「小選挙区制は最大の間違い」 見直し機運高まる
政治のゆきづまりを作っている小選挙区制について、かつて推進した政治家から反省の声が相次ぎ、見直しの機運が高まっている。世論調査でも「小選挙区のまま区割りの見直し」は一割台で、「抜本改革」の声が半数を上回っている。
選挙は民意を正確に反映させる、意見の集約は、国会議論を通じて・・・、そしてそれが次ぎの選挙で判断される。多様化した価値観のもとで、2つの政党だけ集約させる仕掛けに、そもそも無理がある。
【民自から公明・共産まで 中選挙区復活目指す議連動く朝日11/19】
【「中選挙区制復活議連」発足へ 渡部、加藤紘氏ら超党派、17日に設立総会 産経11/13】
【衆院選「抜本改革を」52% 民・自案支持は16% 毎日11/7】
【民自から公明・共産まで 中選挙区復活目指す議連動く朝日11/19】衆院で中選挙区制度の復活を目指す超党派議連が動き出した。民主、自民両党のベテランや公明党や共産党が参加。かつて現行制度の導入に積極的だった議員からは自責の声も漏れた。
「国民に申し訳ない。政治改革の時に、このような制度を作ることに賛成してしまった」。17日の「選挙制度の抜本改革を目指す議員連盟」の初会合。民主党の渡部恒三最高顧問が小選挙区比例代表並立制導入に賛同したことをわびた。
たちあがれ日本の園田博之幹事長も「自分は政治改革を命がけでやり、今の制度を作った一人。自分の25年の政治生活の中で最大の間違いは、この制度を選択したことだ」。自民党の加藤紘一元幹事長も小泉政権以降、首相が毎年代わることを踏まえ、「政治が安定せず、大仕事ができない。小選挙区導入と軌を一にしている」と指摘した。
【「中選挙区制復活議連」発足へ 渡部、加藤紘氏ら超党派、17日に設立総会 産経11/13】民主党の渡部恒三最高顧問や自民党の加藤紘一元幹事長らが、衆院の小選挙区比例代表並立制を見直し、中選挙区制の復活を目指す超党派の議員連盟「小選挙区制度を考える会」を発足させることが12日、分かった。17日に国会内で設立総会を開く。発起人は20人を超え、公明党やたちあがれ日本の議員も参加する。
加藤氏は「今の選挙制度は失敗だ。二大政党化は進んだが、パフォーマンスに頼る政治家が増え、本物の政治家が育ってこなかった」と同会を発足させる意義を強調している。
議連は渡部、加藤両氏と民主党の中野寛成前拉致問題担当相らが呼びかけたもので、最高顧問に自民党の森喜朗元首相が就任する見通し。
衆院の「一票の格差」解消のため、現在、選挙制度改革に関する各党協議会が行われているが、議連としては1つの選挙区から複数の議員を選出する中選挙区制に戻すことを目標としている。
加藤氏らによると、選挙基盤が弱い民主党の1回生議員の中にも、議連への賛同者が増加。自民党ベテラン議員を中心に中選挙区制復活論は根強いだけに、さらに広がりを見せそうだ。
【衆院選「抜本改革を」52% 民・自案支持は16% 毎日11/7】毎日新聞が5、6日に実施した全国世論調査で、衆院小選挙区の「1票の格差」を是正する選挙制度改革のあり方について尋ねたところ、「選挙制度を抜本的に変える」との回答が52%に上った。衆院選挙制度改革に関する与野党協議会で、民主、自民両党は2大政党に有利な現行の小選挙区比例代表並立制を維持するよう主張。しかし、「今の制度のまま、小選挙区の区割りを見直す」との回答は16%にとどまった。
衆院選挙制度で抜本改革が必要と回答した人を支持政党別にみると、民主支持層で50%、自民支持層でも48%を占めた。与野党協議会で抜本改革を主張する公明支持層では53%が抜本改革を求めている。ただ、「分からない」との回答も31%に上り、多くの有権者を巻き込んだ議論になっていない。
次期衆院選の時期を尋ねた設問では、「再来年の任期満了まで行う必要はない」とした人が33%と最多。「来年中に」とした人の18%とあわせると、過半数が早期の衆院解散・総選挙を望んでいない結果になった。一方で、「来年度予算案が成立したらすぐ」は31%、「今年末までに」は12%だった。
国会での憲法論議についても関心があるかを尋ねた。衆参両院は憲法改正案の審査などを行う憲法審査会の委員を選任。今後の国会の憲法論議に「関心がある」は61%、「関心がない」は36%だった。
(選挙制度部分のみ引用)
« 「派遣法」 使い捨て温存、骨抜き修正 | Main | 若者就労支援 「静岡方式」を読む »
「選挙・政党」カテゴリの記事
- 「立憲民主」の選挙政策を見る (2024.10.09)
- 24総選挙~前回の共闘の到達点をリアルに見、大切にする(2024.09.26)
- ダイバーシティ&インクルージョン 組織のアップデート(2024.08.11)
- 「空白の90年代」考~前進を目指して(2024.08.08)
- 日本のジェンダー平等を考える ~家族モデル、政治、教育、賃金格差、DV(メモ)(2024.05.05)
Comments