教育予算の貧困 OECD調査
教育の公的支出は最下位でしかも減少、私費負担は高く。教員は勤務時間が長いが授業時間は少ない。子どもの受け持ち数は多く、多くの加盟国は教員の勤務条件が改善しているが、日本は給与の低下が顕著。
・・・つまり教育予算のあり方が貧困だ、ということ。
【図表でみる教育2011】
一方、教育機会が雇用の安定につながることもしめされている。
またPISA型の開かれた課題の採用で、PISAにおいて目覚しい成果とも記載されているが・・・教育制度の「高度に競争主義的な」性格が「いじめ、精神的障害、不登校・登校拒否、中退および自殺」の原因となっている。新自由主義が人間関係を劣化させ、「驚くべき数の子どもが情緒的幸福度の低さを訴えている」など、制度、国のありようと一体で考えたい。
【子どもの権利委員会第3回勧告をどう読むか 2010/9】
【気になる一部の引用】◆教育予算と私費負担
・2008 年における日本の教育への公財政支出額のGDP に対する割合は、3.3%。OECD平均の5.0%を下回る。
データの存在するOECD 加盟国のうち最も低い水準。
・2008 年における日本の公財政支出全体に占める教育支出の割合は、2000 年からわずかに減少し9.4%。
データの存在するOECD 加盟国の中で最も低い水準。OECD平均値は、1995 年の11.8%から2008 年の12.9%と増加傾向にある。・2008 年における日本の教育支出に占める私費負担の割合は33.6%。OECD 平均の16.5%を大きく上回っている。
データの存在するOECD 加盟国の中では、チリ(41.4%)、韓国(40.4%)に次いで、3番目に高い水準。
教育支出に占める家計負担の占める割合は21.3%。
・日本では大学等の授業料が比較的高い一方、公的な支援を受ける学生の割合が比較的低い(33%)◆教員の条件
・日本の教員が授業に費やす時間/ 初等教育段階で年間707 時間、前期中等教育段階で602 時間、後期中等教育段階で500 時間。いずれの段階についてもOECD 平均(それぞれ779 時間、701 時間、656 時間)を下回る。
法定勤務時間は、初等教育段階、前期中等教育段階、後期中等教育段階いずれも1,899 時間であり、いずれについても、それぞれOECD 平均(初等教育段階:1,665 時間、前期中等教育段階:1,660 時間、後期中等教育段階:1,663 時間)を大きく上回る。・教員一人あたりの生徒数 /初等教育段階では18.6 人、前期中等教育段階では14.5 人。いずれもOECD 平均(16.0 人及び13.5 人)を上回る。
・ 大半のOECD 加盟国が教員の給与や勤務条件を改善してきているのに対し、日本における教員の給与は2005 年より実質減少しており、他国に比べると特に顕著である。
◆教育と雇用
・日本において、高等学校を修了していない労働者の所得は、高等学校修了者の80%しかない。逆に、大学修了者は、高等学校しか修了していない者に比べて68%所得が高い。これらの所得の差は、OECD 平均に匹敵するものである。
・受けた教育段階が進むほど、雇用率は上昇し、失業率は低下する。日本において、男性では、後期中等教育を修了した場合雇用率が85.8%、失業率が6.4%であるのに対し、大学型高等教育を修了した場合は、雇用率は92.4%、失業率は3.1%である。◆日本は、全国学力調査においてPISA と同形式の答えの開かれた課題(open-constructedtasks)を採用し、その後10 年の間にPISA において目覚しい成績の向上を見せている。
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