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「事故収束」宣言~ 政府・東電の合同記者会見も「終結」

 16日、政府は、福島原発について「冷温停止状態となった」として「事故は収束」を宣言した(メルトスルーしているのに!)。それにかかわる福島の地元紙2紙の報道、社説・論説。
それと田中龍作ジャーナルによれば、政府と東電の合同記者会見が、記者クラブの要求という形で打ち切りになったと。事故終結宣言、合同会見打ち切りで、幕引きにかかっている、と指弾している。
・・・安全を演出し、避難を解除し賠償金をねぎる、原発輸出と再稼動を後押しする、ためだろう。
【「冷温停止」 最後の合同会見で世紀の大ウソ 田中ジャーナル】
http://tanakaryusaku.jp/2011/12/0003343
【「なぜ収束」課題山積 除染手つかず 住民ため息  福島民報12/17】
【ステップ2完了 大丈夫か「収束宣言」 福島民報12/17】 
【”冷温停止宣言”/疑念と不安消えてはいない 福島民友新聞12/17】
【「安心」演出に避難住民怒り 除染など課題は山積 福島民友新聞12/17】

【「なぜ収束」課題山積 除染手つかず 住民ため息  福島民報12/17】

 政府が東京電力福島第一原発事故の収束作業工程表の「ステップ2」完了を発表した16日、浜通りの警戒区域などから避難した住民からは「本当に大丈夫なのか」と疑問の声が上がった。汚染水の漏えいなど仮設施設のトラブルは今も後を絶たない。本格除染は手つかずの上、除染に欠かせない廃棄物の中間貯蔵施設の建設場所すら決まっていない。住民からは「帰れないことに変わりはない」とため息が漏れた。

■冷ややか
 福島市の仮設住宅に一人で暮らす浪江町の無職信田富貴子さん(81)はテレビで野田首相の発表を聞いたが、心は晴れない。「工程表が進んだといっても、いつ帰れるのか。生きているうちに戻れるの?」。野田首相の言葉に答えはなく、「お願いしますよ」とテレビの画面に向かって手を合わせた。
 三春町に避難し、特別警戒隊長として葛尾村に通う松本信夫さん(59)もテレビを見詰めながら「村に帰れない状況に変わりはない」と冷ややか。飯舘村消防団長を務める自営業荒利喜さん(62)は「一つの区切りとしては受け止めるが、処理水の問題などもあり、まだ安全な状態とは言えない」と収束宣言に首をかしげた。
 緊急時避難準備区域が解除された広野町の6号国道沿いにある「そば処鈴芳」は、7月下旬から日中限定で営業している。経営する小野二三五さん(54)、君子さん(50)夫妻は、いわき市四倉町の仮設住宅から通う日々。震災前と同じように、長女夫婦や孫ら家族6人で暮らすことが願いだ。「メルトダウンの発表が遅れるなど、国や東電のこれまでの対応には不信感がある。でも、少しでも前に進んでいると信じたいよね」とつぶやいた。

■中間貯蔵施設は
 野田首相は「事故収束」を強調するが、除染は進んでおらず、帰郷の道のりは険しい。
 南相馬市鹿島区の仮設住宅で玄関に積もった雪を掃いていた無職福島クニイさん(82)の自宅は警戒区域の市内小高区にある。「すぐに戻れるわけではないことは分かっている。でも、除染が進むのは一体何年後になるの…」と不安は一向に解消されない。
 自衛隊による本格除染の準備作業が行われた富岡町の無職大和田洋さん(76)は「一部を除染しただけでは安心して暮らせない。津波が来た区域や地震で壊れたライフラインの復旧はどうするのか」と疑問を投げ掛ける。
 除染を進めるには、中間貯蔵施設の早期建設が課題だが、国が建設を検討している双葉郡の住民の思いは複雑だ。二本松市の仮設住宅に住む浪江町の元プレス工永井敏さん(46)の自宅付近は線量が高く、簡単に帰れる場所でないことを痛感している。確実な除染を望んでいるが「施設を郡内に建設することには反対。安心して住める地域がなくなってしまう」と危惧する。
 一方、会津若松市の仮設住宅に中学生と小学生の娘二人と暮らす大熊町の主婦(37)は、中間貯蔵施設は大熊町に建設するしかないと思っている。「一時帰宅の際、空間線量が毎時50マイクロシーベルトもあり、帰郷は諦めた。建設する代わりに集団移転先を確保してほしい」と求めた。

