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日独友好決議 「村山談話」からも後退

 ドイツの連邦議会が採択した「日独交流15周年記念決議」は、「独と日本は侵略・征服戦争を行い、被害を受けた近隣国の人々に破滅的な結果をもたらした。第2次世界大戦は両国にとって1945年に無条件降伏で、そして政治的・道徳的破滅の中で終了した」となっているが、日本は「侵略」の文言を削除。これは村山談話からも後退したものになる。震災で世界中から支援を得ている時に、何をしたいのか? と思う。
 集団自決で旧軍の関与を最高裁が認めた。地元紙の社説は「その時々の政治や行政の恣意(しい)的な判断で歴史が変えられるようでは、私たちは前へ進めない。」と結んでいる。
【衆議院本会議、「日独交流150周年決議」日独の違いと各党の態度 宮本たけし4/22】
【日独友好決議、自民が多数欠席 歴史認識、党内に溝 4/22】
【「集団自決」訴訟]消耗戦を終わらせよう 沖縄タイムス4/23】

【衆議院本会議、「日独交流150周年決議」日独の違いと各党の態度 宮本たけし4/22】

 今日は衆議院本会議が開かれ、法案の採決とともに、「東日本大震災に関する決議」や「東日本大震災への国際的支援に対する感謝決議」、「日独交流150周年に当たり日独友好関係の増進に関する決議」などが議題となりました。
 わが党は東日本大震災関連の2つの決議には賛成しましたが、「日独交流150周年決議」には反対の態度をとりました。当初、議院運営委員会に提示された決議案は、「両国はその侵略行為により、近隣諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えることとなった」と「侵略行為」に言及していました。
 ところがこの「侵略行為」という言葉に自民党が反発、結局今日提出された決議案は、「侵略行為」が完全に削除され、「各国と戦争状態に入り多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」などと書き換えられたものでした。
 これは、到底容認できるものではありません。先の戦争が「侵略戦争」であったことは動かしがたい歴史の事実であり、国会がこの歴史認識にかかわって立場を表明する場合、少なくとも1995年の「村山談話」が明らかにした歴史的到達点を踏まえるのは当然のことです。
 「村山談話」は「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」と表明しています。
 その「村山談話」からも大きく後退し、その核心部分である「侵略」という言葉さえ削除したような決議をあげることは断じて許されるものではないという立場から、日本共産党はこの決議に反対しました。同じく社民党および「たちあがれ日本」の各党も反対しました。
 社民党の反対理由は、私たちと同趣旨ですが、「たちあがれ日本」の反対理由は、私たちとは正反対の「多大な迷惑をかけるに至り」という文言さえ許さないというもので、つまりは「右」からの反対です。
 しかし、今年1月27日に独連邦議会が採択した「日独交流15周年記念決議」には、「独と日本は侵略・征服戦争を行い、被害を受けた近隣国の人々に破滅的な結果をもたらした。第2次世界大戦は両国にとって1945年に無条件降伏で、そして政治的・道徳的破滅の中で終了した」と明瞭に書かれています。
 日本とドイツの歴史認識についての大きな違いに愕然としましたが、結局、この決議にさえ自民党の一部は退席。事前の議運での確認にも反して、残った議員たちも「たちあがれ日本」と同じような「右」からの反対理由をかかげて反対しました。 

