高知市決算 実質10億円近い黒字
高知市の2010年度決算は、4億7千円もの黒字になっている。3月の補正予算で、計画になかった競馬組合への赤字補填、5億円近い額を前倒し分で実施したうえでの数字なので、実質10億近い黒字である。
一方、市議会論戦では、市民負担増よる「財政再建」も明らかになった。
05年から2011年の7年間、国保分をのぞいて53億円の市民負担増。
事務事業の見直しでは・・・
廃止193項目 24億6100万円
凍結125項目 7億6200万円円
計32億2300万円の削減
下水道値上げ分は、21億8千万円。これは09年4月から2年分。
国保は07年度に4パーセント値上げし、09年より、50年間続いた障害者、高齢者、寡婦の独自減免制度を段階的に廃止している。
そもそも独自減免などの費用として02年まで、年4億円を一般財源からくりいれていたが、基金が40億円あるとして、これも前市政の時期に廃止したのが原因である。
収入が低下する中、高すぎる国保料は大きな負担となっているが、回収不能となった額が昨年度は6億5千億円にも急増している。市民税回収不能額の16倍の規模となっている。
市民に負担をかけても、結局はらえなくて、財政の改善に役だってない。払えない市民も悩み、苦しんでいる。払える保険料に努力することが大事である。
低所得者への保険料、利用料の負担軽減策を、思い切って考える時である。この黒字の一部を利用すれば可能である。
「財政再建」のもう一つの柱は、職員削減。
高知市の人的経費…人件費、物件費(多くはアウトソーシングなど委託量、非常勤職員の賃金)は、中核市でシップクラスの低さであった。
それを職員が多い…アウトソーシングが進んでない、という「理由」だけでさらに削減した。アウトソーシングについては、外部監査でも「アウトソーシング自体が目的化している」と指弾されている。
公務の専門性は、効率性にも結びつく。
高知の清掃工場は直営だが、職員がいくつもの資格を持ち、点検・保守を自前でやることで効率的な運営をしている。また、燃焼の仕方も日々工夫をしている。
委託している他自治体では、メーカーいいなりで、高い委託量をとられている。そうした長期的に見て、安定性・効率性を考えなくてはならない。
学校給食調理でも、東日本震災、緊急の炊き出しとして公務の役割を発揮している。また、民間委託が多くなれば、業者の力が強くなり、委託料が引き上げられることも実際に起きている。
専門性の継承についても深刻な事態となっている。
採用抑制で、50歳以上の職員比率が、建築60%、電気42%、機械42%、保育51%となっている。
多忙化でメンタルも増えている。
これはすぐには目には見えないが、極めて深刻なことである。
住民と向き合い、住民とともにボトムアップで政策を築きあげる、住民自治の内実を豊かにするという最も大事な機能が空洞化していくからである。
大型プロジェクトと同和行政が偏重が生み出した財政危機。その「解決」の仕方でも大きな問題点を生み出した。
今後、好転をしていく財政をどう生かすか・・・市政のあり方が問われることとなる。
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