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「維新の会」条例案 教育委員全員が批判

 橋下知事肝いりで任命した委員も含め、時の政治権力による教育の介入、統制する条例案を「ものすごく乱暴」「根本的に同意できない」と激しく批判。川村群太郎委員(ダイキン工業役員)は「何より子どもがむちゃくちゃになる。(教育委員の)総辞職しかない」と発言。
 府高教調査部による16日の委員会の傍聴メモが、雰囲気をよく伝えている。
【大阪維新の会:教育基本条例案 府教育委員全員「反対」毎日9/16】
【「横暴」「現場を無視」 府教育委員全員が批判 「教育基本条例案」赤旗9/19】
【9月16日大阪府教育委員会会議傍聴 メモ府高教調査部 9/17】

【大阪維新の会:教育基本条例案 府教育委員全員「反対」毎日9/16】

 大阪府教委の教育委員会会議が16日開かれ、橋下徹・大阪府知事が代表を務める首長政党「大阪維新の会」が9月府議会に提案予定の「教育基本条例案」に対し、意見表明ができない府教育長の中西正人氏以外の5人の教育委員全員が「ものすごく乱暴」などと批判し、反対の姿勢を示した。
 同条例案は、教育行政への政治的関与を強めることを主眼としており、教員の懲戒規定を明確化したり、首長が設定した目標を実現する責務を果たさない教育委員を罷免できるなどの内容を含む。
 5人のうち、陰山英男氏(立命館大教授)と小河勝氏(大阪樟蔭女子大講師)の2人は08年10月に橋下知事の肝いりで委員に選ばれたが、いずれも激しく批判した。特に陰山氏は「この条例で大阪の教育がよくなるとは思えない。学力は上がってきているのに、今まで作り上げてきたものを自分たちで壊すことになる。耐えられない」と述べ、条例案が可決されれば辞任する考えを表明した。小河氏も「教員を管理し、処罰しようとする視点しかない」と反対論を展開した。


【「横暴」「現場を無視」 府教育委員全員が批判 「教育基本条例案」赤旗9/19】

 橋下徹大阪府知事率いる「大阪維新の会」が20日開会の9月府議会に提出する「教育基本条例案」について、知事が肝いりで任命した府教育委員も含め、教育委員全員から強い批判の声があがっています。(大阪府・小浜明代)

◆知事肝いり委員も
 「やってはいけないということをやっている。横暴としかいいようがない」。16日に開かれた府教育委員会会議(委員6人)。陰山英男委員(立命館大学教授)はこう憤りました。同委員は、「百ます計算」で知られ、知事の強い要請で就任。任命式では「今日から大阪の教育が変わる。大阪の子どもたちを頼む」と橋下知事が天まで持ち上げていました。

◆厳しい言葉ついて
 会議の冒頭から、「10年後も今の支持率が続き、この政策が支持されているといえるのか」と厳しい言葉がついて出ました。
 教育基本条例案は、知事が府立の学校の教育目標を決めることや、全校長の公募、3年連続定員割れした高校の統廃合、学力テストの学校別結果の公表など、教育への露骨な政治介入を狙っています。
 同委員は条例を「府の教育に関する最高規範」としていることに言及し、「最高規範ってなんですか。こんなもので先生のやる気があがりますか。学力があがりますか」と語気を強めました。
 もう一人の橋下知事肝いりで就任した小河勝委員(大阪樟蔭女子大学講師、元中学校教師)は、「君が代」不起立など同一命令に3回違反した教員や、5段階評価で5%を最低評価とし、2年連続最低となった教員を免職すると明記した問題について、「教員は決められたことはやっている」と擁護。教員がご飯を食べていない子どもへの対応や家庭訪問と山のように仕事を抱えているとし、「教育は教師の誇りと情熱で支えられている。それを配慮せず、管理と処罰では壊れてしまう」と断じました。
 「教育現場を無視している。任期付きで校長はできない。従わなければ処分では現場はなりたたない。あまりに乱暴」と批判するのは中尾直史委員(学校法人雲雀丘学園理事)。「相対評価など、あり得ない。学校はどうしたらよくなるかを先生みんなで協力してやらないとよくならない」と訴えました。

