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アウトソーシング自体が目的化 外部監査

 委託料にかかわる事務について「包括外部監査」の報告書がアップされているが、個々の問題ではなく、自治体の在り様、高知市の体質それ自体が問題にされ、監査人の「怒り」と「苛立ち」がにじみ出ていると感じるのは私だけだろうか。
【委託料にかかる財務事務   高知市・22年度・包括外部監査】

 第一に、外部監査をおこなっても「指摘の対象とならなかった部署では直接的な対応をとらない」「(昨年度の指摘に対し)大きな変化が認められない」ということ

 第二で、モラルハザードと言える事態。
総括的意見で、7割の契約で検査調書が作成されてない事実を「① 法令、規則等に従っていなくても何ら疑問を感じないことの問題点 ② 悪しき前例であってもそれを踏襲する「無批判な前例踏襲」の持つ問題点 ③ 守られていない規則が放置されていることの問題点 ④ それらの循環による悪習の定着という問題点」として、こんな状況では、どんな規則をつくっても無意味という主旨の指摘をしている。
 ・・・高知市は、同和など特定勢力や、特定市民、特定業者、特定議員など、様々な問題をひきづってきたが、無理筋が通れば、法令順守の精神が低下するのは当然である。こうしたゆがみと無理な職員削減が生み出した結果であろう。職員に「ちゃんとやれ」と号令かけて解決する問題ではない、と思う。

第三に、アウトソーシング自体が目的化しているという指摘。「サービスの向上」について評価もなく、評価基準もない。再委託の横行、評価する側の職員の専門性の低下など・・
“まず「何をしようとしているのか」そのために「直営か委託かも含めてどのような手段によるのか」もう一度覚醒した意識下で再検討する必要がある”と指摘している。
 これなどは、マニフェスト選挙の弊害である。首長のマニフェストにあわせることが「目的化」したために、こうした基本的な検討がなおざりにされているのである。

第四 随意契約の理由の根拠のなさ、不透明さ。認識の過ち、他社との比較や調査もしてないとか、言い値のまま契約している、などなど・・・。
  ちなみに、オーベルジュをめぐる業者の選定にも、改めて疑問が提示されている。評価の規定を読み違えていると・・。  

第五 偽装請負や最賃など労働法違反の疑いの存在。公契約条例の必要性を指摘している。

 アウトソーシングするには、最終責任は自治体だから、委託した業務の質を評価し、きちっとモニタリングしないと責任をはたせず、そのためには少なくない労力と人的配置がいる。実は、本当にそうしたことをすれば、安く上がるはずがない。
 ふじみ野市のプール事故で、自治体の担当者は、民間委託した時点で、「その仕事がなくなった」という感覚になったという主旨の話をしていたと、記憶している。しかし、無くなってもいない。責任も存在する。

 監査報告の中に出でくるアウトソーシングのメリットに対する聞き取りで、多くのところで「本業に専念できる」という回答があったが、ふじみ野の話しとシンクロする感じがする。
 
 報告は最後に、こう締めくくっている。
“「包括外部監査の結果に関する報告に添えて提出する意見」の最後でもう一度地方自治法の規定を確認しておく。
地方自治法第1 編第2 条第14 項では、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と規定されている。”

・・つまり、ここから大きくはずれた姿がある、という指摘、思いなのだろう。

途中、メモ的にふれたが、個々の職員の問題ではなく、それが作り出す構造的な問題と感じる。
(以下、引用文のあとに出で来る数字は、報告書のページ〔PDF上〕)  

【委託料にかかる財務事務   高知市・22年度・包括外部監査】

◆事件を選定した理由
 高知市の過去の包括外部監査のテーマを分析すると昨年度のテーマを除いて、そのほとんどが個別の事業を対象としているものであった。このような事業別のテーマの場合、監査対象機関は少数の特定の部署となることがほとんどである。ところで、過去の外部監査の経験から、特定の部署を対象に指摘を行った場合、指摘の対象となっていない部署では直接的な対応をとらない傾向がうかがえた。これは高知市に限ったことではないが外部監査による指摘事項が市の事務執行全般に波及しにくい風土があったことは否定しにくい。そのため過去の包括外部監査の結果報告において、度々監査対象とならなかった機関においても監査の結果を、事務執行の見直しに活用してほしい旨記載したのであるが、その効果が十分発揮されたとは認められない状況であった。

 そのような経緯も考慮して、昨年度は全庁的に共通するテーマとして財産及び物品の管理を対象としたのであるが、本年度に至っても状況に大きな変化が認められる状況にはないと認められる。そのような「行政機関の風土」のようなものを考慮するとき、引き続き高知市役所全体に一定の共通の対応を求めることは効果的な手法であると思われる。テーマ選定にあたって「全部局が監査の対象となるような全庁的に共通するテーマ」であるという点を一つの要件とすることとした。

 高知市の歳出を節別(科目別)に分析すると義務的経費(人件費、公債費、扶助費)以外の経費では「負担金、補助及び交付金」に次いで「委託料」が大きな部分を占めている。
 両者を比較すると「負担金、補助及び交付金」のうち負担金、交付金は法令又は条例、規則等に基づいて支出される部分が大きいこと、「負担金、補助及び交付金」は全く支出しなかったり支出しても非常に少額だったりする部署が比較的多いのに対して、「委託料」は高知市のほぼすべての部署で支出される傾向があることなどの特徴が見いだされる。この特徴から全庁的な共通のテーマの対象としては「委託料」がより適していると判断した。

