「伊方原発きょう全基停止 四国の電力不足せず」 高知新聞
今朝の高知新聞の一面。
原発は、「四国の電気の4割を占める」というPR文句について“これは発電量ベースの話。設備容量で見れば、原発の割合は「2割余り」に下がる。”と正しく報道している。
【伊方原発きょう全基停止 四国の電力不足せず 高知新聞1/13】
政府の「不足」演出については、環境エネルギー政策研究所の見解を以前紹介した。
【全原発停止でも今冬、来夏も電力は足りる ISEP 2010/10】
高知新聞の報道では、最大需要を昨夏の544万kWより多い570万kWに設定し「夏は節電必至? 」と小見出しをつけているが、夏場にわざわざ火力発電の点検をせず、ずらすこと(35万kW)、休止中の阿南1号を稼動(12.5万kW)させれば、約600万kW確保できること。
また、記事ではふれてないが、需給逼迫の際に供給制限する代わりに電気代を安くしている需給調整契約56万kWを活用すれば問題ないことがわかる。
毎日新聞は、昨夏のピーク需要で試算したところ、不足は北電、関電と報道している。
これも北電は、火力発電の点検時期をずらせば問題はなく、関電も余裕のある中国電力から融通をうければ解決する。
全体として、環境団体などの各種の提言、見解をうけて、実態に近い内容が報道されだした。
【全原発停止可能性:昨年並み需要なら今夏2電力で供給不足 1/8】 四国電力は、13日から伊方原発2号機(愛媛県)の運転を停止し定期検査に入ると公表、国内で稼働している原発が5基に減ることになった。5基も4月までに定検入りするため、54基の全原発停止が現実味を帯びてきた。政府は、原発の再稼働なしで、10年並みの猛暑を前提とした場合、今夏には北海道、東北、東京、関西、四国、九州の6電力で、供給予備率がマイナスになるとの需給見通しを公表している。だが、東北、東京電力管内で電力使用制限令が発動された11年並みのピーク需要で試算したところ、予備率は軒並み上昇し、マイナスは北海道、関西の2電力にとどまった。【立山清也】 原発54基のうち、7日時点で稼働しているのは▽北海道電の泊3号▽東電の柏崎刈羽5、6号(新潟県)▽関電の高浜3号(福井県)▽中国電の島根2号(島根県)▽四国電の伊方2号--の5電力の6基。政府の見通しによると、今夏に6電力で予備率がマイナスになる。特に原発依存度の高い北海道、関西、四国、九州の4電力では余剰の発電設備がほとんどなく、ガスタービンを設置しようにも通常3年程度かかる環境影響評価(アセスメント)がネックとなり、夏に間に合わせるのは難しい。また、再稼働には国が課した安全評価(ストレステスト)をクリアする必要があるが、審査にどのぐらいかかるか判然とせず、再稼働の見通しは立っていない。
猛暑日などのピーク時の最大需要が一瞬でも発電量を超えると、大停電を起こしかねず、「電力会社は万が一を恐れ、需要を高めに設定しがち」(経済産業省)。東電の場合、猛暑だった10年夏のピーク需要は6000万キロワットだったが、電力使用制限令が発動された11年夏は4922万キロワットにまで低下した。11年のピーク需要で試算すると、予備率がマイナスになるのは北海道電と関電の2社だけ。東電と東北電の場合、被災していた火力発電所の復旧やガスタービンの新増設などで約220万キロワット、約100万キロワットをそれぞれ冬の供給力に上積みでき、予備率は15%超となる。
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