全国学テ 試験問題配布だけ
大震災で延期した全国学力状況調査。文科省は、希望校に問題を無償で提供し、全国平均や都道府県別の成績も集計しない方法で「実施」するとのこと。なんの意味があるのか、きっぱりやめたらよい。
そんなことより原発の「安全神話」(文科省も片棒を担いできた)を題材に、「自分の頭で考え、疑問を持ち、調べること」の大切さ学ぶ、リテラシーを培う方が、教育としてはるかに大切と思う。
【全国学テ、9月以降に実施 文科省、希望校のみ 共同5/26】
しかし、こんな方式の学テでも、大手教育産業が「うちで集計します」「参加した都道府県の平均点と順位も出します」「ぜひ参加を」と全国の都道府県に営業にまわるのではないか、そして、それに乗るところが出てくるのではないか、と危惧する。試験問題も受ける生徒も、毎年違うのに、前年と比べてどうか、とか意味がない。税金のムダつがいである。
ちなみに、原発の教科書の記述について、子どもと教科書全国ネット21事務局長の俵義文さんは、「2006年度高校教科書の検定結果について」の中で
「10.エネルギー問題についても、相変わらず政府見解を押しつける検定が行われている。
原子力発電が総エネルギー供給の10%をこえるようになったという記述に対し、その背景が説明不測との検定意見を付し、「資源問題や地球温暖化への配慮などから」という文を加えさせ、あたかも原子力発電が地球温暖化の解決につながるかのような認識をもたせようとしている。
また、新しい自然エネルギーの導入については、必ずその問題点を記述するよう求められ、供給量の確保、経済性、エネルギー効率などの課題を書き加えさせている。」と指摘している。
また、文部科学省と経済産業省が作製した原子力発電に関する小中学生向けの副読本(小学生用の「わくわく原子力ランド」、中学生用の「チャレンジ!原子力ワールド」)には、「原子炉は五重の壁で守られている」「「大きな地震や津波にも耐えられるように設計されている」「地震が起きたとしても、放射性物質がもれないよう、がんじょうに作り、守られています」と書かれていた(4月に回収、見直しを表明)。
回収するより、この副読本を使って、「リテラシー」を培う教材として有効利用したらどうか。
【全国学テ、9月以降に実施 文科省、希望校のみ 共同5/26】文部科学省は25日、東日本大震災を受けて延期した全国学力テストを9月下旬以降に実施し、本年度は希望する学校だけを対象にすると決めた。
昨年度は一部の学校を抽出して実施したが、被災地の状況を考慮して抽出方式を見送り、全国平均や都道府県別の成績も集計しない。近く全国の教育委員会に通知する。
文科省は復興状況を見て来年度以降、抽出方式に戻したい考え。
希望校には無償で問題を提供し、採点や集計は学校や教委に任せて現場の指導に役立ててもらう。取り組みの報告は求めるが、参加校の成績を集約して公表することはしない。
学力テストは4月に実施予定だったが、震災や原発事故で岩手、宮城、福島の3県を中心とする被災地に配慮して延期。一方で学力向上のために各地の教委などから実施を求める声もあるとして検討していた。
文科省は9月下旬実施を想定しているが、行事が多い時期で、調整が難しい学校もあるため、学校や教委が日程を決めることも認める方針。
学力テストは、国語と算数・数学の2教科で、2007年度から始まった。小学6年と中学3年全員参加だったが、政権交代を受け、昨年度は全小中学校の31%を抽出して実施した。抽出外の学校も希望すれば参加が可能で、抽出校と合わせた参加率は74%に上った。
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