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失業・格差、金融危機は「時代遅れの資本主義」が背景 ダボス会議

 政府や大企業のトッブがあつまる世界経済フォーラム(ダボス会議)。創始者であるシュワブ会長が、金融危機、失業・貧富格差が解消しないのは、「時代遅れの資本主義」が背景にあると指摘して、「新たなモデル」構築を呼び掛けた、という。
 メダルの裏表として、今日の経済危機に対してマルクスに言及する発言も注目されている。一方、日本では破綻した新自由主義、ワシントン・コンセンサス路線に固執する「一体改革」「TPP」などが喧伝されている。
【かすむ「資本主義改革」=欧州危機が影-ダボス会議閉幕】

【かすむ「資本主義改革」=欧州危機が影-ダボス会議閉幕】

 【ダボス時事】政府首脳や大企業トップらが集いスイス・ダボスで開かれていた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が29日、5日間の日程を終え閉幕した。金融危機の後遺症が癒えない中、資本主義の改革が問われたが、欧州債務危機が影を落とし、新たな方向性を描く論議はかすんだ。
 世界経済フォーラム創始者のシュワブ会長は、金融危機が繰り返され、失業や貧富格差が解消しないのは、「時代遅れの資本主義」が背景にあると指摘。雇用や食料、気候変動など幅広い問題に対処する「新たなモデル」構築を呼び掛けた。

◆ジョージ・マグナス氏(著名なエコノミスト、スイスの大手銀行UBSの上級経済顧問)
 論評「マルクスに世界経済を救うチャンスを」(昨年8月)
「(世界経済危機を)いかに理解するか苦労している政治家は、……マルクスの著作を勉強するのが賢明だ」。『資本論』を引用しながら、今日の危機の根源に「過剰生産と過少消費との矛盾」があると指摘。
 この危機にどう対処するかについて「マルクスの精神を現実に生かすため」には、雇用、所得、総需要を伸ばすことが必要だと提起。

◆ヌリエル・ルービニ・ニューヨーク大学教授(クリントン政権時代に米国の経済諮問委員会や財務省のアドバイザーを務めた経済学者)
 資本主義が過剰生産、過少消費をもたらし、破滅的な危機を繰り返す可能性があるとしたマルクスの分析について、「正しかった」と繰り返しのべ、「格差に適切な対処をおこなわない経済モデルは、最終的には正当性を問われる危機に直面する」と警告。(昨年10月)

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