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「原発利益共同体」が奪う21世紀の経済成長~自然エネルギーの未来

 25日、県新エネルギー推進課が主催で、飯田哲也氏・環境エネルギー政策研究所の講演があった。もともと原子核工学を学び、原発関連の仕事についていた飯田氏だが、現在は、「脱原発」の政策的柱であり、氏を呼んだところに県の姿勢に注目している。
 印象深かったのは、“世界で爆発的な普及をし、21世紀の成長産業”となっている自然エネルギーに向き合わず、「大失敗の10年」となっている日本。まさに「原発利益共同体」が、21世紀の日本の経済成長、持続的な発展を奪っている、ということが読み取れる話であった。以下、講演のメモ
【環境エネルギー政策研究所・飯田哲也氏講演メモ】

◆福島原発事故~ 原発からの脱却は大きな流れ
 安全を考えて原発寿命40年なら、今後急速に減少する。(設計寿命の30年なら、もっと急速)
 再稼動しても10年後には、1700万kW。総電力の10%。
 国民の7-8割が脱原発。10-40年で原発はなくなる。

◆今後のエネルギーをどうするか
①化石燃料にたよれるか
・価格高騰~ 10年で5倍
 08年、農業、漁業など地域経済に打撃
 日本経済全体でも23兆円の燃料代が外国に。GDP4.6%。あわや貿易収支が赤字に。
   貿易収支の赤字→ 大量の国債残高が ソブリンリスクへ
・温暖化のリスク。09年、130年間で最も熱い夏。ホットゾーンの多発・異常気象の増加

②第4の革命・自然エネルギー
・特徴 小規模分散型、倍々ゲームで増加、「増え方が増えている」
・風力 1億9300万kWに 原発193機3億7千万kW。あと3-5年で原発追い越す。
・太陽光 4300万kW
・バイオマス発電 1億4千万kW
  ~ 3つで原発を追い越した。

③なぜ爆発に増えているか 2つの要
1.明確なビジョン、政治の力

2.普及の制度設計~ 固定価格買取制度
・ドイツ 固定価格買取制度 1990年、2000年改定 
・その後、デンマーク、スペインが導入、インド、米カリフォルニア・テキサス州、06年に中国
   中国は世界最大の風力大国~原発7千万kW、風力2億kWの計画だが、フクシマで修正させる。
   世界の81カ国が導入し、急速に市場が拡大
・日本 鳴かず飛ばず 政治も政策もダメ。03太陽光世界最大だったが、今、ドイツ年740万kW設置、日本100万kW。一時は減っていたが、09年の中途半端な太陽光の余剰電気買取制度でも、上向き効果がでた。
・メガソーラーでも投資が回収できる、きちんとした設計で大きく成長できる/政策によって市場が形成される。

④21世紀の最大の市場
・昨年、世界で22兆円の市場、10年で20倍に増加。10年後には200兆に。他にない成長分野
 うちドイツ5兆、中国5兆、アメリカ3兆・・日本3千億(1.5%)
・20世紀は、石油・車の世紀だったが、石油の生産量の頭打ち、ビック3の破たんなど・明らかに衰退に。
・日本 この10年、政策方向でず、産業政策・成長分野として位置づけられず、世界のマイノリティに。
  ~ 「大失敗」の10年

1. 新エネの可能性  2つの大切
・持続可能性。未来の世代への責任。 化石燃料・ウラン~入り口「有限」、出口「汚染」。
・莫大な潜在能力  大陽エネルギーだけで、原発などの1万倍
~エネの3つの型/電気、熱、燃料に変えれば、密度が薄い、不安定は克服可能

2 どう増やすか 過去10年、予想を超える増え方
・それで2050年に、自然エネルギー100%のシナリオが次々で出来た。
・ドイツは2010年12%の計画が17%に。「増え方が増える」のは「小規模分散」だから   
  地域住民がオーナーとして、売電利益が地域に落ち、経済が活性化。
  それを自然エネルギー銀行が融資・投資して支える~ 経済とエネルギーと環境の好循環

3 エネルギーの価格の未来
・急速な価格低下 太陽光パネル10年前200万が50万に。液晶テレビ 1インチ1万→千円に。
・化石燃料 10年で5倍。もう5倍になると日本経済は破たんする
・原子力  電源立地交付金、開発費、使用済み燃料処理いれると、確実に高くなる。
*省エネルギーの決め手。太陽熱、木質バイオマス熱エネルギー
電気で、お湯、熱をつくらないが鉄則。(エコキュートは別)
一般家庭の伝記消費、暖房・給湯が半分。太陽熱、バイオマス利用で大幅に減少できる。

4 安定供給 ~ 増えることでならされる。
・電力は、ベース電力があり、需給にあわせ火力、水力などで常に調整
~ スペインは、変動する自然エネルギーをベース電力とし、水力、LNGで調整。
・さらに将来的には、蓄電池、スマートグリッド

5 地域がカギ
 ・従来は、行政が補助金をつくり、それをコンサルに外注~ 誰も責任をとらない、失敗の連続
 ・地域(住民、企業、行政)のとりくみにしていく /そのための固定価格買取制度の設計
 ・現在、国会で再生エネ法案~ 成立はするが内容は… 細かなところは政省令。
    不十分さはのこる。
  → そこで、県として上乗せ制度をどうつくるか。
    カナダ・オンタリオ州は、州内のエネルギーを買い取る制度をつくり、巨大な投資を呼び起こした。

最後
 自然エネルギーの普及で、化石燃料・原子力を減らしていける。中長期的に見れば、エネルギーコストを低下できる唯一の道。
 

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