札幌・姉妹死亡と生活保護
生活保護受給者が過去最高(率では最高時の2/3)になったことで、「抑制」策が議論されているが、橋本・小泉「構造改革」路線移行、相対的貧困線が下がる中で、貧困率が高くなっており、貧困の拡大こそが問題である。
札幌で、姉が病気し、障害を抱えた妹が凍死した。市役所に「生活が苦しい」と3回相談に来ていた。貧困率以下の人口は2千万人を超える。生活保護を受けているのは200万人強。
【40代姉妹死亡:「生活苦しい」区役所に3回相談 札幌 毎日1/24】
障害者自立支援法が、生きていくためのサービスを「益」として応益負担を導入したことも忘れてはならない。
消費税増税と社会保障切捨ての「一体改革」が言われているが、強行すれば犠牲者が拡大するだけである。
あらためて、今日アップした「バフェット・ルールに反する日本の現実」の是正こそが求められていると強く思う。
【40代姉妹死亡:「生活苦しい」区役所に3回相談 札幌 毎日1/24】札幌市白石区のマンションで知的障害のある妹(40)と姉(42)とみられる遺体が見つかった問題で、この姉は約1年半前から3回にわたり区役所に生活相談に訪れ、生活保護申請の意向をみせていたことが、市役所への取材で分かった。姉は自身の仕事や妹の世話をしてくれる施設も探していたようで、その最中に急死し、連鎖的に悲劇が起きたとみられる。
札幌市保護指導課によると、姉は10年6月、11年4月、同6月の計3回、区役所を訪れ「生活が苦しい」と訴えた。2人の収入は中程度の知的障害がある妹の障害年金だけだったとみられる。昨年6月、姉は「今度、生活保護の関係書類を持ってくる」と言って必要な書類を聞いて帰ったが、その後は相談がなかった。
北海道警の調べでは、姉妹の部屋に求職に関するメモがあった。姉とみられる遺体の死因は脳内血腫。姉は3年前に脳外科を受診した記録があり、体調不良を自覚しつつ職探しをしていた可能性がある。区内の民間障害者施設によると、姉は約1年前に妹の通所の相談に来たが、決まらないまま連絡が途絶えたという。一方、妹とみられる遺体の死因は凍死で、死後5日~2週間。料金滞納のためガスは11月末に止められており、室内は冷え込んでいたとみられる。
姉妹に近所付き合いはなく、地元町内会長の本田鉄男さん(66)は「マンションが町内会に加盟していれば回覧板で変化に気づけたが、非常に残念。せめて市役所から知的障害者がいるとの情報があれば対応できたのだが」と話す。ただ市保健福祉局の担当者は「障害を知られたくない人もおり、情報を一元的に出すのは難しい」と話す。民生委員の巡回は高齢者宅に限られ、災害時の要援護者のリストアップも、希望者だけを登録する仕組みだ。
札幌白石署によると、昨年12月15日に家賃滞納分の振り込みがあり、それから数日内に姉が急死したとみられる。同20日に「111」など複数の発信記録が姉の携帯電話にあった。残された妹が110番など何らかのSOSを出そうとしたのかもしれない。
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貧困という言葉から何を想像するだろうか?
生まれてからずっと貧乏の私だが、
「いやあなたは極貧よ」と言われたのはもう10年も昔。
あれから更なる極貧を進行形。
まじめに働いているのに、、
賭け事してないし、買い物だって慎重に慎重に、
病気や怪我しないようにここも慎重に。
だけど、どうにもできない時は予測なくしてやってくる。
こんな時はやっぱお金なんですよね。
だから「貯金」っていうけど、
貯金さえできない現実です。
今日いただいた「源泉徴収票」
は~~手元に戴くお金はなんと
昨年一年1、068、000円。
これが自治体非正規雇用の現実です。
貧乏に負けるなって自分を励ます力も薄れて、
組合活動もつらい、
だけど、ここでひるんではもっと厳しい未来が来る。
辰年新年、踏ん張りながら羽ばたこう;;
Posted by: カモメのおばさん | January 24, 2012 at 10:06 PM