 さらに、平成22 年度高知市行財政運営方針によれば、基本方針の中で財政再建に向けてアウトソーシングを推進するとともに、行政経営改革を目指してアウトソーシング推進計画に基づく取組を進めていくこととしている。また、重点事項としてアウトソーシング推進計画の着実な実施を掲げている。このように高知市ではアウトソーシングを行財政運営の基本的な手法として位置づけている。

 ところでアウトソーシング(=事務事業の外部化)は、「外部からの調達」という意味では物品の購入や工事の委託と同様の側面を有している。他方アウトソーシングにより納入されるものは、作業自体であったり、ノウハウであったりであり、物品の納入等とは大きく様相が異なっている。アウトソーシングにより、どのような物の納入を予定しているのか、どのような物が納入され、それをどのように評価するのかといった、仕様書どおりの物が納入されたか否かといった、従来からの「検査」の基準では対応できない事態が発生している。

 これらの状況を勘案したとき、行財政改革の主要な手法として位置づけられているアウトソーシングを含んだ業務委託が、合目的的に、経済的・効率的に、有効に活用され適切な評価基準により評価する基盤ができているか等を検証することは重要なことと判断し本年度の包括外部監査の対象となる特定の事件(テーマ)として選定した。

 なお、監査の範囲としては、現在委託料として支出されている業務に基本的に限定することとした。これは、直営の業務すべてを対象に外部委託の可能性を検証する「高知市における業務のアウトソーシングについて」といった範囲にまで監査の対象を広げると、それ自体非常に大きなテーマであり、監査の範囲が膨大になり対応が困難になる可能性が大きいと判断したためである。


◆(1) 委託料の契約方法別の状況
 以下の表は委託料に関する1 件50 万円を超える1,292 件の契約方法別の状況である。
 業務委託に関する契約については、原則的契約方法である一般競争入札での契約はわずか2 件となっている。一方、1 件50 万円を超える契約のうち950 件(73.4%)、6,183,276 千円(69.0%)が例外的契約方法である随意契約によっている。これに指名による指定管理者の選定を加算すると件数の75%、金額の81.7%がいわゆる随意契約という競争性の低い契約方法によって契約されていることになる。

◆(1) 高知市におけるアウトソーシングの目的について
 高知市のアウトソーシング推進計画はアウトソーシングの目的を以下のように示している。
 効果的かつ効率的な行政運営と行政資源の重点的な配分を目指して、コスト削減による財政危機の克服はもとより、職員の意識改革・人材育成、民間の参入機会の拡大による地域雇用の推進、市民・NPO等との協働によるまちづくりの推進を図る。

 この記載によれば、行政サービス向上とコスト削減が目的となっていると理解できる
 しかし、実態は職員数の削減とコストの削減が主要な目的となっているきらいがあり、例えば「アウトソーシング推進計画の進捗状況(行政改革特別委員会H22.8.23)」の実施状況の欄は定数の削減と経費の削減額(見込額)しか記載されておらず、アウトソーシングのもう一つの目的である「行政サービスの向上」に関してどのような成果があったのかについての記載は見いだせない。また、市長の市議会における説明も「アウトソーシングに基づく削減効果として、平成20 年度から22 年度までの3 か年で、職員定数削減で67 名、コスト削減では累積で約4 億9 千万円の削減となっております。」といった内容になっている。

 上記のような視点からの評価の発表では、目指すべき「行政資源の重点的な配分」についてどのように実現しようとし、どのように実現できたのか市民に説明することは困難である。

(2) 一般的なアウトソーシングの目的
 アウトソーシングは元々外部(Out)の優れた資源(Sourcing)を活用するといった意味あいが強く、決して節減のためだけのツールではない。ましてや、アウトソーシング自体が目的とはなり得ず、アウトソーシングはあくまで「行政サービス向上とコスト削減」という目的を達成するために外部の資源を有効に活用するための道具という位置付けになる。

(3) 手段の目的化の危険性について 
 ところで、個別的指摘事項「13.都市公園等維持管理業務」においても指摘しているが、高知市はアウトソーシング推進計画に基づき、高知市全域の都市公園等の維持補修業務を都市整備公社に委託している。

この委託の問題点は
① 契約自体が競争性の低い特命随意契約により高知市の外郭団体に業務委託されている。
② 大部分の業務が再委託により第三者に委託しておこなわれており、単に“契約事務の委託”に過ぎない。
③ 委託先にノウハウがないため市の職員を派遣し、研修しながら業務を行ったことにより一時的に人役が増加しており、公社に委託することにより経費が増加している。
④ 業務の効率化を図る。コストの削減効果を活用する。あるいは民間的な経営感覚を活かしたサービス提供を行うことを委託理由にしているが、同公社に公園管理のノウハウがないため、みどり課の職員を派遣し、研修するとしていることは矛盾するものである。
などの点である。

 はじめにアウトソーシング推進計画があり、計画に基づいた業務の外部委託という成果が求められ、その結果のアウトソーシングといった、アウトソーシングありきの選択にしか見えないのである。これではまさに「行政サービス向上とコスト削減」という目的を達成するための手段であるアウトソーシングが目的になってしまっているとしか言いようがない

 アウトソーシングは目的でなく手段であるという基本的なことを再確認する必要がある

 日常の業務の中で業務委託が、日常性に流れ、無意識的に、条件反射的に繰り返されているという印象を強く受けた。
 その例をいくつか示すと、そのまず第一は委託の効果をどのように評価するかという委託の効果測定に対する問題意識の低さである。

 この際、まず「何をしようとしているのか」そのために「直営か委託かも含めてどのような手段によるのか」もう一度覚醒した意識下で再検討する必要がある


◆外部委託する目的や理由が明確化されていない
 高知市は、業務の外部委託に際し「外部委託する目的」や「外部委託する理由」が明確化されているとは認められない。
 今回の外部監査でヒアリングの対象として資料を入手した79 件の委託契約の起案書を分析した。その結果現在の高知市の業務委託に関する起案紙の記載内容は以下のようになっており、「外部委託する目的」や「外部委託する理由」が記載されているものはほとんどなかった。

