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震災・原発事故で、子育てのストレス増加 民間調査

  ベネッセ次世代育成研究所が、5月に0~5歳児をもつ母親3,096名から行った調査で「子どもを守るため自己判断しなくてはならず悩んでいる母親  子育て時のいらいら・不安が増し、子どもからもストレスサイン」と報告している。当然といえば、当然の結果だが・・・今ずくできることとして総力をあけで「除染」に力をつくすことである。
【3.11東日本大震災の影響 子育て調査 7/1】

 ボランティアの報告などを聞くと、放射能汚染が高い地域では「なぜ子どもを疎開させないのか」と、様々な事情で避難できない被災者自身が責められたり、「気にしていたら生活できない」という雰囲気もあり、住民感情は複雑という。そういう中で、自己判断が迫られるストレスは大変なものと思う。

 まとめの部分を紹介すると・・

1. 震災・原発事故に関して信頼できる情報は何かという問いに対し、もっとも多かった回答は「専門家の意見」だが、31.7%にとどまり、次いで「信頼できる情報はない」が29.4%である。

2.首都圏では、子どもの屋外遊びを、震災直後は53.4%の母親が減らしていた。その理由について、73.8%が放射線の健康への影響が心配だったからと答えている。調査時点(2011年5月末)でも17.7% が依然として子どもの屋外遊びを減らしている。

3.首都圏では、「子どもがわずらわしくていらいらしてしまうこと」が「よくある」「時々ある」と回答した母親は、調査時点(2011年5月末)は70.6%で震災前より16.8ポイント増加している。また、「子どもが将来うまく育っていくかどうか心配になること」は70.4%で震災前より10.0ポイント増加しており、母親の子育て時のいらいら・不安が増加していることがわかる。

4.首都圏の子どもには、ストレスサインである“甘えが増える”様子がみられる。震災直後は、低年齢児(0~2歳)で31.9%に対し、高年齢児(3~5歳)では41.4%と、高年齢児のほうが多い。また、震災後2か月では低年齢児で30.8%、高年齢児で26.0%と、低年齢児が回復しにくい傾向にある。

5.首都圏では、震災後、親子で話したこととして「水や食料の大切さ」(65.3%)「災害から身を守る方法」(48.8%)などがあり、総じて首都圏以外の地域より高い。

6.父親の協力や地域とのつながりといった周囲の人とのコミュニケーションが多い母親の方が、それらが少ない母親よりも、子育て時のいらいら・不安が少ない。

●専門家の解説
◆汐見稔幸 (白梅学園大学学長、東京大学名誉教授)/専門:教育学、教育人間学、育児学
今回の震災は人間の心の、魂の深いところに衝撃を与えるものであり、元気がでないのは当たり前だと思う。母親の気持ちも通常に戻るまで時間がかかるだろう。
今は、情報が入れば入るほど不安になる傾向がある。不安にならないために、そもそも情報交換をしないとか、何を心配しなければならないのかというアンテナを降ろす人もいるだろうが、それで本質的に不安が解決しているわけではない。
今の不安な状況は個人で解決ができる規模ではない。それに対して、国や自治体が早急に対応策、安全策を講じ、希望や安心を与えていくことが必要だろう。

◆菅原ますみ (お茶の水女子大学大学院教授)/専門:発達心理学、子どものパーソナリティ発達、発達精神病理学
今回の調査結果をみて、信頼できる確かな情報が少ないなかでも母親たちは自分で判断して、子どもを守るためにしっかりと行動しようとしているという印象を受けました。しかしこれだけの事態が起こったのですから、親子とも大きなストレスを受けていて、小さな子どもたちに気になる行動が出現していることも明らかになりました。震災や原発事故から子どもの命を守る、という大きなミッションが発生したために、母親たちに普段の余裕がなくなり、子育てに対する否定的な感情が増大したり、子どもたちに対してもいらだちが向けられたりすることも多くなっていると予想されます。長引くストレス状況は子どもたちの育ちに大きな影響を及ぼしていきます。母親自身もつらいなかとても頑張っていると思いますが、小さな子どもたちのことは、全ての大人が守ってあげてほしい。そしてなによりも、不安のもととなっている原発事故の収束と復興への見通しが一日も早く示されて、安心して子育てができる社会的環境を取り戻すことが急務だと思います。

◆榊原洋一 (お茶の水女子大学大学院教授 小児科医)/専門:小児科学、小児神経学、発達神経学
低年齢の子どものほうがストレス反応が深刻である、というのは過去の事例からも明らかで科学的根拠があります。また被災地に直接いたわけではない、メディアを通しての影響だけでも、充分起こりえることも実証されています。3歳以上の子どもは、大きな地震が起こって大変なことがあったんだ、という程度のストーリーがわかるため、震災直後は退行や睡眠障害が出やすいですが、事態が落ち着くにつれそのことも理解できるので、症状も治まったと考えられます。一方、2歳以下の子どもは、何が起こったか理解する力はまだありません。震災直後の周囲の不安定な状況を感じ取った子どもは、調査時点でもそのことを理解できず、不安が残ったままなのでしょう。
子どもを落ち着かせるためには、まずは母親の心理と行動を安定させることが大切です。とはいえ不安はあるでしょうからできるだけ大人同士で気持ちを話し合うこと、そして日常を保つことが重要です。保育や子どものケアの専門家を頼るのもよいでしょう。

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