子どもの貧困率 過去最悪 15.7%
「国民生活基礎調査」によると、日本人の6人に1人、子どもの6-7人に1人が相対的貧困。それも貧困ラインが下がっているにもかかわらずである。
03、06、09年の変化を見ると・・、
・貧困率 14.9%、15.7%、16.0%
・子ども 13.7%、14.2%、15.7%
・1人親 58.7%、54.3%、50.8%
・貧困線 117万、114万、112万円
厚生労働省によると「景気の低迷に加えて年金だけで暮らす高齢者や非正規労働者が増えているため、貧困の状態にある人の割合が増加している」とのこと。
・全体に、子どもの貧困率がアップし、全体との差が縮まっている。
・貧困ラインが低下してきている。
・1人の親家庭の貧困率は下がってきているが5割を超え、全部の分布は、「30万円台から160万円台までに集中」し、他の層とは、まったく違う分布を示している。
以下、「平成22年 国民生活基礎調査の概況」から「子どもの貧困」という意識で数字を拾ってみた。
・「200~300万円未満」が 13.5%、「300~400万円未満」が 13.1%、「100~200万円未満」が12.6%と
多くなっている。
・平均所得金額(549万6千円)以下は 61.4%。
・母子世帯
「200万円未満」で39.5%、「250万円未満」で55.0%、「300万円未満」で78.2%。
・児童のいる世帯
「200万円未満」で5.9%、「250万円未満」で9.1%、「300万円未満」で13.1%。
・高齢者世帯
「200万円未満」で37.8%、「250万円未満」で48.7%、「300万円未満」で59.92%。
~母子世帯の約8割が300万円未満の所得。高齢者は6割。
【世帯別所得の状況】
・世帯人員1人当たり 平均所得金額(万円)
全世帯207.3 高齢者世帯197.9 児童のいる世帯166.9 母子世帯97.1
~母子世帯は全世帯の半分、児童のいる世帯も全世帯より低い。
・母子世帯の所得構成
稼動所得75.2%、年金3.5%、財産所得1.3%、社会保障給付金15.2%、仕送りその他4.7%
~圧倒的に稼動所得にたよっている。/児童のいる世帯での年金・社会保障給付の割合も、6.2%にすぎない。
・稼働所得のある1世帯当たり平均稼働所得金額の年次推移
00年 627.6万円
03年 591.2万円
06年 581.0万円
07年 576.4万円
08年 577.9万円
09年 543.0万円
~年々減少傾向で、リーマンショック後の落ち込みが激しい。00-09年で84.6万円も減少している。GDPの6割を占める家計消費の冷え込みが経済成長を奪っている。
【貯蓄・借入金の状況】・貯蓄なし
全体 10.0%、高齢者11.1%、児童のいる世帯9.4%、母子世帯28.7%
・100万円未満
全体 11.0%、高齢者9.9%、児童のいる世帯10.8%、母子世帯23.07%
~児童のいる世帯では、「貯蓄なし」9.4%、「100~200万未満」10.1%、「500-700万円」10.4%が、3つのピークを形勢している。正規・非正規の影響?
・借入金あり
全体 31.2%、高齢者8.9%、児童のいる世帯52.6%、母子世帯26.5%
・世帯あたり平均借入金
全体441.7万円、高齢者91.7万円、児童のいる世帯867.4万円、母子世帯93.5万円
・貯蓄現在高をみると、前年と比べて「貯蓄が減った」
「全世帯」 44.6%(増えたは10.5%)、「高齢者世帯」 44.1%、「児童のいる世帯」 43.8%、「母子世帯」36.3%。
・貯蓄の減った世帯を減額理由別にみると、「日常の生活費への支出」は、「全世帯」では 67.6%、「母子世帯」 82.4%、「児童のいる世帯」 69.8%。
~ 所得は減り、日常生活のために、貯金は減少、ということでしょう。 「生活が苦しい」との回答は59.4%で1.3ポイント増加している。
【貧困率 過去最悪の16%に NHK713】国民全体のうち貧困の状態にある人の割合を示す「貧困率」は、おととしの時点で16%となり、過去最悪となったことが厚生労働省の調査で分かりました。
「貧困率」は所得から税金などを差し引いた可処分所得をもとに算出し、貧困の状態にある人の割合を示したもので、率が高いほど貧困の状態にある人が多いことをあらわします。
厚生労働省によりますと、おととしの貧困率は16.0%となり、前回行った3年前の調査と比べて0.3ポイント悪化して過去最悪となりました。また、子どもがいる世帯の貧困率は14.6%で3年前より2.4ポイント悪化し、特に1人親の世帯では貧困率が50.8%と半数以上に上っています。さらに厚生労働省が、去年、全国2万6000世帯を対象に意識調査を行った結果、「生活が苦しい」と答えた世帯の割合は59.4%にのぼり、前の年より1.3ポイント増加しました。厚生労働省は「景気の低迷に加えて年金だけで暮らす高齢者や非正規労働者が増えているため、貧困の状態にある人の割合が増加している」と分析しています。
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