 高知市においては、どのような理由で直営でなく委託によるのか最初から検討し直す必要がある。委託の理由(=委託によりもたらされる期待する効果)があって初めて効果測定が可能となる
また、その際には業務委託の多くの部分で仕様発注的発想から性能発注的発想に転換する必要がある。

◆予定価格の設定に当っては適正な積算の徹底に努めるとともに設計金額の一部を正当な理由なく控除するいわゆる“歩切り”については恣意的に行われ易いことから厳に慎むべきである。予定価格の決定における歩切りについて改善検討すべきである。 77

◆使用者の指揮・命令に服しているか否かの判定は実態に即して行われるものである。その判断要素の一つが、「空間的、時間的な拘束」とされている。この判定要素からすれば保険医療課のケースは業務従事場所も従事時間も指定されていることから「使用者の指揮・命令に服している」と判定される可能性もある。実際に学事課及び保険医療課で給与所得と認定していることは、判定基準の「空間的、時間的な拘束」についても該当しているとの判断をうかがわせる。
 このように委託料からの源泉徴収には、次項で検討する「労働者性」の判断に影響を及ぼす、同一の判定項目で相反する判断を下している様相を呈しており高知市として統一した判断を示す必要がある。 85

(3) 所得税法上の給与所得と労働法上の雇用の関係
 所得税法は所得の種類としての給与所得の定義をしているに留まることから、所得税法上は給与所得とされるものの支払いを受ける者が即労働関係法規の適用を受ける労働者に該当するか否かについては議論のあるところである。
 労働基準法の「労働者」の判断は、昭和60 年・労働省労働基準法研究会報告「労働基準法の「労働者」の判断基準について」で詳しく報告されている。その内容の紹介はここでは行わないが、報酬が他の従業員に比較して著しく高額でない場合は「労働者性」を強めること。報酬について給与所得としての源泉徴収を行っている場合には「労働者性」を肯定する判断の補強事由となることなど高知市としても考慮を要する記載がある。
本来模範となるべき官公庁が、雇用類似の方法で業務委託することについては問題がないとはいえない。これらの委託契約については慎重に再検討されたい。


 ② 高知市公益法人等への職員の派遣等に関する条例の規定
 「公益法人等への職員の派遣等に関する条例」(以下「条例」という。)は、派遣法に基づいて職員派遣の期間中、給料、扶養手当、地域手当、住居手当及び期末手当を支給することができるとしている(第4 条)。

 ③ 大阪高等裁判所判決の事例
公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律に基づく職員派遣である場合には、同法6 条2 項が定める例外を除いて、派遣元による給与支給は許されないところ、前記職員の派遣は同法により行われ、派遣先である前記財団法人がその給与を支給していたが、市と前記財団法人との間で締結された協定書上の派遣職員の従事可能業務は、同法6 条2 項が派遣元による給与支給を認める各業務と文言上一致していない上、その支給原資の全てないし大部分が市の補助金であったのであるから、派遣元である市が派遣職員に対して給与を支給したものと評価され、市の補助金支出の交付決定のうち派遣職員人件費に相当する部分は同法6 条1 項に違反する財務会計上の行為として違法であるとした事例。

◆9. 随意契約理由の合理性について
 この業者以外の他業者とこのことについて問合せ、調査確認等をした記録もなく、また、期間・費用等に対する具体的な数値も持ち合わせていない契約が多数存在した。
 上記以外にも随契ガイドラインに沿った理由となっていない契約は枚挙にいとまがない。このような状態は、ガイドライン自体意味をなさない状態になっていると認めざるを得ず、適正な事務執行とは認めがたい。
 
 何度も繰り返し指摘していることであるが、規定類が守られないまま放置することは、モラルの低下を招き他の業務にも悪影響を与える可能性が高い

◆保健福祉センターにおいて競争入札による契約が可能であるということは、その他の同種類のエレベータの保守点検業務委託の随意契約の理由がほとんど成り立たないことになる。

◆自家用電気工作物保安管理
 特命随意契約理由には「受託可能な人員を有する唯一の法人である」旨記載されているが、ヒアリングにより「唯一である」という結論の検証事跡の提示を求めると、対応可能な事業者の把握すらおこなわれておらず、実際には唯一であるかどうかについての調査はおこなわれていなかった


◆市は、包括委託等の方法により競輪事業の管理コストの削減へと舵を切ったとはいえ、当該事業は前途多難であり、さらに国に自転車振興会への交付金の廃止等を他の団体と協力・協同して要望するとともに競輪廃止も検討すべきである。77

◆指名競争入札過程の問題点について
 平成19 年度~平成23 年度の画地一斉調査事業に至る事業の経過は上記のとおりであるが、国際航業(株)は平成17 年度においても当該業務についてのアウトソーシング・マニュアル作成(特命随意契約)及び試験的に実施した平成18 年度の高知市画地一斉調査事業(指名競争入札)を受注している。
 この過程は、本来高知市が作成すべき「仕様書」をアウトソーシング・マニュアル作成という業務名で外部に特命随意契約で発注し、当該業務を受注した1 社だけが事前に当該業務に深く関っている状況の中での指名競争入札による長期継続契約の発注とみることも可能である
 公的機関の受注業者の選定過程は一般的にみて手続きの公平性・公正性に疑義がもたれるようなことは極力さけなくてはならない。平成17 年度から平成23 年度にわたる一連の業務を仕様書の作成業務までも一括して「性能発注」の方法で実施する可能性はなかったのか、プロポーザル方式による余地はなかったのかといったこと・・・

