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脱原発と自然エネルギー 備忘録

 吉井さんの昨年秋に出た本を中心にしたメモ。そのまま現在の福島原発事後に当てはまる。同著には、自然エネルギーの調査で、高知の梼原町にきたレポートもある。(私も、『議会と自治体」2010年2月号に拙文をのせている)。吉井氏の視点のすぐれたところは、この問題を地域活性化、地域経済問題の視点で取り上げていることである。
 高知県知事も「原発からの段階的な脱却、自然エネルギーの普及」を述べているが、6月議会では大いに政策論議をつくしたい。
 以下、備忘録

【原発とエネルギー】

◇エネルギー自給率 4%(2006年。エネルギー白書)
◇温暖化対策と密接に関係 
・ 京都議定書 第一約束期間内(2008〜12年)に温暖化ガスの排出量を、1990年比で6%削減する義務
・温室効果ガス排出量 不況で2009年には1990年比約4%減少。2008年不況前は、1.1億トン、8.5%増加   
 →1990年以降、石炭火力発電所の設備容量は約3倍。排出量は約1.4億トン増。
◇投機マネーによる石油などエネルギーの値上がりの危険
◇省エネの徹底やエネルギー効率の引き上げによって低エネルギー社会を目指すとともに、日本の条件にあった再生可能エネルギー(自然エネルギー)の開発・利用を計画的に拡大が必要。

1 原発からの段階的な撤退を

(1)原発は、十分な安全の保証がなく技術的に未確立
・「軽水炉」 高速中性子を水で減速 →ウラン235に衝突して核分裂 → 核分裂したエネルギーを水(冷却材)で運びだし、高温高圧(290度、80気圧)の蒸気で、タービンをまわして発電 
  ⇒この過程で、ウラン238が、プルトニウムに変わる
・軽水炉~崩壊熱の処理。使用済み核燃料の処理方法がない。
・炉の老朽化 54基中、30年経過が20基 ~ 配管やコンクリの劣化、磨耗

【主な原発事故】
・79年 アメリカ・スリーマイル事故
・86年 チェルノブイリ事故
・91年 美浜原発2号機の細管のギロチン破断
  蒸気発生装置(2-4基)の細管(直径22ミリ、肉厚1.3ミリ、長さ8m、6500本)
      冷却水が流れるとき「振れ止め金具」と細管の摩擦、水の不純物がこびりつくなど
  → アメリカの同様の事故 全ての加圧水型の原発に「45日間以内に、報告書を提出せよ」
     日本 「水質管理がよいから大丈夫」、アメリカの対応を無視
・95年 「もんじゅ」ナトリウム漏洩事故 
・97年 東海村。再処理工場爆破事故
      低レベル放射性廃液をアスファルトと混ぜてドラム缶詰めにする施設で爆発事故
・99年 東海二号機 制御棒ガイドローラーの破損(定期点検で発見)
・99年 敦賀二号機 再生熱交換器の配管が熱疲労で破断、89トンの一次冷却水が漏出
・99年 核燃料製造するJCOの臨海事故 2名死亡
   26年間、「臨界想定せず」、住宅地で操業/政府の安全「指針」を無視
   野中官房長官「原子力が安全であるという神話が崩れてはいけない」(事故翌日)
・01年 浜岡原発1号機  炉心冷却装置を動かすための配管が、破裂 
・02年 福島第一原発 制御棒装填の配管の6割が損傷していることが発覚
    6.4ミリの肉厚が、1.9ミリに。/14年間も事故を隠しつづけた。
・04年 磨耗した配管の破裂で死傷者を出した美浜原発
   140度の熱水により4人が気道炎症で死亡
   配管内の温度、流用を測る計測器を通った水流の渦状の流れが、配管内部を削るこが原因
   肉厚10ミリが、根元で3.4ミリ、先端で1.4ミリに。
→86年 アメリカで同様の事故。「徹底調査し、期限内に報告」
     日本では「水質管理が厳格で、同様の事故は起こらない」と自主検査まかせに。

【データ捏造】
・95年、もんじゅ 事故の録画テープ隠し
・02年 福島原発、柏崎刈羽原発の事故隠し 炉心隔壁(燃料棒の水の流れを一定にする装置)のひび割
 → 点検作業したGE職員が内部告発。政府はまともな調査もせず、内部告発者を東電に通報
    16年間、記録を改ざん
07年 経産省の調査結果報告  基準や手続を無視したルール違反など544件
2010年、島根原発1、2号機の点検漏れ506件。点検計画と実績の食い違いが1665件

