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「段階的に原発から撤退」考

 日本の原発54基のうち、停止中の37基が再稼働せず、17基が順次定期検査に入り運転を停止すると、2012年6月には原発発電量はゼロとなる。一年後である。その間に、原発分4884.7万kW(まるまるではないが)の代替と省エネを加えた対策が必要となるわけだが・・・ 「原発はないほうがよい」が、果たして大丈夫なのか、病院や暮らし、産業は・・・  そんな声が世論調査にも反映している。
【「廃炉推進」82% 「不安感じる」倍増 原発世論調査 6/19】

日本世論調査会の全国調査では・・・ 廃炉、点検について

 直ちに廃炉               9.4%
 定期検査にはいったものから廃炉18.7%
 電力需給に応じて廃炉       53.7%
 現状維持               14.1% 

 運転を続けて定期検査で対応するべき 54%
 直ちに止めて対応するべき        38%

  (当然、原発を立地している地域と、それ以外ではちがうだろうが)


原発依存からの脱却を主張する政党でも、共産党は、5~10年でゼロに。社民党は2020年までにゼロの方針で、その方向は地震の危険の高い地域、老朽原発から順次、廃炉にしていくというものである。
 
 つまり、素直に読めば、現在、検査で停止しているも原発のうち、一定の基準のものは、再開し一定期間運転する方針と理解できる。

 「できればなくしたい」と考えている人と多数派を形成することが大事である。「原発からの脱却」の一点での共同というからには、できるだけ多様な意見、広範な意見と連帯しないといけない。

 いくつか整理しなくてはならない、と思う。

①停止中も動いている原発
 原発がやっかいなのは停止しても安全でないこと。停止中だった福島4号機のように水で蓋をしただけの燃料プールに、使用済み燃料とともに取り出した使用中の燃料(熱の発生量が多い)が保管され、発電をしてなくても、冷却し続けなければならない。発電するため稼動するリスクと、格納容器の外に出している燃料棒のリスクの差はあるだろうが、この点では、停止中とか、廃炉に向かう過程でも、危険が付きまとい、安全対策が必要。このことは知っておく必要があると思う。

②電力需給
1.電気事業連合会のデータベースから(2010年3月末)

 ★電力10社の発電能力は、2億0304万6162キロワット。
   うち原発4884万7000キロワット。

 09年のピーク時の需要は、1億5900万キロワットと、原発分をのぞいた発電能力とほぼ同じ。

→(リーマンショックの影響がある。07.08年は、1億7900万kWで、好況時には不足する)
(原発がとまると水力の半分を占めているといわれる揚水発電の分も減るが・・・火力で対応すると別だが)

 ★発電能力には、電源開発の1698万7500キロワットなど卸電力等の3082万2105キロワット、自家発電の4394万5588キロワットなど10電力会社の発電量の4割あたる7805万キロワットが別途ある。

2.原子力委員会ヒアリング(5月31日)。日本経済研究センター理事長の岩田一政氏の資料

 「自家発電は、関東で1600万kW時、全国では6000万kW時(2010年9月末)あるが、このうち2割程度が売電可能」→ 約1200万キロワット、原発総発電能力の4分の1となる。

→1.2を含めて、どの程度余力があるのか、逼迫しているのかが明らかにされなければならない。まず1つはこの夏のピーク対応。

③安くない原発コストの合意
・安い、効率的とされる原発だが、開発費用や交付金の費用、使用済み核燃料の処理費用、廃炉費用、事故賠費用(1基あたり1200億円ではあまりに少ない。しかも1962年の制度開始から2010年度まで累計で約150億円しかなかった。今回の賠償額と、未来の賠償額の積み立て)を、計算して提示することか必要。

・自然エネルギーへの転換が遅れれば、技術開発が遅れることで失う「国益」もある

④地元の問題では、雇用、地域経済対策
 一次産業で暮らせていければ、好き好んで原発を誘致しない。実は、この問題、教育費や医療費の無料化、公営住宅の充実、最低保障年金など・・と一体のものである。この点でも国のあり方の問題となる。

⑤そのうえで、「四国を考える」と・・・
・四電の総発電能力666万kW。停止中の伊方3号機89万kW。1号・2号で113kW、今年のピーク時の需要予測570万kW /3号機をとめても、一応足りる予測(気温、経済の状況による。)
・停止中の阿南火力発電所の発電能力 34.4万kWは、666kWにふくまれてない(6/7の経産大臣の資料で、四国が「逼迫している」に入っていなのは、この分が考慮されているのではないか、と思う。)

→ そのもとで、今後1号機(2011年9月点検)や2号機((2012年1月点検)が点検停止すると足りるかどうか。
→ 四電以外では、電源開発株式会社が持つ徳島県・橘湾火力発電所は、伊方原発を上回る210万kWの発電能力をもっており、「四国だけでなく、関西・中国・九州地域」に送られている。これがどう活用できるのか。他地域のことも考えれば、全部四国にとはならないだろうが・・・

★リスクの順序でいくと・・・ 
 停止中の3号機のプルサーマル運転>築34年の1号機>29年の2号機>普通運転の3号機(築16年)
ではないだろうか。

 こうして転換のためにも、「原発からできるだけ早く脱却しよう」という政治的決断が最も急がれる。


【「廃炉推進」82% 「不安感じる」倍増 原発世論調査 6/19】

 本社加盟の日本世論調査会が今月11、12日に実施した全国世論調査によると、国内に現在54基ある原発を「直ちに全て廃炉にする」「定期検査に入ったものから廃炉にする」「電力需給に応じて廃炉を進める」とした人が合わせて82%に上り、「現状維持」の14%を大きく上回った。福島第1原発事故が収束せず、その後の対応をめぐる政府、東京電力の不手際が指摘される中、国が推進してきた原発政策への不信感の強さが浮き彫りになった。
 事故前後での原発への不安を聞いたところ、事故前に「大いに不安を感じていた」「ある程度感じていた」は計43%だったのに、事故後は計94%と倍増。今回の事故が与えた心理的変化の大きさを裏付けている。
 政府がエネルギー基本計画で掲げていた「2030年までに原発14基以上を新増設する」との方針には、67%が「新設、増設するべきではない」と回答。「14基より減らすべきだ」は22%で、「方針通り進めるべきだ」は6%だった。
 現在運転中の原発の安全対策では「運転を続けて定期検査で対応するべきだ」が54%で「直ちに止めて対応するべきだ」の38%を上回り、政府の要請で運転停止した浜岡原発のような異例の措置よりも、日常生活への影響も踏まえた現実的な措置を求める声が強かった。
 また、今後重点的に取り組むべきエネルギー分野(2つまで回答)では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーが84%でもっとも多く、次いで水力45%、天然ガス31%と続いた。原子力は7%で、石油、石炭(各4%)を上回った。
 原発事故のニュースを聞いて感じたこと(同)では「国の原子力安全規制の体制が信頼できない」が59%でトップ。「国や電力会社の情報が信用できない」が51%で続き、「電力会社など事業者の安全意識が足りない」が48%だった。
(中日新聞)

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