◆③ プログラム自体の開発費とランニングコスト
 本件対象業務に使用されているプログラムは平成10 年9 月28 日に国際航業株式会社との間で契約された「高知市公共下水道システム作成業務委託契約」により7,875,000 円の委託料で開発されたプログラムである。なお、開発に際しシステムの開発費以外の以後のランニングコストを考慮した検討は行っていない。なお、平成10 年度から平成21 年度までのランニングコスト(台帳作成にかかる経費)は合計で445,108千円である。
高知市は現在のシステムの利用を前提に、公共下水道台帳作成業務をシステムの開発業者に特命随意契約で委託し続けている。しかし、システムの開発時には、開発コストに比較し遙かに膨大となるランニングコストについては検討の対象としていなかった

 次項で触れるように高知市はデータ移行については非常に困難だと認識している。契約当初から想定できたことであり、このような自ら作った制約条件で契約の自由度が失われていることについて、当初のシステム開発業者の選定手続きの適正性には疑問を抱かざるを得ない。

④ 他社のシステムを導入する可能性について 84
 高知市では現在のシステムを他社のシステム導入の可能性についてヒアリングにおける回答で以下のように否定している。
 委託先を他社に変更するには、他社のシステムにデータの引継を行う必要がある。データの引継の可能性について下水道保全課で、システム開発も行っている建設コンサルタント会社に確認したところ、それぞれ独自のシステムを利用している関係上データの引き継ぎはできず、一から作成し直す必要があるとの回答を得ている。
しかし、この説明は明らかな誤りであることをここに強く指摘しておく

ⅰ) 「データの引き継ぎはできない」ということについて
 システム間でのデータの移行は日常的に行われていることであり、技術的な困難性は一般的にはそれほど高いとは認識されていない。例としては、何十億円もの電子カルテパッケージなどのデータ移行も常々行われている。
 データの構造は「テーブル定義」に記載されており、それを参考にしなければならない。この定義により、蓄積された過去のデータを、新システムのデータベースに移行することができる。旧のシステムから、新のシステム用にデータの掃き出しを行い、新データベースに書き込む。必要であれば、その時に、データの変換を行って、新システムのデータベースに合うような、形式に変えることもある。既存のパッケージソフトによってつくられたデータベースを、別会社のシステムに移行することは、上記の手順によって、日常的に行われている。
 ただしこの際にデータ移行料が発生することもある。データの移行費用については、相当に高額の請求がおこなわれる可能性があり、それが競争性を阻害する可能性はないわけではない。しかし、競争入札により低減も可能である。また見積等を精査し常識の範囲内で減額交渉する余地はある。

 高知市の公共下水道台帳作成にかかる業務の委託業者選定の過程を検証すると、データの移行可能性が困難であることを理由に現在の委託業者にシステムの開発から運用に至るまでを“丸投げ”で委託し続けているとしか解釈できない経緯を示している。あたかもデータを人質に特命随意契約を継続し続けている感すらある。
 データ移行の可能性は先に検討した。他社のシステムに移行する可能性についても、その移行方法も含めて先に検討した。現在のシステムはすでに開発から10 年以上経過している。毎年の公共下水道台帳入力業務(ランニングコスト)の委託契約に際して、ほぼ委託業者の言い値で契約を続けていた経緯も存在する
 過去の安易な契約姿勢からすれば、この際ランニングコストも考慮に入れて新たなシステムへの移行を検討することは、コストの低減化に資する可能性が高いと思われる。プロポーザル方式等競争性と透明性の高い委託業者の選定方式を検討する必要がある。

 この指摘は、今後のシステムの更新に際して、データの移行が困難であることを理由に特命随意契約によることはもはやできない状況にあることを合わせて指摘するものである

(2) 委託料の減額交渉について
 下水道保全課へのヒアリングによれば、当初のシステム導入にあたって、システムの導入費とランニングコストを含めたコストでの検討はしていない。当然にシステムの耐用年数経過後必要となる可能性があるデータの移行費用も検討の対象に入ってはいない
 また、設計書は3~4 年前までは業者の見積をそのまま利用していた。最近は業者の見積を参考に単価調整が可能なものは調整して積算している。
 さらに、現在まで金額の妥当性について、他都市と比較するなどを行ったことはないということである
 高知市では昭和57 年に特命随契をして以来現在に至るまで競争性が発揮されることなく、数年前までは業者の言い値で契約をしてきており、これまでの契約が最善の方法で行われてきたか非常に疑問の残るところである

 少なくとも他自治体の情報を収集し、入札の導入も含めて検討し適正な委託料の実現に努力するべきである。


・契約は本来一般競争入札により競争性を確保することが大原則になっている。システムデータ等の互換性が図れない、新システムの構築に多大な時間を要するとしているものの、この業者以外の他業者とこのことについて問合せ、調査確認等をした記録もなく、また、期間・費用等に対する具体的な数値も持ち合わせていない。
この委託契約について競争の可能性を十分検討することなく、特命理由とすることは妥当でない。

 委託契約の競争性について十分検討し、初めから“この業者ありき”で他社を排除して契約するのではなく、委託契約に必要な条件を十分にクリアする業者がいないということを具体的に調査確認等で立証する必要がある。

