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手付かずの森林の高汚染と原発コスト   

 ガレキ・汚泥問題とともに、森林の汚染も早くから問題となってきた。なにせ田畑を除染しても山からの水を流せば、また汚染するからである。しかも、その除染は事実上不可能に近いからである。
【森林の除染、手付かず 平地より山間部が高線量 放置すれば汚染源に 共同9/4】
 ところで、先日、エネ研が、大島教授の試算にあわてたのか、賠償を含めても原発の電気料金が安いという報告を出している。
【「有価証券報告書を用いた火力・原子力発展のコスト評価 8/30】

  火力10.2円、原子力7.2円、地熱など(新エネ)8.9円と・・・

  が、原発コストは 「高コストの揚水発電を除く」「甘いままのバックエンドコストはそのまま」というしろもので、賠償金は10兆円とし、最初の原発稼動から現在の46年間で1回起こった事故だからと、46年間の発電総量で割ってkWあたり1.3円と出している。

 しかし、賠償額の10兆円は、直接被害だけと思われる。汚染原因者は、現状復帰させる責任がある。国土の除染費用も当然入る。

 児玉龍彦氏は「0.5マイクロ以下に除染するのは困難。イタイイタイ病の場合、カドミウム汚染地域は約3000haだが、1500haまでの除染に8000億円の国費が投入されている。この1000倍ということになれば、どれだけの国費が投入されることになるのか。」と、仮定として800兆円を示している。
 
 この800兆円を入れると左記の計算式でも原発はkWあたり104円がプラスされる。
 
 ちなみにエネ研のこれまでの原発は5.3円で一番安いとしていた試算に、「条件によっては原子力が高くなることもあり、常に安いわけではない」という言い訳をこっそり入れている。

 

【森林の除染、手付かず 平地より山間部が高線量 放置すれば汚染源に 共同9/4】

 福島第1原発事故で、住民が避難した警戒区域と計画的避難区域の大半を占める山間部の森林の除染は、手付かずの難題だ。専門家の間では「森林の除染は事実上不可能」との見方もあるが、放置すれば流れ出る水を通じ汚染源になり続け、住民の帰還の障害になる恐れがある。
 共同通信が8月下旬、計画的避難区域で独自に線量を計測した際、民家が点在する福島県浪江町赤宇木の森林地帯で毎時約40マイクロシーベルト(地上1メートル)の最高値を観測した。線量は平地より山間部が高い傾向があった。政府が今月1日公表した線量分布でも、計画的避難区域の最高値は浪江町昼曽根尺石の森林地帯の毎時41・3マイクロシーベルト(同)だった。
 毎時40マイクロシーベルトが1年間続くと、1日16時間は線量が低い屋内にいるとしても積算被ばく線量は200ミリシーベルトを超え、現在の避難の目安である20ミリシーベルトの10倍以上となる。京大原子炉実験所の今中哲二(いまなか・てつじ)助教は「人が住める線量ではない」と指摘。「チェルノブイリ原発事故でも森林の除染は手付かずだった。除染は事実上不可能ではないか」と話す。
 一方、安斎育郎(あんざい・いくろう)立命館大名誉教授は「国の除染方針でも森林の優先順位は低いが、困難でも絶対に取り組まなければならない課題だ」と強調。森林の腐葉土を除去することで一定の除染効果が期待できるという。
 放射線医学総合研究所の市川龍資(いちかわ・りゅうし)元副所長も「放射性物質は木の葉に付着しやすく、葉が落ちてできる腐葉土に蓄積される傾向がある」と腐葉土除去の手法を支持。ただし「森林の除染は前例がなく、膨大なコストを伴うだろう。まず生活圏に近い森林から除染するしかない」と語る。
 福島県は面積の71%が森林で、多くが山地だ。政府は8月26日に決めた除染基本方針で森林について「面積が大きく膨大な除去土壌等が発生する」と難しさを認めた上、腐葉土を除去すれば、保水など「森林の多面的な機能」が失われる恐れがあるとして「検討を継続」と事実上棚上げした

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