核燃サイクル 首長が「白紙」を言明
志位さんと菅首相の会談で、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」について「白紙から見直したい」と語ったとのこと。
高速増殖炉を軸としたシステムだが、2兆円以上かけてまったくめどが出てない。無駄で危険な計画からの脱却すべきである。
【菅首相:核燃料サイクルの「白紙」を言明 毎日5/18】
核廃棄物の処分場がなく、使用済み燃料を原発内に置かざるを得ないところに、すでに原発のゆきづまりがあるわけだから、核燃サイクルだけでなく、「孫子の代に、核廃棄物を残す政策」からの脱却に進むしかないと思うのだが・・・
なお、核燃サイクルについて、ちょっとしたメモを下段につくってみた。
【菅首相:核燃料サイクルの「白紙」を言明 毎日5/18】菅直人首相は17日、共産党の志位和夫委員長と首相官邸で会談し、東京電力福島第1原発事故に関連し、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」について「青森県六ケ所村の再処理施設に持っていくサイクルが機能しない状況になっている。それも含めてエネルギー基本計画を白紙から見直したい」と表明した。
志位氏が会談後の記者会見で明らかにした。首相は福島原発の使用済み核燃料について「あれほど大量にプールに詰まっている状態になっていたのは知らなかった」とも述べたという。志位氏が求めた原発からの撤退については「エネルギー需給全体を考えながら安全性を高めていきたい」と改めて否定した。
首相はまた「自然エネルギーの普及を特に福島県で進める手立てを考えている。開発のための予算を福島につけることも考えたい」と述べ、福島県を自然エネルギー開発の拠点にする構想も明らかにした。枝野幸男官房長官は17日の記者会見で「原発事故という大変な迷惑をかけている中で、地元の状況とのニーズが合致すれば、福島県がそうしたことを推進する拠点の候補であることは間違いない」と認めた。ただ、「まずは原発の収束と被害の救済に全力を挙げている状況なので、その先のことを相談する段階ではない」と指摘した。【中田卓二】◇核燃料サイクル、政策の中核担うがトラブルも多く
核燃料サイクルは、原発から出た使用済み核燃料を再処理して再び燃料として利用する仕組みで、国のエネルギー政策の中核を担っている。具体的には、六ケ所再処理施設(青森県六ケ所村)と高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が重要な施設だが、いずれもトラブルが続き、核燃料サイクルの実現性が危ぶまれている。
六ケ所再処理施設は最初の計画では97年の完成を目指したが、トラブルが相次ぎ、20回近く完成時期を延期している。08年末には高レベル廃棄物を処理する製造試験を中断。完成時期を昨年10月から12年10月に延期し、総事業費は2兆1900億円に上る。一方、もんじゅは95年のナトリウム漏れ事故で停止。昨年、14年半ぶりに運転再開したが再び機器の故障が起きるなどした。
【メモ】 核燃料サイクル
・天然のウラン 燃える(核分裂する)ウラン235と燃えないウラン238の2種類。
燃えるウランは、0.7%しかない。
・原発 → 使用済み核燃料 → 再処理工場(燃えカスかから使えるウランとプルトニウムを取り出す) → プルサーマル。高速増殖炉「もんじゅ」(燃えないウランを燃えるプルトニウムに変えながら、燃焼させる) → 増殖炉用再処理(燃えカスからプルトニウムを取り出す。燃えたプルトニウムより多くのプルトニウムを生見みだす)/ 残りは、高レベル廃棄物処分場 → 高速増殖炉で発電・技術的に難しく世界各国は撤退。民主政権、2050年実用化の計画
→ 核分裂が速度が非常に速く、制御がしにくい。燃料が毒性の強いプルトニウム、冷却材にナトリウム(水、空気、コンクリに触れると炎上や爆発をする。温度が軽水炉の300度に対し500度で、機器の劣化が激しい。構造が複雑で、地震に弱い)・2010年 1995年のナトリウム漏れ・火災事故以来、14年ぶりに高速増殖炉「もんじゅ」の運転を再開
・早々に、燃料棒を交換するための炉内中継装置が落下。取り出せない状況となり、発電も運転休止もできない状況。/現在、原子炉の上蓋ごと抜き取る大かがりな作業に入っている。
→ 「もんじゅ」は、すでに7900億円(民間資金も入れれば9300億円)もの予算が投じられて、今後も毎年300〜400億円規模の予算を投じる計画。/高速増殖炉に係る総事業費は2009年度末までに約1兆8920億円・2007年の新潟県中越沖地震を契機に、柏崎刈羽原発や高速増殖原型炉「もんじゅ」などの地下に活断層があることが明確に。六ケ所村の核燃料サイクル施設の地下にも活断層があると指摘されている。
・104基の原発が運転中の世界一の原発大国・アメリカでも、原発は地震のない中・東部に集中しており、西部の地震地帯にはほとんど立地してない。「活断層法」で活断層地帯には原発をつくらせない。第2位のフランスは地震のない国。
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