◆なお、高知市は、下水処理場の“包括民間委託契約”が可能となり(「下水道処理場等の維持管理における包括的民間委託の推進について」(国都下第10 号H16.3.30))、平成25 年度から包括委託の検討を始める予定である。そのため、現在、長期間に亘る長期継続契約を締結していないとの説明である。
 当該包括委託は、“性能発注方式”であり、その前提として下水道管理者は現有施設の機能等について正確な状況把握を行う必要がある。それが契約書等の基礎資料となる。受託事業者の選定の際には、これら施設の機能等について十分な情報提供を行うとともに予め受託事業者に確認させることになっている。
 市が包括委託を検討するに当っては、下知下水処理場の西側の処理場が老朽化し、東側の処理場に機能移転が必要であるが、財政上の理由から遅れており、性能発注方式を取り入れ、実現するためには、その改善が必要となる。また、包括的民間委託は、我が国の下水道事業において、過去に例のない委託方式であり、まだ検討すべき課題が多く、早急に実現することは困難と推測されることから、それが実現するまでの当分の間、長期間の長期継続契約を締結すことが有効と考える。契約事務の簡素化は勿論、長期間継続契約について競争入札に付し、競争性を発揮させることによって経済的効果も期待できる。115

◆オーベルジュ土佐山
・審議会と審査委員会の評点の大きな乖離
 「住民の意見の反映」の項目の審議会と審査委員会の評点を比較すると、審議会で1 位であったC団体の得点が16.9%低下し同率の2 位になっているのに対しA団体は10%上昇し結果的に1 位となり順位が逆転している。少なくとも両者の審査結果には、大きな乖離があると認めざるを得ない 95。

 また、この得点差が最終的な選定結果に影響を及ぼした可能性については市議会の平成19 年第405 回12 定例会経済文教委員会でも指摘されている。

 この審査項目について、各委員がどのような基準で審査したかについては全く不明であり、あくまで推測の範囲を出ないのであるが双方の委員の間の解釈に隔たりが存在する可能性を伺わせる。

・審査委員会の「住民の意見の反映」の解釈に対する疑義
 この審査項目について、前述のとおり各委員がどのような基準で審査したかについては全く不明であり、あくまで推測の範囲を出ないのであるが審査委員会における「住民の意見の反映」は上記③の解釈とは異なり審議会の意見は住民の意見でありその意見を審査において尊重しなければならないと解釈しているのではないかという疑義を持たざるを得ない結果になっている

・同施設を指定管理者に無償で使用させていることについては、高知市は過疎、高齢化に直面した土佐山地区の振興施設としての位置付けがあるためとしている。しかし、高知市においては同施設の運営に係る収支について綿密なシミュレーションはおこなっておらず、同施設の指定管理者の業績評価の指標ともなるべき標準的収支予算等作成されていない

 利用料金制度による指定管理者の利益については、自己努力によるコストの削減の結果生じた利益については原則として清算する必要はないと考える。しかし、その利益が指定管理者による管理業務の経理の状況からみて、客観的に過大と認められるような場合には、指定管理者との協議により、住民サービス改善のため利用料金の見直しや新たな投資の計画等により適切な対応をとる必要があると考える
 なおこのような判定をするに際し、その利益が自己努力によるものなのか、客観的にみて過大と認められる範囲のものなのか判定する基準がなくてはならないが、高知市ではそのような基準について検討したことはない。
また、高知市は現在に至るまでオーベルジュ土佐山から生じる利益について指定管理者と協議した経緯はない。

(4) オーベルジュ土佐山の売却について
 オーベルジュ土佐山は、減価償却及び資金コストを考慮しなければ相当の利益を生じる施設である。このことは市は同施設を保有し続けることの必然性についての検討を要求されることになる。現在のままでは、市が保有し続けても市には何らの収入が発生しないばかりか、近い将来発生する大改修の負担すら求められかねない。売却の判断をすれば、その時点で相当の金額の収入が見込める。さらに事業用資産であり相当額の固定資産税も徴収することが可能になる。市は同施設の売却についても資産価値の高いうちに一定の判断をする必要があるとおもわれる。

◆高知駅周辺土地区画整理事業換地計画作成業務 102
 なお、ヒアリングにおいて委託の評価に関し「技術上評価ができる職員がどの程度残っているか」という質問に対して「職員の退職により測量の資格を有する者も少なくなっている。そのためもあり評価に対応できる職員はほとんど残っていない状態である。」という内容の回答を得ている。外部委託のデメリットの一つとして「内部技術力の低下に伴う品質監視能力の低下」といった点が取り上げられることも多いが、少なくとも外部の公表に耐える効果測定の指標づくりをする必要がある。

 なお、委託業務の効果の評価の必要性については総括的指摘事項で詳しく触れている。

◆10. 都市整備総務課 駐車場指定管理 128
 平成21 年度に「高知市駐車場」として一括指定管理されている駐車場の施設及び収支の状況である。
 この比較によれば、駐車場の料金及び方式により月ぎめ駐車場と時間制駐車場に経費の構造に大きな違いがあることが分かる。すなわち中島町、鏡小浜堂メン、鏡小浜ニカキヤマの3 カ所の月ぎめ駐車場においては直接人件費、委託料、保守委託料が発生していない。また、それ以外の経費も時間制料金の駐車場に比較し僅少となっている。
 これら目的も機能も全く異なる部分のある複数の駐車場を「駐車場」という共通項のみで一括して同一の指定管理者に管理させることは疑問を差し挟まずを得ない

 このことは県庁前通り地下駐車場の管理においては指定管理者が業務の主要部分を再委託により調達していることに他ならない。業務の内容を分析し、指定管理者自らが業務の主要部分を遂行できるといった観点からも指定管理者の選定は厳正におこなわれる必要がある。