■区域再編に警戒感
 政府は避難している住民の帰郷に向け、今月中にも避難区域再編の考え方をまとめる方針だ。
 しかし、郡山市の仮設住宅で暮らす川内村地域安全保安隊員の猪狩慶さん(43)は「安全は宣言されるものではなく、住民自ら感じるもの。政府の指示で不安を抱えたまま帰されるようなことがあってはならない」と警戒する。広大な田園や山林をくまなく除染できるのか疑問で、「村を信頼しているが、全村帰還の宣言が出されても、村に帰るかどうか正直迷っている」と本音を明かした。
 避難区域の見直しで同じ町でも帰れる地域と、長期間、住めない地域に分断される恐れもある。会津美里町の仮設住宅に避難している楢葉町の農業横田智一さん(54)は「除染が進まないうちに区域だけ見直すのは順番が違う。国が一方的に沈静化を図ろうとしているように感じる」と不満を募らせた。

【背景】
 東京電力は4月17日、東京電力福島第一原発事故の収束に向けた工程表を公表した。原子炉を安定的に冷却させる「ステップ1」(7月に完了)の次の段階として、原子炉を「冷温停止状態」にすることを「ステップ2」とした。冷温停止状態とは、圧力容器下部の温度が100度以下になり、格納容器からの放射性物質の放出が管理され、追加的な放出による被ばく線量が大幅に抑制されていることが完了の条件になっていた。

【ステップ2完了 大丈夫か「収束宣言」 福島民報12/17】 

 東京電力福島第一原発事故の収束に向けた工程表「ステップ2」完了を宣言する。「冷温停止状態」が達成され、事故は収束した-。野田佳彦首相が16日発表した。
 「収束宣言」は現状からすれば、あまりに唐突で違和感を覚える。首相は「事故との闘いが全て終わるわけではない」としているものの、「ステップ2の年内完了」という日程を優先した対応になってはいないか。「事故収束」との政府見解が一人歩きし、安全対策や事故への関心を薄れさせる恐れはないのか。
 原子炉の損傷具合や溶けた核燃料の現状は確認できていない。注水による温度変化や格納容器内の放射性物質の解析から推定するしかないという。放射性物質の外部放出も止まっていない。原子力安全委員会の班目春樹委員長は「炉の中の状態が分からず、何が起こるかきちんと予想することが難しい」と認める。
 炉建屋や使用済み燃料プールは水素爆発によって傷みが激しい。循環注水冷却システムも綱渡りの状態が続く。崩落や汚染物質漏えいの危険性が依然残る。安全・安心とは言い難い。炉内部の調査・測定や不測の事態に対応できる体制の確立が不可欠だ。
 冷温停止の状態だとしても、廃炉をはじめ放射性物質の除染や住民の健康管理、賠償などの難題が山積する。
 廃炉は燃料の搬出・処理が最大の課題となる。政府と東電は、使用済み燃料を2年後、溶け落ちた燃料を10年以内に取り出し始めるとした。完了までは最長40年を要するとされ、事故に苦しむ県民には長すぎる時間だ。
 「収束宣言」に伴い、政府は現在の規制区域を年内に見直す考えを示した。年間放射線量50ミリシーベルト以上を「帰還困難区域」、20ミリシーベルト以上50ミリシーベルト未満を「居住制限区域」、20ミリシーベルト未満を「避難指示解除準備区域」とする新たな3区分を想定する。
 生活環境の整った地域から順次、住民帰還を目指すという。線引き基準や手順を地元にしっかり説明してほしい。同時に、除染などを軸とする古里回復に向けた工程表を明示すべきだ。
 帰還困難区域では、土地や家屋などの買い上げや集団移転が検討される。帰還を願う住民の希望を断ち切る事態が待ち受ける。しこりや分断が生じないよう、政府は誠意を尽くさなければならない。
 まずは来春発足予定の原子力安全庁(仮称)による廃炉作業の進行管理や監視徹底、情報公開が基本となろう。首相の掲げる「福島の再生」はまだ遠い。(鞍田 炎)