◆「総辞職しかない」
 川村群太郎委員(ダイキン工業役員)は「何より子どもがむちゃくちゃになる。(教育委員の)総辞職しかない」と発言しました。陰山委員は「一国民として言うと、政治家としての資質が問われている。政治が教育を振り回すという一番問題のことをしている」と語りました。

【9月16日大阪府教育委員会会議傍聴 メモ府高教調査部 9/17】

■教育基本条例素案、9月12日付けについて

藤井教育次長より、「大阪府教育基本条例案について」と題した教育委員会としての6点の質問項目について詳細な説明。その後の議論。
生野教育委員長が意見をうながすが、しばらく沈黙。

・生野(委員長):みなさん、いろいろありすぎて・・・
・蔭山委員:・・条例素案に対する意見についてはよくまとめていただいている。すべてこのとおりだろう。教育委員としてはものがいいにくい。個人として解釈すると、知事の見解を反映したもの。こんなものは何年か前なら出ていない。小選挙区制になって以降、この国は、ほんのわずかの票の移動が大きな影響を与えて、ゆけゆけドンドンとなる。沖縄、子ども手当、高校無償化など。これは政治の教育への責任を警告するものだ。一体、国の高校無償化がふっとんだら大阪の私学への措置なども全てボツになるのか?(中西教育長が、知
事としては公立は高額所得者を有償にするなどして公私同じ条件に、と考えているよう、と答え)あの小泉人気の高かった郵政民営化も今は否定されている。今の知事への支持が10年持つのか。教育基本法の改正、いろんな議論があったが5年も時間をかけて議論した。
意見も出尽くして、いまは元にもどそうとはなっていない。しかし、「最高法規」というこの条例はなんですか。こんなもので先生のやる気があがりますか学力があがりますか。民意の・・というが、維新の(数の?)力でやる、というなら私はいささかも同意できない。根本的に同意できない。こういうふうにやってはいけない、ということをやっている。横暴としか言いようがない。これでやれ、というなら知事の意向を受けた人がやるべき。私はできない。やめます。