◆道路管理課 道路台帳整備・作成委託業務
・他社のシステムを導入する可能性について
 高知市では、随意契約の理由の中で「他業者では、過年度のデータ比較・整合ができない。」としている。また、「第3 者への著作権許諾不可、プログラム修正不可、システム処理内容非公開等の著作権上の制限がある。」とした記載がある。しかし、システムの継続利用を前提にすればそのとおりであるが、システム自体の移行も含めた場合には、このことはまったく随意契約の理由とはならない。
 システム間でのデータの移行は日常的に行われていることであり、技術的な困難性は一般的にはそれほど高いとは認識されていない。このことの検証の詳細は個別的指摘事項の「5.下水道保全課 高知市公共下水道台帳外1 件作成業務」に記載してあるためここでは改めて触れないが他社システムへのデータの移行は可能であり、他社のシステムを導入する可能性は十分にあるという結論である。


◆高知市の道路台帳作成にかかる業務の委託業者選定の過程を検証すると、個別的指摘事項「5.公共下水道台帳作成業務委託」の項目でも指摘しているがデータの移行可能性が困難であることを理由に現在の委託業者にシステムの開発から運用に至るまでを“丸投げ”で委託し続けているとしか解釈できない経緯を示してい
る。あたかもデータを人質に特命随意契約を継続し続けている感すらある

 現在のシステムはすでに開発から相当年経過している。この際ランニングコストも考慮に入れて新たなシステムへの移行を検討することは、コストの低減化に資する可能性が高いと思われる。プロポーザル方式等競争性と透明性の高い委託業者の選定方式を検討する必要がある。

 この指摘は、今後のシステムの更新に際して、データの移行が困難であることを理由に特命随意契約によることはもはやできない状況にあることを合わせて指摘するものである。

 なお、本件契約に関して、プログラム開発にかかる業務委託契約書、同仕様書、プログラム開発時のランニングコストを含めた検証状況、開発後のランニングコストの交渉状況、等について推測以外の説得力のある客観的資料による説明が受けられなかったことを付記しておく。

◆13. みどり課 都市公園等維持補修業務委託 135
 平成21 年度は、公社に公園管理のノウハウがないため、みどり課より職員を派遣し、研修しながら業務を行ったことにより一時的に人役が増加している。通常であれば、アウトソーシングによる経費削減効果の算出は、「(委託前の業務費+担当職員人件費)-(委託料)」で行うのであるがこの通常の経費削減効果の算出方法では、アウトソーシングによる経費削減効果が現れにくいとの判断から上記の人件費を除く方法によることとしたものである。
しかしながら、一時的に生じたコストを示さず、効果のみを強調させるような方法で資料を作成するのは、資料を読む者の判断を誤らせることになりかねず、十分な説明責任が果たせているとは言い難い。

 アウトソーシング推進計画の進捗状況の説明にあたっては一時的な現象も示し、十分な説明責任を果たすべきである。

 業務委託料・保守点検委託料・修繕費合計288,214,934 円で86.3%と、再委託業務が委託料の大部分を占めている。しかしながら、これら再委託(再請負)されている業務は、従来、直営で契約事務を行っていた委託業務を、当年度から当該都市整備公社に業務委託したもので、これを再委託(再請負)したところで業務経費等が大きく減少するものではない。これは、直営の契約事務が委託による契約事務に代わっただけで、単に“契約事務の委託”に過ぎない。115

 当該都市整備公社への委託理由の一つとして、業務の効率化を図るため、あるいは民間的な経営感覚を活かしたサービス提供を行うことを挙げている。その一方で同公社に公園管理のノウハウがないため、みどり課の職員を派遣し、研修するとしていることは矛盾するものである。
 アウトソーシング推進計画に基づくとして委託されているが、前述のように再委託(再請負)の割合が多い団体が、その受け皿として十分な団体であるか否かについて改めて再検討する必要がある。


◆公園施設の管理方針について
 桂浜公園の管理について、公園自体は直営で管理し(財)高知市都市整備公社に対し桂浜公園の管理業務を委託している。一方同公園内の桂浜公園駐車場は高知市都市整備公社を指定管理者として管理運営している。同一の公園内の施設を一方は直営で、もう一方は指定管理で、どちらも同一の相手先へ委託して管理運営をおこなっている理由について、高知市は都市公園である桂浜公園内に民間が経営する施設が多数存在するため、それら施設の利害関係の調整等考慮し公園自体は公の施設として高知市が直営することとしている。一方その関連施設としての駐車場部分は指定管理が可能であると判断して高知市都市整備公社を指定管理者として管理運営している。

③ 桂浜公園の一括直営について
 同一の公園施設の一部を直営とし一部を指定管理としていることについては上記のような経緯によるものであるが、市としての公の施設への指定管理の導入方針があるとはいえ、駐車場だけを切り離して指定管理とすることには十分な説得力があるとは思われない。
 公園施設を一括直営とした場合と、駐車場を分離して指定管理とした場合の経済性や管理効率の比較等の検証をおこない最も適していると思われる管理方法を採用する必要がある。

◆情報システムの運用支援に関する業務委託 148
・国保
 これらの積立金は将来のシステムの更新に当てるべきものであり、現在電算業務を委託する委託契約の委託料とは性格を異にするものといわざるを得ない。積立金の負担額はその性格を異にすることから、少なくとも委託料から積立金を支払うことは適切でない。151

◆春野一般廃棄物 162
 あと1 年と僅かを残すのみとなっているが、今後春野地区(旧春野町)の一般廃棄物収集運搬をどのような形で行うか未だ明確にはされていない。一般廃棄物収集運搬について有料あるいは無料等の方針について高知市民に不公平が生じないよう、早急に明確な方針を確立すべきである


