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「シングルマザーの就業と経済的自立」 労働研究機構

 “母親のジョブレスまたは不完全雇用による貧困が一般的である他の先進国と比べると、「働いているのに貧困」というのは日本のシングルマザーにおける普遍的な特徴である” “日本における有業母子世帯の貧困率は58%に達しており、OECD30 カ国中最も高い水準である”
 “日本を除くすべてのOECD 諸国において、子どものいる世帯における再分配後の貧困率が下がっている。とくに北欧諸国、フランス、チェコ、オーストラリアについて、再分配後の貧困率が再分配前の半分以下の水準までに改善している。一方、日本の場合、所得再分配後の貧困率は下がるどころか、逆に上昇している。”・・労働政策研究研修機構のレポート。

 現在の施策が機能してないことがわかる。

【シングルマザーの就業と経済的自立 研究報告1/24】【シングルマザーの就業と経済的自立 サマリー】

 貧困の解消には、社会保障の充実により、労働力の「急迫販売」を防ぐこと、正規雇用を当たり前にし、均等待遇を実現するなどディーセントワークを確立すること(その基軸としてジェンダー視点)、など社会のあり方そのものが問われている。
 貧困の連鎖を断ち切るうえでの教育機会の保障、教育費負担の軽減も重要なポイントである。

 さてレポートでは『国、自治体の就業支援』について

 “「就業機会の増大策」のほとんどは、「置き換え型」の需要刺激策である。全体の求人需要を一つのパイだとすれば、これらの政策は、パイ全体の大きさが変わらない中、シングルマザーになるべく多くの分け前が行き渡るようにパイの分配方法を変えることになる。シングルマザーの就業機会が増加する分、他の労働者(主に有配偶女性等)の就業機会が減少する可能性がある。”
と本質的問題に触れたうえで(イス取りゲーム状態)・・・

 『専門資格取得の影響』では、看護師、教員、簿記の専門資格を取得では効果があるが、ホームヘルパー、パソコン資格は、大多数が非正規就業者として就業し、低賃金しか獲得できない、ことが明かにしている。
 
 高資格を得るには「高等技能訓練促進費」があるが、資格取得に必要な期間、月141,000円の手当てが支給されるが、学費は実費負担であり、看護師なら3年間で3~400万円(私立)ほどかかる。学費を払えば3~4万円ほどしか残らず、利用が低迷しているのも当然である。
しかも2012年度は、月額10万円、期間は最長3年と改悪されようとしている。

 サマリーはまとめで「国が社会保障(児童扶養手当等)や税金での所得移転を通じて母子世帯に引き続き経済支援を行うことも重要である。」としているが、スキルアップを保障するためにも、きちんとした生活支援が必要である。

 日本は、OECDから“人口の半数の能力を活かしてない”としてジェンダーバイアスの大きさが経済の活力にとっても問題となっていることを指摘されている。
 シングルマザー問題は、その焦点の1つだといえる。


【シングルマザーの就業と経済的自立 1/24】

【概要】

◇研究の目的と方法

 日本のシングルマザーにとって、働いても貧困が解消されない、非正規就業者を中心に慢性的貧困に陥りやすいなど、経済的自立には多くの壁がたちはだかっている。
こうした状況を踏まえ、本報告書は、アンケート調査の二次分析を中心に、母子世帯の経済的自立状況とその必要条件について総合的に検討している。

◇主な事実発見

 経済的自立を果たせたグループと果たせなかったグループとの比較(第2章、第4-5章、第8章)を通じて分かったことは、比較的高い人的資本(短大以上の学歴、社会経験、専門資格等)や身体的資本(年齢の若さ、健康状態等)を持つシングルマザーは、稼働能力が高いため、経済的に自立しやすい。また、同等な稼働能力を持つシングルマザーの場合には、子育て負担の低い母親は経済的に自立しやすい(図表)。したがって、母子世帯の経済的自立を促進するためには、シングルマザーの稼働能力の向上と子育て負担の軽減に向けての支援が必要不可欠である。

 では、シングルマザーの稼働能力を向上させるためには、具体的にどのように支援すれば良いのであろうか。本報告書は、職業訓練、専門資格の取得、正規就業のキャリアラダーの構築、ジョブマッチング効率の改善など様々な角度から稼働能力の向上策を論じようとしている(第3章~第9章)。これらの実証研究より、看護師等の専門資格を持つ者や(第3章、第4章、第8章)、就業履歴において正社員就業を継続してきた者(第5章)、国の職業能力開発支援を利用した者(第9章)等は、その比較相手と比べて平均的に高い稼働能力を持っていることが分かった。こうした就業支援を充実・拡大することによって、より多くのシングルマザーが稼働能力を高めて、経済的自立に向けて一歩前進できるものと考えられる。

 しかしながら、母親の就業所得の向上に頼って経済的自立を目指すことも、一定の限界がある。例えば、高年齢、低学歴または疾病等の関係で専門資格を目指すような職業訓練を受けることができないシングルマザーが大勢いる。また、多くのシングルマザー(とくに低年齢児の母親)が、子どもとの時間を大切にしたいため、フルタイム・正社員就業をそもそも希望していない(第4章)。さらに、シングルマザーはそうでない女性に比べ、家事時間と睡眠時間が既に少なく、勤労時間が長くなっている(第11章)。


◇政策的含意

 シングルマザーに必要なのは、「企業戦士型経済的自立」というよりも「ワーク・ライフ・バランス(WLB)型経済的自立」である。
 「WLB型経済的自立」を実現するためには、母子世帯の母の稼働能力を高めるような就業支援が今後も必要である。また、離別父親にきっちり養育費を支払ってもらい、国が社会保障(児童扶養手当等)や税金での所得移転を通じて母子世帯に引き続き経済支援を行うことも重要である。離別父親に養育費の追及を強めることや(第10章)、児童扶養手当の減額議論により慎重な姿勢(第2章、第5章)が、いま、行政側に求められているのではなかろうか。


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