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民自公による「原発利益共同体」支援機構

 吉井英勝議員の20日衆院東日本大震災復興特別委員会での質問(静かな語り口の中にある迫力、ぜひビデオを)。
 1つは、今回の新機構が、東電、株主、金融機関を支援し、国民にまるこど負担を転嫁する「原発利益共同体支援機構だ」という指摘。2つめはアメリカのGEに製造者責任を求めてないというアメリカいいなり問題。3つめに「『原発安い』は間違いだった」と大臣に答弁させた内容・・・ 以下。委員会のビデオの概要。
【原子力損害賠償支援機構法案・衆議院審議 7/20】 
ようするに、「私腹」で国民の命、くらしが売り渡されているということ。
【「原発利益共同体」とは何か/政官財癒着の構造 吉井英勝7/18】
≪追記7/25≫東電救済スキームの入った二次補正予算、日本共産党以外の賛成で成立しました。

【原子力損害賠償支援機構法案・衆議院審議 7/20】

・吉井「東電には第一義的に責任集中と無限責任がある。全面賠償に誠意を持って取り組み、被害者の人生を元に戻すことに責任をもつことだ」「まじめに全面賠償の立場に立てば、債務超過になり、実質的に破たんしている。株主責任、貸手責任、公的管理で内部留保の活用が必要」
・大臣「すべてのステークホルダーに協力をもとめている。」
・吉井「銀行協会は、東電から債権放棄を求められてない、と言っている。債権放棄は対極にある、といっている。全然、協力を求めることになっていない」
・大臣「どういう負担をもとめていくか、資料が上がってきたら議論になる。東電には、利害関係者に負担を求めるように伝えている」
・吉井「全面賠償しようとすれば、東電は破たん企業。東電に、債権放棄を求めよと言ってない。株主責任も、金融機関にも債務放棄を求めてない。いくらでも何度でも支援することになっている。東電と大銀行救済スキームだ」
・大臣「応分の負担はいろんな形がある。東電に債権放棄を求めるというのは、今の段階で、ありえない事態。」
・吉井「被害者の立場でモノを言うのか。東電、大銀行の立場でモノを言うのか、まったく違う。結局、破たんした企業である東電に対して求めてないので、東電救済法案だ」


・吉井「原子力協定には、免責条項は入ってない。GEに対して製造的責任を果たさせることできる」
・政府委員「協定上、賠償請求を制限していない」
・吉井「つまり請求しようとすればできる。マーク1は欠陥原発が明らかになっている。東電とGEでは事故責任や今の事故処理トラブル事業の契約でとうなっているか」
・大臣「民間同士の話であり、知らない」
・吉井「それはありえない。請求は当たり前。今の事故処理ビジネスのトラブルも請求しないとなると、結局は、総括原価方式のもとでは、事故処理トラブルの費用も、賠償金も電気料金での負担になるのではないか」
・大臣「基本的に電気料金に転嫁しない。東京電力の判断で、リストラなどて資金が出てくると思っている。」
・吉井「今の事故処理ビジネスのトラブルで、どんどん払うことになる。これらは全部、総括原価で電気料になる。将来の事業収益で賠償金を出すというが、利益は、原価かける3%の適正利潤で、結局、電気料ではないか。
原発メーカー、メガバンクなど『原発利益共同体』に全面賠償の社会的責任を果たさせる立場に政府が立つべきだ。そのことあいまいににして、安易に税金や電気料金で面倒見るのはとんでもない話だ」

