貧困率最悪・・・「社説」は琉球新報だけ?!
全部チェックしたわけではないが大手新聞や政党機関紙を見ても、「社説(主張)貧困 過去最悪」で検索をかけても、琉球新報しか社説で「貧困率最悪」をとりあけでいない。貧困率最悪よりも(ある程度は予想できた)、こちらの方が気になる。無関心からは、解決策は生まれない。反貧困は「ブーム」でない。震災復興にも通じているテーマである。
【貧困率最悪 総合的政策で立ち向かえ 琉球新報7/14】
( その後の(社説」 7月16日追記)
【貧困率最悪】希望を取り戻せるよう 高知新聞7/15
貧困率最悪 格差の固定化、打開策を 京都新聞7/15
国民生活基礎調査]貧困の連鎖断つ施策を 沖縄タイムス7/16
人権という角度だけでなく、国力という角度でも問題であり、琉球新報の社説は、まっとうな主張である。
米軍基地で、危険と経済疲弊をおしつけられ、差別され続けている沖縄の視点は、常に興味深い。
【貧困率最悪 総合的政策で立ち向かえ 琉球新報7/14】 経済大国・日本は、実は貧困大国でもあるというのが現状だ。 厚生労働省の「国民生活基礎調査(概況)」によると、2009年の「相対的貧困率」は16・0%で、過去最悪の水準となった。 18歳未満の子どもが生活の厳しい家庭で育っている割合を示す「子ども貧困率」も15・7%と、これも過去最悪の水準だ。現在の社会セーフティーネット(安全網)が十分に機能していない証拠だ。
厚労省は「所得の低い65歳以上の高齢者や非正規労働者の割合が増えたため」と分析している。
確かに分析通りだろうが、相対的貧困率は1985年以降、ほぼ一貫して上昇し続けている。
貧困率が初めて公表されたのは2009年のことであり、国は長期間、貧困層の実態さえ正確に把握せず、放置し対応を怠った。政治の責任はあまりに重い。社会に存在する容認し難い不平等を是正し、公正な社会づくりに取り組むことは急務だ。
バブル経済崩壊以降、労働市場の規制緩和で、非正規労働者が増加。08年秋のリーマン・ショック後に世界同時不況に見舞われると、企業は雇用調整弁として非正規労働者をあっさり解雇した。
一度失業すると再就職は困難だ。低賃金のため蓄えも少なく、その日暮らしの状態に陥り、そこから抜け出せないという人たちを構造的に生み出してしまった。労働市場の規制緩和推進や、雇用よりも企業の国際競争力強化を優先した結果、雇用をはじめさまざまな不平等が生み出された。
深刻なのは格差の固定化、拡大が進んでいることだ。それが将来を担う子どもの貧困率も高めている。教育を十分受けられない子どもが増えれば、将来の労働力は低下する。若い世代が希望を失っては、国の活力が失われる。
低所得世帯、一人親家庭に対する支援策は十分ではない。先進国の中でも教育費の負担が重く生活を圧迫している現実がある。
雇用形態にかかわらない同一労働同一賃金など均等待遇や最低賃金の引き上げなどの社会保障、雇用制度の改善は当然ながら、教育支援も含め総合的な対策が必要だ。多様な政策を重層的に組み合わせ、貧困問題に立ち向かうべきだ。憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」の実現に万全を尽くすことが、政治に課せられた責務だ。
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