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保育新システム~株式会社解禁

 30日「新システム」の「まとめ」の論議。個別内容では反対があることほ前提に「了承」された〔その全体の感想は後日に〕。その中には、株式会社の参入、上限を設定したうえで配当を認める方向がある。
 その点に関し、04年政府の規制改革・民間開放推進会議をつとめていた(事実上解任?された)ワタミフード社長の渡邉美樹氏の説明は明快。
 「株式会社と学校法人では利益の使い道が全く違う。このままでは、税金を使って私有財産を増やす人物が出現する仕組みを許してしまう」「私は学校法人の理事長としては生徒のことだけを考えて運営をするが、ワタミフードサービスの社長としては、出資者である株主への利益還元を強く意識する。学校法人と株式会社は、この点が決定的に違う」
 【「その教育改革、待った」、ワタミ社長が提示した規制緩和の欠陥 日経BP 04/12/12】

 教育特区で導入されたリーガルマインド大学がずさんな内容、運営で失敗したことは話題になった。

 30日のワーキンググループでも、税金が配当にまわることに保育学会などが反対の意見を述べている。

  福祉部門への株式会社解禁であるとともに、3歳以上の子どもに提供される「教育」(実質は、保育〔教育+養護〕、幼児教育と保育が内容上、同じことは30日のワーキンググループで政務官も認めていた。)は、学校教育法22条に位置づけられる部分であり、公教育への株式会社解禁という極めて重大な一歩にもなる。

 この点で、教育団体からの声が少ないのが気になる。

【「その教育改革、待った」、ワタミ社長が提示した規制緩和の欠陥 日経BP 04/12/12】

  関連部分・・・

“渡邉氏はもともと、株式会社やNPOによる学校経営に対しては、「様々な考え方を持った教育主体が増えれば、学校教育の多様化が促進される」(渡邉氏)という賛成論者。しかし、審議会で議論が進んでいた参入の前提条件に対して猛烈な反対意見を唱えた。

それは端的に言えば、株式会社立の学校に対しても補助金の支出を認めるという趣旨の規制緩和についてだ。

「株式会社と学校法人では利益の使い道が全く違う。このままでは、税金を使って私有財産を増やす人物が出現する仕組みを許してしまう」と渡邉氏は憤る。一体、どういうことか。

それには、学校法人と株式会社の成り立ちの違いを知っておく必要がある。私立で中学校や高校を運営する学校法人は、事業を学校運営に特化した財団のようなもの。利益を外部に流出させることは認められておらず、教育施設の充実など、学校の内部だけに利益を還元するよう義務づけられている。

一方の株式会社は、事業で出た利益は内部留保以外に、配当として出資者に還元できる。「私は学校法人の理事長としては生徒のことだけを考えて運営をするが、ワタミフードサービスの社長としては、出資者である株主への利益還元を強く意識する。学校法人と株式会社は、この点が決定的に違う」(渡邉氏)。

加えて、私立の学校法人には中学校なら生徒1人当たり換算で30万円前後の補助金が私学助成金という名目で国や地方自治体から支給されている。原資はもちろん税金だ。「今や私学の大半が赤字経営。黒字でも、補助金がなければやっていけない学校が多い」(渡邉氏)のが実態だ。

そんな中で、株式会社立の学校を認め、そこに補助金を与えると何が起きるか。渡邉氏は例として、以下のような事態を危惧する。

誰かが株式会社を資本金1円で設立する。その株式会社が学校を経営し、土地や建物を取得するために30億円の借り入れを行ったとする。その学校は補助金を事実上の原資として借入金の返済を続ける。そして借入金の完済後に残った土地や建物は誰のものか。株式会社である以上、1円を出資をした人のものだ。利益が出れば、補助金が原資となった配当も手にできる――。既存の学校法人にはできない、補助金という名の税金を合法的に個人の懐に導くシステムが完成するというわけだ。


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