【電源喪失 鉄塔倒壊】 02年志賀原発、08美浜原発  /今回の福島原発も。姫川原発も危機一髪~ 

【耐震基準を超える揺れ】 473ガル
・女川原発 今回、2000ガル測定
・104基の原発が運転中の世界一の原発大国・アメリカは、地震のない中・東部に集中。西部の地震地帯にはほとんど立地してない。「活断層法」で活断層地帯には原発をつくらせないことになっている。第2位のフランスは地震のない国。
・四国電力は、「原子力発電所は、堅硬な岩盤上に直接設置されているので、地震発生時の揺れは、一般の地盤上の数分の1となります。」(原子力PAハンドブック・2005より)としているが、阪神淡路大地震の時、ポートアイランドの堅い岩盤上でしかも埋立層16mに設置していた震度計が850ガルを示した

【政府が関与した密輸入】 国連決議を無視した、ナンビアからの天然ウランの輸入(67-90年)

(2)安全最優先の原子力行政への転換を
①「安全神話」と決別し、原子力の危険性を直視した原子力行政を
国際原子力機関(IAEA)が求める苛酷事故を想定した対策をとっていない。

②原発総点検、原発新増設とプルトニウム利用の核燃料政策の中止
・新しい安全基準をつくり、全国の原発の総点検をおこなう。
・14基以上の原発を新増設する無謀な計画を中止する。
・活断層上の原発の停止、老朽化した原発の「延命」とプルトニウム利用の核燃料サイクル政策の中止

③原子力の規制部門と推進部門の分離、強力な権限をもった規制機関の確立
・ 「原子力の安全に関する条約」は、規制機関は、原子力発電を推進する行政機関と、明確に分離することを義務づけている-- イギリス は保健安全執行部(HSE)、ドイツ 環境省が、アメリカ 独立した原子力規制委員会(NRC)に3900人の常勤スタッフ 
・日本 原子力安全・保安院が、推進機関である経済産業省の一部門。原子力安全委員会は、きわめて権限が弱い

(3)なぜ原発にこだわるか。~ アメリカいいなり、大企業中心
 日本社会の2つの大問題を、原発は、そのまま体現している。

①アメリカ従属化の原発路線
・戦後日本のエネルギー政策~ 1960年前後から炭鉱がつぶされ、米国の石油メジャーの原油依存へ。アメリカが日本への原発売り込みをはかってくると、軽水炉(原潜用に開発)を導入して原発推進に転換。
 →石炭需要量  1960年6117万トン → 1998年1億3012万トン → 2005年1億7776万トン
  エネルギー自給率 60年56.6% 08年 0.4% / 採掘埋蔵量240年の三池炭鉱など閉鎖
・53年アメリカ「平和のための原子力」よびかけ 
54年3月 保守三党が追加予算を追加提案し可決 → アメリカが濃縮ウラン提供を申し出。
55年、受け入れ決定。東海村の一号はアメリカの資金援助で建設(もとろん「軽水炉」) 
 → 深い検討もなく、アメリカに従属した原子力開発に進むことに。
・原発の燃料となるウランの大半がアメリカからの輸入濃縮ウラン。

②大企業中心、ルール無き資本主義
・原子炉建設(一基3千~5千億円) 東芝、日立(東日本、沸騰型)、三菱重工(西日本、加圧水型) 
・原発建設 ゼネコン、鉄鋼、金融機関  ~ 政財官の癒着
・原発交付金による公共事業 
 「電源地域振興センター」(幹部28人中、天下り3人、電力会社OB2人、社長ら12人、原発メーカー幹部9人 09年)の持ち込む大型事業計画が中心

・安全軽視 「原発一基が一日止まると1億円の損失」→ 事故隠し
      耐用年数30年を60年運転する計画。点検間隔の長期化
 → 長期使用による脆性劣化(高速高圧運転、中性子照射)
 例) 緊急炉心冷却    建設当初の原子炉の鋼材 -20度の水でも耐えられる
   ところが劣化で、
     美浜1号、2号など約70度に。 敦賀1号、福島1号約50度  常温の冷却水に耐えられない危険