・小河委員:ものがいいにくい。今の状況・・・変えることむつかしい。この教育の状況が大変なこと、なかなか府民に理解してもらえない。我々は陥没状況に陥っている。政治的発言はできないし、この間の教育長の発言が精一杯か・・。
・蔭山:校長の公募制・・一体、誰がするのか。
・小河:決められたとおりにやれ、としばるものだが教員はみんなそんなことはやっている。実際は、ごはんを食べていない子どもに食べさせたり、家庭を訪問したり・・山のような仕事を抱えている。それは教員の誇りと情熱で支えられているものがものすごく大きい。それを全く配慮せず、管理と処分でやれというわけでしょう。これでは、こわしてしまう。こわれてしまう。
・蔭山:まじめな力のある人ほど、かってにせえや、となってしまう。一旦、こわれたら立て直すのがどれだけ大変か。立て直すときどうするのか。
・中尾:現場をみてやっているのか。現場、現実を無視している。任期付き校長、私の経験からもよくわかる。こんなものはできませんわ。もっと議論を尽くさないと。われわれ、これまでいろいろとやってきた、方向も見えてきた。こんな従わんかったら処分、なんかでは現場がなりたたん。
・中西教育長:徹底的に議論はしたい。
・小河:明確に強く出してほしい。我々はこれまでずっと知事とも議論を重ねて中学校の給食とか、いろいろやってきた。なのに、この条例の全文は、教育と政治が、離反とか書いてある。あまりに実態と乖離している。根拠がない。
・中尾委員:これは一体誰がつくったのか、維新というが一部の人がつくったのだろう。こんな大きな問題をあまりに乱暴に扱っている。民間にいたが、会社でも社員のモティベーションを上げないと仕事などできない。それを、職務命令、いちいち書面で、できるはずがない。
・小河:現場の管理職の話を聞くが、みんなものすごく落胆している。やってられん、と言っている。これは一見、現場の管理職の権限を強化しているようだが、実はこわしている。
・蔭山:百歩、千歩ゆずって、日の丸君が代など、現場のガバナンスを強めるという点で府民の支持を得ていることは我々も反省する面がある。しかし、これは大阪の教育がつくりあげてきたものをつぶすことになる。東京は、あのやり方で管理職になる人が減って減って困っている。大学も東京の教員に学生を送るな・・となっている。民間人校長もやってみたいという人は私の周りでも実は多い。しかし現実を見てゆくとみんなあきらめてしまう。いまの教員、とくに管理職は日本社会の根本的な矛盾と最前線で向き合うという覚悟がいる。この10年、学校選択などありとあらゆることをやってきて、本当に何が定着したというのか。その反省があったらこんなことはできない。知事が大阪府教育委員会を日本一の教育委員会だと言っていたのは一体いつのことか。それがこれだ。
・生野:個人的・・・意見です。これが維新の議員提案で、「政策」だ、ということを踏まえるべき。今日も弁護士会が法的な観点から声明を出されたが、これから意見を聞かしてくれとなってくるはず。しっかりと現場の意見、対案を出してゆく必要があるのでは。
・蔭山:感情的になっているから、一国民として言うと、政治家としての資質が問われている。一体現場を歩いたんですか、と言いたい。政治が教育をふりまわす、いう今の制度でいちばん問題のことをやっている。自民や民主の議員、これまで議論をしてきたがそれぞれ現場を歩いて、我々から見ても痛いところを突いてきた。これは何か、この政策が(現場でなく?)どこから出てきたのかというのは大きな論点だ。
・生野:確かにそうですね。
・川村委員:私は教育はしろうとでよくわからんが、・・十分に協議しているのか。議会で決めたらその通りやらないかん。全く乱暴なことをやる。教育という大事な、時間のかかるものを。教育委員として何ができるのか、政党でもつくってこっちも対抗するか。とにかくムチャクチャなことやろうとしとる。悪い影響というのは、何より子どもがムチャクチャになる。だがぼくらに何ができる。こんなん相手にしてもしゃあない。府民が相手でしょう。総辞職しかない。ぼくもなりたくてなったんと違う。ただ維新は過半数で議会で通るのは間違いない。メディアも含めてやらないかんが・・「どうお考えか」、この見解はいい。教育委員会として何ができる?
・蔭山:対抗手段としては、教育委員会として「反対」は無理。政治だ。最終的には府民の判断。
・生野:都構想との関連は・・
・中西、藤井:はっきりしないが、高校は「都」が管轄。これからの議論。
・蔭山:教育は中央政府の管轄に置くというのが基本。地方が基本原則を決めるというのは教育基本法とも違う。
・川村:民意と法律だが、民意は別として法律は厳然としてるでしょう。
