がれき処理 「広域」分は全体の17%
がれき処理…最終処分されたのは6・3%。「処理が進まない最大の要因は、他の都道府県に運んで処分する『広域処理』の停滞だ」(読売社説)というが本当だろうか。
がれき総量は約2,300万トン。広域処理分約400万トンと全体の17%である。現地で災害廃棄物の処理が進まないのは復興計画がたたないから、というのが実態という。
がれき処理の内訳を見ればわかる。多くは埋め戻しなど、復興の資材として使われる。
岩手県の435万トンの「がれき処理」の内訳は・・・
・埋め戻し:復興資材(コンクリート・土砂)171万t
・再利用(セメント材料) 80万t
・業者に販売(リサイクル)75万t
・市町村焼却 44万t
・仮設焼却炉 8万t
・広域処理 57万t
土地利用計画が定まれば、大部分のがれき処理がすすんでいく。
政府はがれき処理に、1兆700億円の税金を投入する。
岩手県岩泉町の伊達勝身町長は、朝日新聞2/29のインタビューで
「現場からは納得できないことが多々ある。がれき処理もそうだ。あと2年で片付けるという政府の公約が危ぶまれているというが、無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。」「もともと使ってない土地がいっぱいあり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにあるのか。」
と語っている。
陸前高田市の戸羽太市長が日刊サイゾーのインタビューに対し、
「がれき処理専門のプラントを作れば、自分たちの判断で今の何倍ものスピードで処理ができると考え、県に相談したら、門前払いのような形で断られた」。その後も、国会議論で必要性が認められたが、県と環境省の間で「県から言ってきてない」「国に言ったがウンといわない」という話で、無駄に時間がすぎている、と批判している。
地域毎に色合いは違うだろうが、広域処理の停滞が「最大の問題」という説明や報道・・・ 復興の遅れの原因をミスリードしようとしているようで、どうも、しっくりこない。
注意を別にひきつけて、裏でこっそり進める手法を、手品で「ミスディレクション」という。全体像を示さず、国民の中に対立感情を生み出す「情報操作」ではないか。
なお、高知の共産党は、冬場は、南国の不慣れなものがボランティアに行って事故、怪我をしては、かえって現地に迷惑がかかると、毛布や農産物の物資の支援に限っていたが、4月から再開する。
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