夏の電力需給…「水・火力の稼働率」の見方で差
結局、ピーク時に足る足らないと、水力と火力の稼働率をどう見るかにかかっている。と感じる。
水力のうち流込式は調整ができない。貯水型にしても、何日*何時間フルパワーを維持できるか・・。火力も定期検査で停止するし、石油発電所は、79年の新築禁止で新しいもので30年以上たっている。多くの計画停止しているものは古い石油火力の発電所であり、一番燃料費が高く、効率が悪い。
これらが100%の発電能力を発揮する・・・というのは現実的でない。以下少し検討してみた(ヘルツの違いによる電力融通の制約を無視したものだが・・・・)
わたしは原発ゼロ派。だからこそ「電力需要をみながら削減」という多数派と連帯し、原発依存からは脱却する大きな流れをつくりたい。と思っている。
ちなみに、高知県にとっては、この流れは、森林整備とのリンク、小水力発電のものづくり、売電事業による企業など、自然エネルギーの推進による地域経済を復興させるビジネスチャンスでもあり、環境、安全を市場に乗せる工夫というのは、大事にしたい。
【10電力会社と卸電力の計 2億3715万kW】
電気事業連合会2010年データベースより
【原発】
①全原発 4885万キロワット
②8月までに停止分除く 13基 1131万kW
柏3号 調整中 91.2万kW(以下、単位省略)
柏崎刈羽5.6号 110、135.6
美浜2 50
大飯2 117.5
高浜2、3 82.6 87.0
島根2 82.0
伊方1.2. 56.5、56.5
玄海1、4 55.9 118.0
川内2 89.0
③【全水力】 稼働率75%と仮定 3392万kW
最大発電実績(08年実績 東電72%、関電75%、中部電67% 山本 隆三(富士常葉大学教授)
④【全火力】 昨年実績 1億4257万kWから、震災での停止分625万kW(東北)
を差引くと1億3632万kW (増設分があるが… )
*仮に稼動95%。石油発電所は79年以前の建設で30年以上たち老朽化している・・
1億2950万kW
・火力発電所も定期検査がある。ボイラー・ガスタービンは2年に1回、タービンは4年に1回。その期間は平 均100日前後、また定期検査のない年も、自主的な予防検査を約17日実施しているという。
2年730日のうち117数日が停止。・・・やく1/7が常に止まっていることになる。
*仮に稼動が84%なら、1億1451万kW
* 〃 80% 1億 906万kW(検査+老朽化加味)。
⑤ピーク時と余力5% (電力会社の基準は8%)
09年ピーク時 1億5900万kW×1.05 1億6695万kW
2010 1億8135万kW 〃 1億9042万kW
今年予測 1億7003万kW 〃 1億7853万kW
⑥総電力(発電端) ③1131万kW + ④3392万kW + ④1億2950 = 1億7473万kW
火力・84%稼動 1億1451万kW = 1億5974万kW
火力・80%稼動 1億 906万kW = 1億5429万kW
⑦これに自家発電分が加わる。 4400万kW
・・・当初、2割が可能との政府レポート 880万kW /経産省は現時点で160万kWと報告
« 政党助成金の第2回分80億円 本日支給 | Main | 国民・子どもを被曝から守る「工程表」の不在 »
「原発・エネルギー」カテゴリの記事
- 「原発」固執は、脱炭素の障害 再エネ普及の足かせに (2024.08.08)
- 気候正義 残余カーボンバジェット あと数年? (2024.01.15)
- 「汚染水」放出の愚挙 ~合意無視、コスト高、廃炉・核廃棄物処理の見通しなし (2023.08.23)
- 国連「ビジネスと人権」部会・訪日調査・声明 11分野で、政府・企業に国際水準の行動求める(2023.08.13)
- 政経データ メモ(2022.12.09)
Comments