・高速増殖炉開発の2兆2千億円~ メーカーの技術開発支援/非公開、知的財産として私企業が所有

・総括原価方式 ~ 電力料金の基礎  / 営業費用 + 事業報酬(事業報酬率×事業用資産)
   → 報酬率は政府が決定。96年5.5%、2000年3.8%、2002年3.4%
   → 原発建設など資産が増加すれば、報酬が増える。
 資本費の増加で発電コストが高くなっても、総括原価方式で、電気料金に上乗せできる。
   → 絶対損をしない仕掛け/ トップの給与7千万円強

 ☆新成長戦略 システム輸出 ~ 事故の保障は日本負担、インフラ・ファンド(年金を基金に)

・ 最近の(2007年)の企業広告費のランキング
  1 トヨタ  1054億円
  2 松下電器  831億円
  3 ホンダ   816億円
  18 東京電力 286億円

・東電から東京大学工学研究科に5億円の寄付
 建築環境エネルギー計画学        単独で1億4000万円
 都市持続再生学             14社で1億5600万円
 ユビキタスパワーネットワーク寄付口座  3社で1億5000万円
 核燃料サイクル社会工学         単独で1億5000円
 低炭素社会実現のためのエネルギー工学寄付研究ユニット 単独で1億5000万円

 ~「原発タブー」といもいえる状況がつくりだされた。良心的な研究者、ジャーナリストはパージされた

(4)核燃料サイクルからの脱却を
①核燃料サイクルとは
・天然のウラン 燃える(核分裂する)ウラン235と燃えないウラン238の2種類。
燃えるウランは、0.7%しかない。
・原発 → 使用済み核燃料 → 再処理工場(燃えカスかから使えるウランとプルトニウムを取り出す)
 →プルサーマル/高速増殖炉「もんじゅ」(燃えないウランを燃えるプルトニウムに変えながら、燃焼)
 →増殖炉用再処理(燃えカスからプルトニウムを取り出す。燃えたプルトニウムより多くのプルトニウムを生みだす)/ 残りは、高レベル廃棄物処分場 
→ 高速増殖炉で発電
 
*プルサーマルは、高速増殖炉が見通しが無いもとで、プルトニウムを使うための苦肉の策
 ・MOX燃料(プルトニウムとウランの混合)
  一般原子炉の濃縮ウラン 一体1-2億円、伊方のMOX燃料一体8.9億円
  キロワットあたりのコストで3割増(資源エネルギー庁)
 ・制御棒の効きが悪い。燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなるなど

②世界各国は撤退。民主政権、2050年実用化の計画
・技術的に難しく、高コストで商業ベースにのらない/ アメリカ、ドイツ、フランスなど撤退
→ 核分裂が軽水炉の250倍の速度、制御がしにくい。扱ってる燃料が毒性の強いプルトニウム、冷却材にナトリウム(水、空気、コンクリなどに触れると爆発、炎上する。温度が軽水炉の300度に対し500度で、機器の劣化が激しい。構造が複雑で、地震に弱い。全体の装置が複雑・膨大でコストが高い)
 
・昨年、1995年のナトリウム漏れ・火災事故以来、14年ぶりに高速増殖炉「もんじゅ」の運転を再開
・早々に、燃料棒を交換するための炉内中継装置が落下。取り出せない状況となり、発電も運転休止もできない状況。/現在、原子炉の上蓋ごと抜き取る大かがりな作業に入っている。
→ 「もんじゅ」は、すでに7900億円(民間資金も入れれば9300億円)もの予算が投じられて、今後も毎年300〜400億円規模の予算を投じる計画。
・2007年の新潟県中越沖地震を契機に、柏崎刈羽原発や高速増殖原型炉「もんじゅ」などの地下に活断層があることが明確に。六ケ所村の核燃料サイクル施設の地下にも活断層があると指摘されている。

◆伊方原発
1、今後30年以内で60%という発生確率で想定される南海地震の震源域に近い。今回の巨大地震のように、東海・東南海・南海が連動してM9クラスの超巨大地震の発生もありえる。
2、もともと、中央構造線という巨大活断層の真上に建っている。
3、設計時の地震・津波想定が非常に甘い。(最大2.6mの想定)
4、1号機は34年、2号機は29年経ち老朽化している(寿命は40年)。
5、3号機はプルサーマルでMOX燃料(プルトニウム混合)を使っている。