◆市場  警備 164
・配置人数について
 配置人数は明確な基準があり定められたものではなく、過去からの経験の積み重ね等により市から仕様として要求しているものである。
 人的警備のような業務において、配置人数を時間帯別に仕様で決めた場合、業者には警備体制を工夫したり提案したりする余地は全くなくなってしまう。そのため、現在の入札方法では人件費単価の競争になっている面があり、労働条件上の問題も想像される
 仕様書の変更等は、選定する市の側にも一定の工夫を求めることになると思われるが人数の配置を任せることで、業者の工夫の余地が生じ競争性を発揮させることにつながると思われる。

・警備員に支払われる賃金について
 平成21 年度の設計上の人件費単価は市の臨時職員単価を基礎とし7,230 円/日、時給換算904 円で計算している。これに対して落札率は77.9%であり、非常にラフな数字ではあるが、設計上の人件費単価に落札率を乗ずれば、人件費は5,633 円/日となり、時給換算で704 円である。
 委託業務に従事する警備員の賃金がいくらで支払われているか高知市では把握していないため実際上の時給は不明であるが、委託業務に従事する警備員には、これに近い賃金あるいはさらに低い賃金が支払われているものと推測される。 
 高知県の最低賃金は平成22 年10 月時点で642 円であり、委託業務に従事する警備員は最低賃金に近い賃金しか得られていないと思われる現状について、高知市は労働者の賃金や労働条件の向上のために何らかの方策をとるべきである。

◆委託業者の選定過程について (メモ者 よい例として紹介されている)
 生活保護システム導入の過程については、従来一般的におこなわれていた導入費用の比較による検討ではなく導入後の運用コストまでも含めた総コストでの検討を行っているためその過程をここに紹介する。
高知市では今回のシステムの導入にあたっては、開発から運用までを一体のものとして総合的に判断するため競争入札以外の方法により業者を選定することとしている。
具体的には高知市の指名競争入札参加資格者の情報処理関係登録業者の中から、システムの開発・機器等の調達・運用保守すべてに対応できる業者30 社及び他市で導入実績のある県外業者1 社を加え計31 社を選定し、システム提供の可否について事前アンケートを徴した。事前に聞き合わせを行ったところ、システムのレベルが会社によって異なっているため、高知市が必要とするスペックを満たした4 社から見積りを徴して価格競争を実施し、開発・運用保守費の合計で最も安価な見積り書を提出した業者を委託先に選定した。
169

◆特命随意契約の早期解消について 202
 当該契約は特命随意契約で行っており、随意契約理由は、令第167 条の2 第1 項第2 号を適用している。
 当該特命随意契約における随意契約理由書によると、概略、次のとおりである。高知市が就労対策を目的として締結している特命随意契約(令第167 条の2 第1項第2 号)について、高知地方裁判所から「法令の解釈上、疑義がある。」と指摘され、この指摘を踏まえ、該当する特命随意契約について可及的速やかに廃止することで、平成20 年7 月和解に至っている(H19.4 提訴:就労対策を目的とした政策的随意契約に関する訴訟)。当該清掃委託契約は、政策的随意契約に該当し、可及的速やかに廃止の対象となるものである。
178

 ところで、市は、業務に従事する住民の多くが差別や偏見による地域で生活してきたことから、今なお脆弱な経済的基盤しかもちえていない状況にあり、直ちに随意契約を撤廃した場合は生活に困窮することは明白であるとして経過措置をとっており、遅くとも平成23 年度末までに段階的に解消するものとしている。
しかし、可及的速やかに廃止と和解しながら、一定の期間とはいえ、政策的随意契約として経過措置を設け、契約を続けることは、信義に反し、公平性とともに競争性も損なわれることから妥当でない。速やかな廃止につとめるべきである。

◆高知駅周辺土地区画整理事業記録撮影編集委託業務 219
・事業自体の必要性について
 この記録に要した費用は総額で22,406,525 円になっている。この業務に要した費用が高いのか安いのかについては個人的感覚の問題もあり評価は難しいところである。しかし、この費用は少なくとも土地区画整理事業に必要不可欠のものとは認められない。
そのような作業にこのような金額をつぎ込むことは業務に直接かかわらなかった者にとってなかなか理解できるものではない。確たる利用目的のないビデオ撮影はまさに税金の無駄使いである。必要ならば職員が撮影し最後の編集作業を委託してもことは足りる。

◆高知市立旭小学校合併処理浄化槽維持管理業務 227
 旭小学校他34 の幼稚園・小学校・養護学校等を3 グループ、19 ブロックに分けてそれぞれ指名競争入札を実施している。

・競争入札の方法について
平成21 年の入札結果について予定価格と落札状況の関係についてみると入札の順番が後になるに従って落札率が次第に高率となる傾向にあり、多数の指名業者を一堂に集め、委託内容が同じものをほぼ同じメンバーで他数回に亘り入札に付すことは必ずしも公平とは言い難い。入札の回数を重ねる度に予定価格についてある程度の予測が可能となり、また、入札者同士で接触する機会も増えることから、19 ブロックをある程度集約して一斉に実施するなど競争入札の方法を改善・検討すべきである。

◆高知市立小学校自家用電気工作物保安管理業務 208
 改修等要請事項については高圧ケーブル、電灯変圧器及び高圧開閉器等経年劣化により、改修・取替要請のものが多いが、青柳小学校、五台山小学校及び城北中学校のように平成19 年度及び平成20 年度から指摘され、電気設備について改修要請をされているものもある。
 しかしながら、年次報告によってこれら電気設備の改修要請が行われて以降、平成21 年度中の月次報告等で改善済みとして確認されているものはほとんどない。何れも受電設備等点検項目欄に点検結果〔否〕(指摘年月日)として記載され続けている。


