泉南市プール死亡事故 またも民間委託の犠牲
またもや、自治体アウトソーシングで、子どもの命が失われた。学校プールの開放を、管理運営を委託されていた業者が、4人配置すべき監視員を1人しか配置してなかった。また市教委は、監視員の配置実態の報告も受けていないし、モニタリングなど直接の点検も実施してなかった。
【泉南市プール事故 監視員は1人だった 毎日8/2】
【監視員数、契約通りは37回中5回 大阪プール死亡事故 朝日8/3】
報道では、「委託料から時給では人が集まりにくかった」と語っているが、ほとんど人権費である業務は、入札にあたり最低制限価格を高めに設定したり、給与など労働条件の確保を明確にした公契約条例を設定しないと、「やすかろう、悪かろう」が起こるのは当然である。そもそも、利潤を確保したうえで、人を配置するのだから、行政の直雇より、雇用条件が悪化するのは当然である。
また、ふじみ野のプール死亡事故で、市の担当者は、民間委託した時点で、「業務がなくなった」という感覚に陥ったという。そこから丸投げ、再委託、研修もうけてない高校生バイト・・死亡事故となった。
【2つのプール事故とアウトソーシング 07/11】
【浜名湖ボート死亡事故 指定管理者制度が生み出した悲劇 2010/8】
今回も、その教訓は生かされなかった。命や安全を守る対策を「効率化」してよいのか・・・市の責任は重大である。
【泉南市プール事故 監視員は1人だった 毎日8/2】大阪府泉南市の小学校のプールで男の子がおぼれて死亡した事故で、当時、プールの監視員が1人しかいなかったことがわかりました。
7月31日午後、泉南市立砂川小学校の一般開放されていたプールで、この学校に通う1年生の保苅築君(7)がおぼれて死亡しました。
泉南市教育委員会によりますと、プールの安全管理は市内の委託先の管理会社が行っていましたが契約ではこの日,監視員を4人配置することになっていました。
しかし2人のアルバイトが休みだったうえ、事故当時は1人の監視員が別の仕事で事務室に戻っていて、プールサイドには監視員が1人しかいなかったということです。
泉南市も監視員の人数確認をしていなかったということで、警察はプールの安全管理に問題がなかったか調べています。
また泉南市は市内のすべての小学校のプールの一般開放を休止することにしました。
【監視員数、契約通りは37回中5回 大阪プール死亡事故 朝日8/3】大阪府泉南市の市立砂川小学校のプールで同小1年の保苅築(ほかり・きずく)君(7)が先月31日におぼれ、翌日死亡した事故で、市教委から管理運営を委託されていた市内のビル管理会社「ダイショウコーポレーション」が、市教委に「今年度の市内のプール管理で、契約時の監視員数を満たしていたのは37回中5回だった」と説明していることが、市教委への取材でわかった。同社は「委託料から出る時給では人が集まりにくかった」と釈明しているという。
泉南市教委によると、同社の社長が3日、市役所を訪れて勤務実態などを報告したという。同社は、今年7月21日から市内の学校のプールの一般開放に際して、監視員を計37回配置していたが、うち32回は委託契約の人数を満たしていなかったという。
市教委によると、同社は約10年前から同市内の学校のプールの一般開放の管理運営を委託されていたが、市教委はこれまで、監視員の配置実態などの報告を受けていなかったという。同社は今年度、同市の指名競争入札に参加し、422万6250円で落札していた。
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