守るべき基礎自治体の意見を十分に反映した上で議論を行い、拙速に国の出先機関廃止論を進めないよう、また今後とも国の出先機関と十分な連携が担保されるよう要望し、ここに決議する。

平成二十四年三月三日 「地方を守る会」

【出先機関の廃止論に地方懸念 市町村長の団体が決議 朝日3/4】

 全国約450市町村長の参加する「地方を守る会」(代表幹事=立谷秀清・福島県相馬市長)は3日、都内で総会を開き、野田政権が進める国の出先機関改革について「市町村の意見を十分に聞き、拙速に廃止論を進めないよう要望する」と決議した。
 政府は国土交通省地方整備局などの出先機関を原則廃止し、地方に移管する方針を閣議決定している。国定勇人・新潟県三条市長は「災害時、前面に立つのは市町村長。出先機関が廃止されて今よりもスムーズに意思決定ができるのか。はなはだ不安だ」と述べ、ほかの出席者からも「東日本大震災では出先機関の役割が大きく、速やかな復興に欠かせない」「国土形成には国が責任を持つべきだ」といった声が相次いだ。
 総会には民主党の小泉俊明・前国土交通政務官のほか、公明党の井上義久幹事長ら国会議員9人も出席。野田佳彦首相のほか各党の執行部に決議を伝えることにした。

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