◆自由民権記念館収蔵資料等整備事業業務委託契約 252
 随意契約理由の記載のとおり学芸員に準じた専門性を有する契約相手、専門的研修の必要のない人であり、また、提出の見積書の内容からすると、この契約は、内容的には人の派遣契約であって業務委託契約とは言い難い。 このような契約形態は、巷間、いわゆる“偽装委託”あるいは“偽装請負”といわれ、一般的には雇用として認識されているところである。このような契約形態を継続することは適正でないことから短期雇用制度など適切な方法によって改善検討する必要がある。

◆かがみ保育園給食業務委託 254
 高知市からの委託料の支払いは「人的委託料」(細節)として支出され、給与所得による源泉徴収が行われている(H21 年分38,100円)。このような実態からみると、当該委託契約は実質的には雇用契約と認識すべきで
あり、委託契約としていることには疑問がある。契約形態について改善を検討すべきである。

◆施設管理の委託契約について 260
 34 件のエレベータの保守点検業務委託契約(支出負担額合計74,480 千円)が抽出された。それらについて契約方法を確認したところ30 件の契約で随意契約によっていたが、2 件の契約は指名競争入札により契約をおこなっていた。260

<包括外部監査の結果に関する報告に添えて提出する意見 267>

★ 基本的な業務がおろそかにされている

 今年度の外部監査の結果報告書においては、非常に単純な検査調書の作成という業務が全庁的に横断的に適切に実施されていないことについて膨大なページを費やして指摘している。

 この指摘にこだわる理由は一見些細に見える単純な思いこみによる手続きの瑕疵ではすまされない重大な問題、高知市のほとんどの業務の遂行の底流に流れる非常に大きな問題点を表象している事象であるという印象を持ったためである。この問題は、単に検査調書を作成すれば解決する問題ではない。

① 法令、規則等に従っていなくても何ら疑問を感じないことの問題点 
② 悪しき前例であってもそれを踏襲する「無批判な前例踏襲」の持つ問題点
③ 守られていない規則が放置されていることの問題点
④ それらの循環による悪習の定着という問題点
などの解決が求められているのである。

 事実を再確認しておくと1,292 件の契約の実に三分の二を超える873 件、67.6%に上る

 契約で検査調書が作成されていなかったのである。高知市はこの指摘を針小棒大な指摘として片づけることは出来ないはずである。
 繰り返すが、この問題は単に検査調書を作成すれば解決する問題ではない。覚醒した意識を持って悪習の連鎖を断ち切ることの必要性を強調しているのである。それが出来なければどのような規則を作っても、どのようなガイドラインを作っても、どのような検討委員会の答申を求めても何も変わらないというような基礎的なことを求めているのである。

3. 実際に機能しているか疑問な「方針」等について

 外郭団体に対する委託に関しては「外郭団体見直し方針」「指定管理者対応方針」そして実務の整合性のなさについて総括的3 において指摘している。高知市はこのように策定しては見たものの実際に活用されず、実態に合わせて見直しもされていない「方針」等の存在を認めざるを得ないと思うのであるが、このような「方針」等は作成する労力も無駄であり、遵法意識の低下も招くものであり問題が多い。

 ここでもPDCAサイクルを持ち出すつもりはないが、「方針」等は「作る」だけでは十分に機能しない場合が多い。見直しをして「メンテナンス」することでより有効に機能させることが出来るものである。作るだけで見直しもされず廃止もされない「方針」は無駄であり有害でさえあると認識する必要がある

4. 外部委託の効果について

 外部委託の効果について「職員が何人減り、費用をいくら削減できた」という表現が使われることがある。外部委託の効果の定量的な基準による評価は一見説得力があるが、その基準を個別に検討していくと無条件で認めることが出来ないものが出てくる。例えば費用の削減は、民間企業の安い人件費単価の利用という側面があることは否定できない。このことをさらに突き詰めていくと民間と比較した公務員人件費の適正単価という問題に突き当たる可能性も含んでいる。今年度の外部監査ではそのことは直接のテーマでないためこれ以上言及することは避けるが、条件や立場の違いにより定量的な評価の前提すら簡単に合意に至らないものが存在するということを示しているのである。

 一方、定性的な評価はややもすると感想の域を出ずに、評価基準の客観性を追求すると、これまたその設定には困難さがつきまとう。しかし、本文中でも指摘しているが、「委託の効果測定」はできあがった基準に従って機械的に可能なほどには熟成していない分野でもある。
 評価手法や評価基準が確立されていないことを理由に制度的「委託の効果測定」の導入を先延ばしすることなく早急に取り組むべき課題と位置づけるべきである

5. 随意契約の理由の合理性について
 エレベータの点検保守契約の随意契約理由の一部はもはや成り立たない。公共下水道台帳作成委託業務の随意契約理由のヒアリングに際しての説明には大きな誤りすら存在する。これらの随意契約はじめ多くの随意契約では、どうしたら原則どおりに業務を執行できるかに知恵を出すのではなく、できない理由を探すのに一所懸命な印象すらある。

 高知市の職員はもう一度「高知市随意契約ガイドライン」を読み直す必要がある。このガイドラインは解釈によらなければならない部分の少ない非常に丁寧に書かれたものである。

 さらに、このガイドラインは平成21 年1 月14 日に適用になっているものである。しかし、このガイドラインがどれだけ尊重されて随意契約が締結されているか甚だ疑問な状況である。従われることのないガイドラインの持つ問題点を重ねて指摘しておく。

6. 地方自治法の再確認
 「包括外部監査の結果に関する報告に添えて提出する意見」の最後でもう一度地方自治法の規定を確認しておく。
 地方自治法第1 編第2 条第14 項では、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と規定されている。
以 上

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