2. 自然エネルギーの爆発的普及を
①エネルギーは、平和にかかわる課題
・「国益」論~ 戦前もイラク戦争も 
イラク戦争支持 ~ 川口外務大臣「この地域が平和で安定していることが国益」
・「軽水炉」の普及は、核拡散の脅威に    /日本には、原発5300発分のプルトニウムを保有
   → 政権党幹部から「核保有」発言の背景

◇政府のエネルギー基本計画 ~2020年
・原発 2030年 14基増設、原発依存度50%
・再生可能エネルギーの導入目標 2020年 10%
固定価格買い取り制度を導入せず(太陽光発電の余剰分だけ。財源は電気料金に転嫁)

②世界の流れ
・EU 2020年までに一次エネルギーの20%を自然エネルギー
・ドイツ 再生可能エネルギーが16%(福島第1原発1号機の25基分)。年間1億トンの二酸化炭素を削減。30万人の雇用と年間3.7兆円の売り上げなど地域経済に貢献。
 → 2020年には発電量の30%以上、2050年には80%にする目標
 (原発偏重で、「ものづくり日本」が、かつての先進から、遅れを取ってしまった。)

②爆発的な普及のためには・・
・エネルギー政策の転換
 再生可能エネルギー開発費 約200億円。 一方、高速増殖炉だけで600億。 
 電源開発促進税3500億円 (電源立地勘定190/400、電源利用勘定210/400…主に核燃サイクル )
~ 原発の総開発事業費5兆3800億円。高速増殖炉中心に2兆8千億円

・物理的限界潜在量 12兆キロワット(資源エネルギー庁) 原発の総発電能力の約40倍
   現在の総発電量9000億ワットの10数倍
  →物理的限界潜在量は、技術開発により増えていく。

・固定価格買取り制度の確立がカギ
 太陽光だけでなく自然エネルギーによる電力全般を、10年程度で初期投資の費用を回収できる価格で、全量買い入れる「固定価格義務的買取制度」の確立(初期投資を回収したあとは余剰電力の買い取りに)

・財源
 電源開発促進税(年間3500億円。現状はほとんどが原発関連)
 石油石炭税(年間4800億円、温室効果ガスの削減目標に達しない分の穴埋めに海外から排出権を買い取るのにも使われている)
 ガソリン税約5兆円
   の使い方を見直して、活用する。

④原発の発電コスト、太陽光発電のコスト
a 稼動コスト
・100万キロワットの原発  年約60億キロワット
発電単価8.2円 稼働率7割 運転機関16年
5.4円 稼働率8割、運転機関40年 (電気事業連合会報告04年)
資本費は発電単価の4割 
  → 実際の発電コスト 600億キロワット×8.2円×0.6 = 295億円。 5.4円で220億円
・燃料ウランの値上がり  99年 1ポンド10ドルが120-140ドルに。
   原発の燃料費 1999年  0.66円/キロワット 現在 4.5円/キロワット
・太陽光発電で、原発一基あたり200億円~300億円の稼動コストがいらなくなる。 

*原発は安くない・・・コスト計算にいってないもの
①原発推進のための自治体への交付金・補助金 ②使用済核燃料の処理・保管費用 ③廃炉処分の費用
④事故の損害賠償費用 ⑤ウランの高騰の影響

b 電源開発促進税3500億円を、すべて太陽光発電設置補助にすると。 
   1戸25万円なので、140万戸。10年で1400戸の家庭が発電所に。 
→ 515億キロワット(熱転換率12%、365日、1400万戸) 
・柏崎刈羽原発1~7号機の発電量に匹敵 
→  502億キロワット( 総発電量820万キロワット/時 に稼働率7割)
・モジュール熱交換率が16%から22%になると
在日米軍基地の面積で、全原発の55%の発電量を確保できる。

⑤地域分散型の自然エネルギー
・現在 大規模集中型 5%が送電ロス。
・エネルギーと食糧の地産地消を
   稚内市、高知県梼原町、岩手県葛巻町、長野県宮田村・飯田市など・・・
→ 装置の生産や設置工事によって地域の中小企業に仕事を作り、農林業などの発展にもつなげる。/やがて枯渇する石炭・石油・天然ガス・核燃料依存でなく、新しい社会システムをつくることが、未来への責任
【エネルギーは地産地消 赤旗2011/4】
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-11/2011041113_01_0.html

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