・藤井:提案者としては矛盾がない、としている。処分関係で訴訟が起きる可能性はあるが、リーガル・チェックをやっている。ただグレーゾーンは多くある。
・蔭山:府立高校の統廃合、住民意思を無視して条例で機械的にやれば住民訴訟が相次ぐ。その対応だけでもう教育委員会は手一杯になる。
・中西:全て教育委員会の仕事になる。
・川村:とにかく時期尚早。あの人らに言ってもダメ。府民にいうしかない。改革もこっちは10年以上かけてやって成果もでているのに。
・蔭山:知事はこれまで議論して妥協点をみつけてやってきた。こんども「なんちゃって」となればいいが、これは条例だ。決まったらずっとこれでいく。どうしようもない。選挙があって出している。我々はそれはどうしようもない。この見解はきわめて的確にまとめてある。これで。
・中西:ですから府教委の意見として出したもの。
・生野:(地教行法とは違う)学校運営協議会。外国でも偏りのある団体に影響されて・・地教行法とも違う。私営、民営のようになるのか・・
・藤井:推測だが条例素案のリーガルチェックで義務制に関わる部分が削除されて、この項は府立学校だけが残った。
・中西:府立高校の学区はなくすと言っているから地域代表はいない。協議会といいながら、任期付校長と保護者代表とか・・得たいの知れぬものとなっている。これが学校評価、校長評価、教員評価をやる。100人以上の授業を見て、多数の教科の教科書を選定して・・・そんなスーパーマンがどこにいるのか・・・。
・生野:そんな運営協議会や公募の校長のなかで、教員さんはどこで息をしたらいいんでしょう。
・藤井:(この条例素案では)校長副校長と一般教員の間に極端な段差が生まれることになる。現行(の校長・教頭?)とは全く別物。
・川村:提案になってないね。根本がわかってない。この人らの本音は、要はひっくり返したいだけや。
・蔭山:この評価方法では、まず教員はいい実践を絶対に外に出さなくなる。次に保護者受けをよくしたい、という人が出てきて一部の保護者とつるむ。職員会議の中身をもらしたり、学校がめちゃくちゃになる。
・川村:先生をたたくばっかりじゃなくて、こんなすごい人もおる、というのを出していかな。日の丸君が代に反対するような変なのはごくわずかで大阪の教員5万人のうち4万何千人はみんながんばっているというのを。これは先生のためやなくて子どものためだ。
・蔭山:評価(制度?)は現場で浮いてきている、考え直してもらわないと。「いい先生」の評価はむつかしい。私も勉強、勉強ばかり言ってと批判されてきた。
・小河:何を考えているのか・・
・蔭山:あの先生をやめさせたい・・と、いじめがはじまりますよ。
・中尾:民間人校長になったとき、絶対評価か相対評価かといっていた。今は絶対評価だ。賃金反映するなら相対評価しかない。しかし、それはどの学校も同一の条件、人員構成でないとできない。だから相対評価などありえない。問題教員の措置はやったらいい。しかし、私もよくわかりましたが、学校というのはどうしたら学校がよくなるかと先生みんなであつまって協力してやらないとよくならない。校長がかってに」ああせえこうせえといっても良くなるわけがない。民間人校長、すごい倍率ならまだ選べる。しかしこんな制度で低い倍率できて、とんでもないのがなっていったら・・全部子どもに行く。
・小河:その校長にヒラメになってくっつくのが出てくる。力のある人ほど、かってにせえやということになる。
・生野:もう少し時間があれば・・私も教育委員会制度の見直しは必要と思う。委員長は公選にするとか、こんな仕事を週何時間かで済ます、のではなく専任にするとか・・・将来像をしっかりと一般の方にアピールできるように発信しなければ。これで・・
・小河:はは・・、しらけてしまった。さあ、どうすればいいのか・・・。
・蔭山:大学の現場にいると学生に大阪の教員になってほしい。しかし、この議論を見て、なれ、と言えるのか。兵庫や和歌山やあるなかで。いまでも他県からは大阪の給料は低い、低いと言われているのもある。もっと現実を見てほしい。言い過ぎかもしれないが。知事には初心を取り戻してほしいと言いたい。本当の政治家になってほしい。
・小河:これから(事務局は)大変なお仕事で・・・肩でももませてもらいましょうか。
・生野:議論はつきませんが、午後の議論ぜひよろしく。きょうはこれで・・。

(午前10時前から11時過ぎまでおよそ1時間10分あまり、白熱した傍聴者の胸が熱くなるような興味深い議論でした。上記の内容は当日の傍聴者4人の中の1人、与田徹のメモと記憶に基づくもので、表現等に関わる文責はすべて与田にあります。記憶違いもあると思います。公的な議事録は後日、教育委員会HPで公開されますので是非ご覧下さい。)

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