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政治的思惑・秘密主義 「教科書選定」 

 侵略戦争美化、改憲を誘導する「つくる会」系教科書の採用は、教育現場を無視した「教委」主導、秘密主義という極めて政治的思惑でもって進められている。
 沖縄、八重山地区の教科書問題で、沖縄タイムズの社説。
【[八重山教科書問題]選定変更の意図は何か 沖縄タイムス8/17】

 愛国心について、文部科学省は、内容上の規定はない、というのが公式見解。内容を規定すると「内心の自由」を侵すからである。個々人によって愛国心の捉え方、表現の仕方は多様であり、これが憲法原則である。

 侵略戦争についても、村山談話以降、歴代自民党の首相によっても踏襲されてきている。
「わが国は,遠くない過去の一時期,国策を誤り,戦争への道を歩んで,国民を存亡の危機に陥れ,植民地支配と侵略によって,多くの国々,とりわけアジ諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は,未来に過ちなからしめんとするが故に,疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め,ここに改めて痛切な反省の意を表し,心からお詫びの気持ちを表明いたします」

あの中曽根康弘氏も、アジアについては侵略戦争と認めており、「美化」勢力を、「歴史を勉強していない」と一蹴している。

この反省なくして戦後の国際政治への復帰もなかったし、今後の安定した国際関係のない。:
 
 

【[八重山教科書問題]選定変更の意図は何か 沖縄タイムス8/17】

 2012年度から中学校で使用される教科書の選定をめぐり、八重山が揺れている。
 石垣、竹富、与那国の教育長らで構成する「教科用図書八重山採択地区協議会」の玉津博克会長(石垣市教育長)がこれまでの選定ルールを突然、変えたのが発端である。
 大きな変更は2点。これまでは協議会が選定する前に、1教科に付き、学校現場の複数の教師が調査員となり、教科書に順位を付けた上で協議会に報告していた。今回から順位付けをやめ、複数の教科書を推薦することになった。
 もう1点は、協議会で選定する際、無記名投票とすることだ。協議会メンバーは、3市町の教育長と教育委員ら6人、PTA代表、学識経験者の計8人だが、公表していない。極めて公職性が高い人たちである。選定後でもいいから、メンバーは匿名性に隠れるのではなく、イチ押しの理由をオープンにすべきだ。
 協議会の構成も変え、教育現場の経験者の比重を減らし、教育委を重視している。玉津会長の主導である。
 これらは同じ離島の宮古を含む県内6教育事務所の中でも違いが突出している。
 ルールを改める場合は本来、過去の選定で何らかの瑕疵(かし)があり、それをただすためというのが理由であろう。
 しかし、玉津会長が地域に向かって変更理由を進んで説明することはない。順位付けについて、同じ協議会役員の慶田盛安三竹富町教育長が異論を唱えるように、廃止ありき、なのである。透明性に程遠く強引にルール変更したと受け取られても仕方がない。
 このため社会科教科書の選定で「新しい歴史教科書をつくる会」系の自由社、育鵬社の選定を想定しているのではないかとの疑念が広がる。
 「愛国心」を強調する両社の歴史教科書では沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」について日本軍の関与には触れていない。原因を米軍に求める記述がなされ、沖縄戦の実相からかけ離れている。
 一連の変更は、選定の権限が、これまでの教師らの調査員から、協議会へ移行することを意味する。県教委は協議会に学校長、教育現場を経験した市町教委の指導主事を加えるよう要請したが、3市町教育長で意見が分かれ、要請は入れられなかった。
 協議会メンバーは短期間に多くの教科書に目を通さなければならなくなる。まして専門外で、熟知しているとはいえない教科書を精査するのは、事実上不可能である。
 教科書を日々使用するのは子どもたちであり、教師であることを忘れてはならない。教育現場に精通し地域性を勘案した上で、教師ら調査員の意見を最大限尊重するのは、当然ではないのか。
 教師らの判断をないがしろにする選考過程の変更とそれに対する十分な説明のなさは、およそ教育とは乖離(かいり)した危うさを感じざるを得ない。
 協議会は今月23日、9教科ごとに採択する教科書を選定し、3市町教委に答申する。学校現場や地域の理解を得るためにも、玉津会長には選定過程の透明性を高め、説明責任を果たすよう求めたい。


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