【日独友好決議、自民が多数欠席 歴史認識、党内に溝 朝日4/22】

 日独交流150周年にあたって友好関係を深めるため、22日の衆院本会議に民主党や自民党が提出した「日独友好決議」の採決で、自民党議員116人のうち安倍晋三、麻生太郎両元首相ら約30人が直前に退席し、10人近くが座ったままで反対するという異例の事態となった。
 問題になったのは「(日独)両国は、第1次世界大戦で敵対したものの、先の大戦においては、1940年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。その後、各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」という部分。
 本会議直前の自民党代議士会で(1)事前に党の部会などで議論がなかった(2)事実の誤認がある、と執行部批判が噴出。下村博文氏は「ドイツは1939年のポーランド侵攻から(戦争が)始まっている」と採決での全員退席を求めた。
 石破茂政調会長が「党の手続きにのっとって私が賛成ということにした」と説明したが収まらず、石原伸晃幹事長は党議拘束を外すことを決定。この影響で本会議の開会が遅れ、菅首相を含む他党の議員は約15分間、本会議場で待機した。
 採決で反対した菅原一秀氏は「当時の状況があったとはいえ、『迷惑をかけた』では英霊が浮かばれない」。高市早苗氏も「交戦権や開戦権はすべての国家に認められた基本的な権利。自虐的国家観、歴史観だ」と反対理由を語った。
 採決で多数の退席者が出たことは、第2次世界大戦をめぐる自民党内の「歴史認識」に深い溝があることを印象づけた。
 決議は民主、公明両党や自民党の一部などの賛成多数で可決。共産、社民両党は「『侵略行為』という文言が削除された」などとして反対した。

【「集団自決」訴訟]消耗戦を終わらせよう 沖縄タイムス4/23】

 戦争中の座間味・渡嘉敷両島での「集団自決(強制集団死)」は旧日本軍の命令によるものかどうかをめぐる6年越しの裁判が終わった。最高裁は21日付で原告の訴えを棄却、軍が関与したことを認めた一、二審判決が確定した。
 裁判は、沖縄戦で旧日本軍が「集団自決」を命じたとするノーベル賞作家・大江健三郎さんの「沖縄ノート」などの記述をめぐり、慶良間諸島の当時の守備隊長らが名誉を傷つけられたとして、大江さんと出版社の岩波書店に出版差し止めなどを求めていた。
 一、二審判決とも原告の訴えを棄却。大阪高裁は「集団自決に軍が深く関わったことは否定できず、総体としての軍の強制や命令と評価する見解もある」と判断した。
 この問題は教科書検定にも影響し、文部科学省は2006年検定で日本軍の関与を明記しないよう教科書出版社に書き換えさせた。係争中であることを理由とした。
 軍の関与が削られると、「軍官民共生共死」という思想を住民にすり込み、投降を許さない軍国主義の狂気が覆い隠されてしまう。
 1982年に文部省(当時)が日本軍による「住民虐殺」の記述を削除させ、問題化したことがある。県内で抗議が広がり、その記述を復活させた。「集団自決」については家永教科書訴訟で最高裁が「日本軍の誘導があった」と認定、以来「軍の命令」の記述は教科書に定着したはずだった。
 あらためて軍関与を認定した今回の裁判を受けて、国はこの消耗戦を終わらせるよう手だてを講じるべきだ。
 大江さんらへの訴訟が起きた2005年、当時の安倍政権には旧日本軍の慰安婦問題についても軍の関わりを薄めようとする動きがあった。「集団自決」をめぐる教科書検定問題と軌を一にしていたとも指摘されている。
 つらい歴史から軍関与を消して何を得ようとしているのだろうか。
 歴史教育は政治やその時々の空気に影響されやすい。今回の訴訟のような論争が起きる度に、この国が過去の過ちにしっかり向き合っているかどうかが問われる。
 戦争で沖縄は本土防衛の「捨て石」にされ、その結果として出現した巨大な米軍基地を押し付ける構造的な問題がある。大江さんが「沖縄ノート」で日本全体に問うたのはその異常さだった。
 歴史教科書から「軍の関与」が消されたときの沖縄の苦悩は本土でどれほど共有されただろうか。
 こうした歴史認識をめぐる論争が表出する度に言いようのない胸騒ぎを覚える。おそらくこれからも沖縄戦の軍の加害性をめぐる論争は続くだろう。
 今回の最高裁判決を、教科書検定のあり方をあらためて問い直すきっかけにしたい。その時々の政治や行政の恣意(しい)的な判断で歴史が変えられるようでは、私たちは前へ進めない。
 裁判は終わった。大江さんが「沖縄ノート」で指摘したこの国のいびつな構造的問題にも目を向けたい。


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