My Photo

« 県議団で、県東部の自治体訪問 | Main | 「原発利益共同体」が押し付ける日本の劣化 »

一戸250万の「住田型木造仮設住宅」と林業政策 

 大手ハウスメーカーの仮設住宅は450万円。地元材を使い、地元大工が作った一戸建の仮設住宅は250万円。 しかし、国庫補助の対象とならない理不尽さ。その木造仮設住宅を110戸提供した「森林・林業日本一のまちづくり」を掲げる岩手県気仙郡住田町のとりくみ(「自治と分権」鼎談、「住民と自治」寄稿文より)のメモ。
【住田町HP 「森林・林業日本一の町づくり」】

◇住田町の技術で仮設住宅を建設

・地元の気仙杉を使った町営住宅100戸建設。地元大工「気仙大工」の技術(「落とし込み工法」)/ 家賃1ヶ月2万~2万5千円など長年の取り組み。
・1月に、今後の仮設住宅用と林業振興のリンクへと、町長の発案で、図面を引き準備していたものを利用
・独立した一戸建て、2DK、30平米。一軒ごと2メートルの間隔、建設費250万円 /防音の違い、フライバシーの確保、断熱性、吸湿性の違い。給湯、断熱材など1/3が地元外、2/3は地元材と地元大工に。
・仮設住宅は、2年後には住宅として、また倉庫として再利用もできる。最後は、木質バイオマスとして活用(そのため塗装はしていない)
・仮設住宅だけでなく、1人2人用の住宅として「250万円」で建てられることから、注文も。工場で完成度の高い部材に仕上げるので、給排水一式ふくめ4日間で建つ。
→ この設計図は、希望者には無料で提供されている。/木造の仮設住宅の建設は、大量の備蓄がきかない。むしろ全国の林業地域で、活用されることが災害復旧対策として重要との観点から。

◇地元を排除する国の制度

・国は、「5軒長屋」しか、補助事業にならない。/今回は、ミュージシャン坂本龍一氏の主催するNPOから3億円の支援があり事業化。
・大手ハウスメーカーの価格 一戸450万円。政府と大手ローカーの出来レースではないか?
・住田町の取り組みは、「安い」ということだけでなく、地元材利用、地元労働力の確保、自然体系との効率的な対応に凝縮した知恵・知識の体系で、低価格で供給できるシステム。このシステムには他の分野でも可能性がある。
・政府は、「お金がない」というが、実は、使い方が間違っている。政府の大企業中心の復興策、大企業育成を復興政策と錯覚し、真の復興をゆがめる体系がある。

◇木材産業の一貫したシステムづくり

・高密度集材路の整備による林業関係の整備/工務店もそうした山の材を活用する。
・第三セクター住田住宅産業の設立。82年、森林組合、農協、製材業協同組合、建設業協同組合、住田町で設立。川上から川下までのシステムを持つ。
・その後、プレカット(93年)、木材高次加工(98年)、製材所(02年)と、木材産業の一貫したシステム形成。~ 製材、合成材、プレカット工場で300人以上が働く林業コンビナートを持つ。/どこにでも若い後継者がいる。
・合成材の接着には、シックハウス対策として、安全な接着材料を使用する段階に。
・04年FSCの森林認証(森林管理のFM認証、加工流通管理のCOC認証)を取得し、森林・林業の公益的価値を高めている。また、・山の手入れが気仙川を恵みの水とし、下流の養殖漁業者に感謝されている。
・気仙地域一体で、陸前高田、大船渡市など山林組合の合同で、現代的な林業生産体系を構築。/気仙大工、工務店、林業・山もちと事業組合、工場などの雇用者との協力、支えあって食べていける規模の産業に。

◇日本の伝統技術を排除する国の政策

・建設基準法は、国土交通省だが、気仙大工の棟梁の「建設大工技能士」の資格は、厚生労働省。国土交通省建築基準では、棟梁は政策対象外
・工法別区分(建設統計) 日本の在来工法は「プレハブ工法、枠組壁工法以外の工法」の扱い
・伝統文化、森林産業の日本的進化の政策思想が排除されている。
~ 平泉・中尊寺の「石を土台にした木造軸組工法」は、地震で土台石とずれても、揺れ戻しで元にもどる。壊れにくく、人の死を減らす「減災思想」の構造/ しかし、建築基準にあわないので、住宅でなく、仮設住宅扱い、掘っ立て小屋扱い。/ 在来木造住宅の普及、建築職員の供給を振り落とす要因に。

◇大震災が明らかにしたもの

・行政、政策のひずみが、国土の荒廃、地域経済の衰退、過疎化が進み、大震災は、今まで見えなかった、その歴史的誤謬、制度的退廃状況が顕在化した。

« 県議団で、県東部の自治体訪問 | Main | 「原発利益共同体」が押し付ける日本の劣化 »

まちづくり」カテゴリの記事

備忘録」カテゴリの記事

地方自治」カテゴリの記事

環境・農林漁業」カテゴリの記事

Comments

はじめまして。高知県の(株)益製作所と申します。
弊社は移動式製材機【工場据付可能】及び変速機・減速機・増速機の製造を手掛けております。

弊社の製材機は高知県の林業家 山中宏男 氏【林野庁長官緑化功労賞を受賞】より技術指導を受け、長年の林業経験から試行錯誤して考案された高精度の製材機であり、安全性においても労働監督署より、「労働安全衛生法規格適合品」を受けております。
また、当製材機は高知県地場産業大賞地場産業賞および高知エコ産業大賞アイデア賞を受賞。

当製材機は丸鋸で1日の製材能力は10石(約3㎥)で製品歩留まりは約80%以上。
原木の直径が約40cm・長さ6m・重量350kgまで製材可能です。
1cm位の面木・三角挽など多機能性があり、1軒の建築に必要な建築木材全てを当製材機で調達可能。

現在、県内外の官公庁・森林組合・林家・NPO組織などから注文・問合せを頂いております。

ぜひ、弊社の製材機をご覧いただき、間伐材の有効利用など木材の普及に役立てて頂ければ幸いです。
なお、当製材機については弊社ホームページでご覧いただけますが、カタログおよび製材実演DVDも御座いますので、御請求頂ければ無料で送付させて頂きます。

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/93067/52338994

Listed below are links to weblogs that reference 一戸250万の「住田型木造仮設住宅」と林業政策 :

« 県議団で、県東部の自治体訪問 | Main | 「原発利益共同体」が押し付ける日本の劣化 »

March 2017
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