・吉井「政府が原発の話になると、1キロワット時5円30銭で最も安いと話をしてきた。原発開発や、高速増殖炉の開発をほとんど国費で見てきた。使用済み核燃料の再処理や原発立地自治体への交付金など電源開発促進税などを電気コストにもぐりこませてきた。これを全部コストに入れると本会議答弁で1キロワットに換算すると7円10銭となることが明らかになった。これらのコストと賠償コストを入れると原発コストは極めて高くなるのではないか。そもそも国家財政投入はいくらになるのか。2つのことを聞く」
・大臣「原発コストは、指摘の電源立地交付金が入ってない、大きな事故もあったわけで、見直しをする」
・吉井「国家財政の投入総額はいくらか」
・資エネ長官 … しどろもどろ、答弁できず。
・吉井「原子力のコストについて。大島先生の計算の紹介。バックエンドのコスト、事故処理、賠償コストがのっかってくる。バックエンドのコストは18兆円。政府の資料でこれまで14兆円4千億円も投入している。これを無視して安い安いと宣伝してきた。大島先生の試算では10円68銭。これに数兆から10兆円台の補償コスト、事故処理コストが入ってくる。東電の電気料は、100円前後になる。」「原発を、民間で移管すると、国家財政の投入がないと、送電部分を火力・水力なみで買い取ると、倒産するのではないか」
・大臣「原発が安い電源という話は間違いではなかろうか。コストの安さを強調するあまり、安全対策に十分な手だてが打たれなかった。安い電源だと言わないようにする。その金額はいくらか、これから批判に耐える数字をだしたい。」
・吉井「原発安いという根拠がないことがはっきりした。今回の新機構法案は、東電と金融機関を救済するとともに原発会社を倒産させない、『原発利益共同体』支援機構というのが最もふさわしい法案のネーミングだ」

 


【「原発利益共同体」とは何か/政官財癒着の構造 吉井英勝7/18】
 
海外メディアから“なぜ東京電力や日本政府は秘密主義がひどいのか”とよく聞かれます。そのとき答えるのは「原発利益共同体」の仕組みです。

 「原発利益共同体」のトップに立つのが電力会社です。東電の会長が経団連など財界団体のトップや役員に就任するなど、電力会社の財界支配には“歴史的伝統”があります。
 電力会社に巨額の利益をもたらす要因の1つが地域独占です。東電は関東向けの発電と送配電を独占し、基本的に他社との競争はありません。
2つ目は、電気料金のもとになる「総括原価方式」です。全コストに「適正利潤」を加えた「総括原価」を、企業や家庭ごとの電気使用量に応じて電気料金として割り振っているので、必ずもうかる仕組みです。

◆銀行も建設も
 原発建設でもうかるのが、原子炉など原発システムのメーカーやゼネコン(総合建設会社)の業界です。
 原発メーカーは、沸騰水型原子炉なら東芝や日立、加圧水型なら三菱重工と特定メーカーが決まっており、事実上の「1社指定」です。付帯工事はゼネコン各社が「共同企業体」を組んで受注します。
 原発の計画から運転開始までの約10年間に必要な資金はメガバンク(大手銀行)から調達します。不良債権にならず、確実に利益が入ってきます。
 財界の中枢が「原発利益共同体」を構成しているのです。
 電力業界や建設業界、原発メーカーなどが、原発建設を推進する政党や政治家に政治献金を配り、献金をもらった政党、政治家は官僚に原発推進のため“法律をつくれ”“予算を出せ”と圧力をかける。官僚は、退職してから電力会社などに天下りします。天下りが“汚職の先物取引”といわれるゆえんです。
 大手マスメディアには電気事業連合会(電力会社の集まり)から多額の広告費が流れています。これにのみ込まれたマスメディアは「安全神話」に立った原発推進の論調を掲げてきました。

◆補助金と差別
 原子力に関係ある大学や研究機関には電力会社からの研究費や政府の補助金が流れます。学者が原発推進に取り込まれるだけでなく、“あなたの学生は来年3人うちで引き受けましょう”“うちは2人受けましょう”という関係が昔からできています。
 科学的立場で原発の安全性に疑問を投げかけたり、安全管理の不備を告発する日本共産党員などの良心的な社員は、原発の現場や電力会社の中枢からは徹底して排除されます。
 私も大学は原子核工学専攻ですから、電力会社への就職を考えていましたが、できませんでした。就職しても、昇格を差別されたり、他の労働者から隔離されるような人権抑圧は枚挙にいとまがありません。東電や関西電力などで労働者の権利をめぐる多くの人権訴訟があったのはそのためです。
 原発からの撤退、自然エネルギーヘの転換を目指す運動のなかで、「原発利益共同体」の癒着構造の打破は「ルールある経済社会」をつくるたたかいの重要な一部です。

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