【”冷温停止宣言”/疑念と不安消えてはいない 福島民友新聞12/17】

 野田佳彦首相は、東京電力福島第1原発の1~3号機原子炉が安定的な冷温停止状態に達したとして、事故収束のための目標として工程表に掲げた「ステップ2」の完了を宣言した。
 今後は廃炉に向けた具体的な工程に移ることにしているが、原子炉内の状況については、はっきりと分からず、県民の疑念と不安は解消されていない。
 原発事故が発生してからすでに9カ月余。地域の除染は遅々として進まず、帰郷を願う住民も少なくないのに原発周辺では人が住めるような環境にはなっていない。被災地には課題が山積したままだ。
 政府、東電には一層の情報開示が求められる。再び、県民に安全と安心をもたらすための確かな道筋を示し、課題を克服していかなければならない。
 工程表での冷温停止状態は当初、「10月から来年1月」までに達成するとされた。東電は、1~3号機の圧力容器底部の温度は冷温停止の目標とした100度を下回っている、と説明。放射性物質の外部への飛散についても、敷地境界での被ばく線量が年間1ミリシーベルト未満という基準を達成したとしている。
 ただ、1号機では、溶け落ちた燃料は圧力容器から格納容器にすべて漏れ出したとみている。さらに格納容器の底のコンクリートを熱で分解しながら浸食した可能性があるという。東電は、高温の燃料が格納容器を突き破る前に浸食は止まった、と説明しているが、原子炉は壊れたままだ。放射性物質を閉じ込めたわけではない。第1原発では依然として深刻な状態が続いていることに変わりはない。
 原子炉の冷却にしても、1号機の格納容器の底にある水は高さが30~40センチしかないとしている。再び爆発する可能性が無くなったとはいえない、との専門家の指摘もある。
 原発構内には大量の低濃度汚染水がたまり続けている。この処分についてもまだ決まっていない。さらに汚染水の水漏れも明るみに出た。
 廃炉に向けた作業についても難題が待ち受ける。放射線を遮蔽(しゃへい)するため、格納容器全体を水で満たして冠水させる「水棺」方式の実現を目指すとしているが、炉心溶融で破損した格納容器などを修復する必要がある。
 廃炉の成否を左右することになる核燃料の回収という技術も新たに開発しなければならない。
 壊れた原子炉の廃炉という、これまでに人間が経験したことのない未知の領域での危険な作業は最長40年もかかると予想されている。「冷温停止」は、廃炉に向けた長くて困難な工程の、まだ入り口でしかない。政府、東電は県民が置かれている現実を直視しなければならない。

【「安心」演出に避難住民怒り 除染など課題は山積 福島民友新聞12/17】

 政府が原発事故収束の工程表「ステップ2」の完了を宣言した16日。野田佳彦首相が「事故は収束」と発言したことに対し、9カ月を超える避難生活を強いられている住民からは「まったく区切りにならない」と一斉に反発の声が上がった。除染や賠償など課題は山積したまま。安心を演出しようとしたのか、政府の唐突な「収束」アピールは、住民の怒りを増幅させた。
 浪江町民が避難する福島市の南矢野目応急仮設住宅。集会所で首相の記者会見のテレビ中継を見詰めた住民ら約20人は、「事故は収束」という発言に怒りの声を上げた。武沢利重さん(76)は「原子炉からの水漏れやがれき問題などが残る。生活できる空間が戻るまで『収束』の言葉は口にするべきではない」と憤った。
 川俣町山木屋から同町の仮設住宅に避難する無職佐藤政信さん(67)は「これまでの経緯から本当に作業が順調なのか疑問だ」と不信感をあらわにする。南相馬市小高区の警戒区域から同市原町区に避難中の農業山沢征さん(68)は「単に冷温停止状態になっただけ」。双葉町の会社役員岩本千夏さん(36)も「被災者の今後の生活が不透明な中、ステップ2の完了は意味がない」と語った。
(2011年12月17日 福島民友ニュース)

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