子どもの被曝 1ミリと20ミリ…中身は一緒
20mSvは、子どもの年間を通した全生活を対象にし、学校開始までに被曝した2.56mSvを含んだ数字。1mSvは、学校にいる8時間、年間200日で、学校開始以前の被曝を除いた数字… よってこの基準でも、「少なくとも年間9.32mSv被曝する(外部被曝だけの数値?!)。数字は劇的にかわっているが、内容はかわっていない。
宮本たけし議員の指摘を、文部科学大臣は、基本的に認めたとのこと。以下は、同議員のブログより引用。
本日の集中審議・・・自公は「やめろ」というだけで、現地の状況に向き合う姿勢なし。悲しくなる。みんなの党が、子どもの被曝をとりあげたが、このからくりはご存知ないようで、「20ミリシーベルトで安全といったじゃないか」みたいな議論を展開・・・
さて 宮本氏の指摘
“文部科学省が5月27日に発表した「福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応について」という文書について質問。この文書では「今年度、学校における児童生徒等が受ける線量について当面、年間1mSv以下を目指す」と書かれています。
これを受けて「やっと年間20ミリが1ミリ以下に引き下げられた」と歓迎する声もありますが、実はこれは決して従来の「20ミリ」を引き下げたものではありません。
これまでの「暫定的考え方」では、「年間20mSv」というものは、児童・生徒の24時間全生活を365日、1年間分対象にして論じてきましたが、今度の「1ミリ以下」というものは、「学校にいる8時間だけ」、それも休みを除いた「年間200日間だけ」というものです。ですから全く別の話なのです。
しかも、この「当面の対応について」が年間1mSv以下を目指すという「今年度、学校において」という言葉の意味することは、4月14日の授業開始日以降ということなのです。だって4月14日以前は、福島県の学校はすべて休校していたのですから…。
実は文部科学省の試算によっても、子どもたちの放射線被ばくのピークは震災当日の3月11日から学校が開始された4月14日の間にあります。そして文科省自身、その間に子どもたちが被ばくした線量を2.56ミリシーベルトと積算しています。「年間20ミリ以下」という議論の時にはこれは入っていましたが、いまやこれはすっぽりと抜け落ちているのです。
結論だけ言いましょう。かりに今回文科省が発表した「今年度、学校において」目指すとした「年間1mSv以下」にそって1mSvに引き下がったとしても、子どもたちは少なくとも年間9.32mSv被ばくすることになります。全然1ミリ以下などにはならないのです。今日の委員会質疑では高木文部科学大臣も基本的に私の指摘を認めました。”
« 6/4 「あなたの声を図書館づくりに」 | Main | 被災地そっちのけの「政争」 小選挙区制の欠陥 »
「教育・子育て」カテゴリの記事
- 不登校も介護休業の対象になりうる (2025.04.03)
- 学校体育館への空調設置 スポットクーラー課題検証を受け(2024.12.28)
- 体育館の空調整備に新交付金 文科省/避難所の環境改善ガイドライン改定 内閣府(2024.12.19)
- 高額療養費、年金、高等教育、中山間地直接支払、周産期医療、学校給食 意見書案 2412(2024.12.08)
- ダイバーシティ&インクルージョン 組織のアップデート(2024.08.11)
「南海大地震、防災」カテゴリの記事
- 学校体育館への空調設置 スポットクーラー課題検証を受け(2024.12.28)
- 体育館の空調整備に新交付金 文科省/避難所の環境改善ガイドライン改定 内閣府(2024.12.19)
- 1月の日米防災訓練、自衛隊「南海レスキュー」への対応・考(2024.12.11)
- 「原発」固執は、脱炭素の障害 再エネ普及の足かせに (2024.08.08)
- メガソーラー規制 自治体の条例の限界。責任は国の開発優先政策(2021.07.19)
Comments