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家計に例えると…」のワナ ~ 「一体改革」

 国の財政を「判り易く説明する」との「口実」で、家計に例えるやり方が行われているが、これは根本的に間違っているというか、社会保障などの切捨て、庶民増税を飲ませるためのワナである。
 家計が赤字になったり、大きな借金があったりすれば、節約とパートの掛け持ちなど収入増が連想される、が、国のあり方は同じではない・・・ これまでの備忘録からポイント整理。

【家計と国の財政】
①借金について
 家計の借金は、定年前に返済するなど期限がある。人には定年や寿命があるからである。ところが国家には、定年や寿命がない。
 国の借金も、金利高騰などによるリスク、国債費が増えて予算を圧迫するという点で、減らしていくことが必要だが、ゼロにする必要はない。
 一番の問題は、経済成長がとまっていること。長期債務の対GDP比が問題なのであり、経済が成長していれば…たとえば10年で2倍になれば、借金額は同額でも、比率は半分になる。 
 行政論的にも、道路、上下水道、学校など一定期間使用する社会資本の形成については「世代間の負担の公平」という考えに基づき、一定期間で償還するという借金をする合理的理由がある。

②節約について
 家計の場合、どの項目であろうと節約をすれば、それだけ家計が助かる。
 国の場合はそうではない。予算の使い方や社会保障や労働法制などのルールが、よい経済循環を生み出し、経済成長、税収増にどう寄与するのかがポイントである。
 よって節約すべき予算と節約してはならない予算がある。
 GDPの6割は家計の消費であり、この10年勤労者の所得の低下、貧困の拡大が内需を冷え込ませ、政府の発表によっても需給ギャップが20-30兆円となっている。質のよい雇用環境、家計を暖める政策が、経済成長と税収増をもたらすカギとなっている。この分野の「節約」は、負のスパイラルを加速するだけである。

 一方、効果がはっきりしない巨大開発、原発推進予算、おもいやり予算や海外派兵と結びついた正面整備、高級官僚の天下りにはメスを入れる節約は必要である。
 政党、国会議員は、世界一厚遇である政党助成金を廃止する。

③収入増(増税、負担増)
 増税においても、どこからとるかが問題である。内需を冷え込ませる増税、負担増の失敗は、97年--消費税増税と医療費負担増による9兆円負担増で、経済が失速、税収減となり、当時の首相も失政を謝罪した。
 一方、大企業や富裕層への優遇税制がすすめられたが、経済や財政が悪化するだけで、一部のものに偏在した金余りが投機資金を提供し、経済の混乱に拍車をかけただけである。
 また、97年以降、非正規雇用の拡大、賃金低迷により社会保険料収入が頭打ちとなり、社会保険関係予算の急激な増大をもたらしている。

③医療・福祉は「負担」なのか
 家計では、医療費、介護保険料などの出費は、金銭的には負担である。
 国レベルではどうか。医療費の半分は人件費であり、介護分野はもっと高い。同額の投資による雇用効果が一番高い分野である。払われた費用は、雇用を生み出し、内需の拡大に貢献する。この分野は、労働環境の悪さから人手不足となっており、また十分なサービスも提供されてなく充実が求められる。
 特に、若者の雇用難と高齢化が進む地方においては、重要な産業であり、この分野の充実は、持続可能な地域の形成にも大きな意味を持ち、過疎・過密問題の是正にも寄与する。


~こうした質のよい雇用、医療・福祉の充実による内需拡大は、働く場の提供とともに、メンタルによる休職、失業の減少とあいまって生活保護の対象者を削減できる。それは、暮らしを支え、労働力の「脅迫販売」を防ぐ生活保護の役割を、真の意味で効率的・効果的なものに前進させることができる。

それとも関係して、ついでに・・・

【「社会保障・税一体改革」「TPP参加」・・・破綻した「ワシントン・コンセンサス」と同根】


「ワシントン・コンセンサス」とは…

1989年米国の国際経済研究所のジョン・ウィリアムソンが発表した論文で使用されたもので、その内容は、

(1)財政赤字の是正
(2)補助金カットなど財政支出の変更
(3)税制改革
(4)金利の自由化
(5)競争力ある為替レート
(6)貿易の自由化
(7)直接投資の受け入れ促進
(8)国営企業の民営化
(9)規制緩和
(10)所有権法の確立
 
であり、IMFや世銀は、融資するさいの条件とした。

 その結果は、採用した国では、失業、貧困の拡大、経済の後退、財政悪化をもたらした。そしてリーマンショックとして総括された。

  日本は、アメリカの虚構の消費にのっかった一部輸出大企業は潤ったが、貧困と格差が拡大、経済成長は止まり、税収や社会保険収入に大穴が開き、財政悪化、長期債務が激増した。

東アジア通貨危機の際に「ワシントン・コンセンサス」を拒否したマレーシアは危機をのりきった。ブラジルは、一旦、国家破産の危機に追い詰められたが、左翼政権のもとで労働者保護、貧困解消にとりくみ経済を回復、初の債権国となっている。南米で左翼政権が次々と誕生し、中南米カリブ海諸国共同体発足につらなっていく。

 「社会保障・税一体改革」「TPP参加」で言っている内容は、この破たんしたワシントン・コンセンサスと同根である。
 政治家、マスコミなどの論調には、世界を不孝にした「ワシントン・コンセンサス」から何も学んでないそう思わざるを得ないものが少なくない。

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