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原発は1重防御…冷却機能の脆弱さ

 7日の余震で、外部電源が途絶え、非常用発電機に切り替えた。なんとか今回は急場を切り抜けたが、姫川原発、非常用ディーゼル発電機2台のうち1台が壊れたまま。東通原発、3台のうち2台は点検中ですぐに稼動できない。運転中した1台は、経由漏れが見つかり運転をとめた・・・冷却のための「最終手段」がこのような状態では、背筋の凍る話。
【原発 余震リスク浮き彫りに 綱渡りの冷却機能維持 4/8日経】
【東通原発、非常用発電機全て使えず 女川も1台故障 朝日4/8】
【東通原発で冷却一時停止、非常電源移行に1時間 読売4/8】
 ところで、武田邦彦氏は、もっと根本的な話をしている。
・耐震設計自体が低い(柏崎、福島は震度5、今回の地震の結果から見ると、女川は震度5、東通は震度4で設計したと考えられる)・・・「よって原発はこわれる」
・原子炉だけを守るようになっていて「原子力発電所」や「付近住民」を守ろうとはしていない。
・耐震設計内の震度で、「ディーゼル発電機が動く」ということは設計・施工に欠陥がある。
【生活と原子力 06 なぜ「東通原発」は非常電源が入ったか? 4/8】

 武田氏は“ディーゼル発電機が故障したら、東通原発は、冷却系を失い、福島原発と同じようになるのだ。電力会社の方は、「原発は地震で倒れます」と地元に行って欲しいし、自治体は「原発は地震で倒れるから、止めろ」と言うべきだろう.再び、被曝する人を出さないために。”と結んでいる。

【原発 余震リスク浮き彫りに 綱渡りの冷却機能維持 4/8日経】

 7日深夜に起きた地震の影響により、東北地方の原子力施設で外部電源が一部途絶えた。いづれも非常用発電機が稼動したり別の外部電源を使ったりして冷却機能を維持、急場をしのいでいる。だが、東日本大震災の余震は約1年続くとみられる。東京電力の福島第一原子力発電所で綱渡りの冷却作業が続く中、全原子力施設は至急、電源の多様性を確保する必要がある。


【東通原発、非常用発電機全て使えず 女川も1台故障 朝日4/8】

 7日深夜に起きた余震では、東北地方の複数の原子力施設で外部電源からの電力供給が途絶した。このうち東北電力東通原発や女川原発では、バックアップ用の非常用ディーゼル発電機が使えないなど、危うい状態が続いたままだ。今回は辛うじて難を免れたが、今後も予想される大規模な余震の揺れと津波に、原発は耐えられるのか。
 東北電力によると、東通原発(青森県東通村)1号機は、余震で外部からの電力供給が2系統とも遮断されたため、非常用ディーゼル発電機による冷却に切り替えた。
 8日午前3時半、外部電源が復旧。外部電源とともに非常用発電機による電力供給も続けたところ、午後2時10分ごろ、発電機の燃料循環ポンプ付近で燃料の軽油がもれているのを作業員が見つけ、運転を止めた。燃料漏れの理由は調査中。
 同原発は3月11日の東日本大震災時には定期検査中で、原子炉に燃料棒はなく、現在、外部電源で使用済み核燃料貯蔵プールの冷却を続けている。非常用ディーゼル発電機は3台あるが、もう2台も、点検中のためすぐには起動できないという。
 女川原発(宮城県石巻市、女川町)1号機でも、非常用ディーゼル発電機2台のうち1台が壊れたまま、1週間にわたって必要な機能を果たせない状態にあることがわかった。経済産業省原子力安全・保安院が8日、明らかにした。
 保安院によると、同電力が今月1日、1号機の発電機の定期点検をしたところ、2台のうち1台が発電所内の電源にうまく接続できないことが分かった。
 東北電力は接続不良の原因をつきとめて8日、原子炉等規制法に基づいて保安院に報告したが、この間、新たな発電機の配備はないという。
女川原発はこの状態のまま7日の余震にあい、外部電源3系統のうち2系統が途絶。1系統は生き残ったが、一時は綱渡りの運転を余儀なくされた。
 東通、女川の両原発で、この状態が続いたまま再び外部電源が失われた場合、どう対処するのか。東北電力は保安院などに対し、福島第一原発の事故を受けて配備した電源車で最低限の冷却はできる、などと説明しているという。
 女川原発ではまた、地震の揺れの影響で、各号機の使用済み核燃料貯蔵プールの冷却装置が自動停止した。容器の振動で水が波打つように大きく揺れる「スロッシング」という現象が起き、ポンプに負荷がかかってモーターが停止したという。
 約1時間後に再起動したが、放射性物質を微量に含むプールの水が約3.8リットルあふれ、専用のナプキンで拭いた。周囲の放射線の値に変化はないという。
 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)でも、外部電源が途絶え、非常用ディーゼル発電機で使用済み燃料貯蔵プールの冷却を続けたが、8日午後3時ごろ外部電源が復旧した。


【東通原発で冷却一時停止、非常電源移行に1時間 読売4/8】

 7日深夜に宮城県沖で起きた強い地震により、東北地方の原子力施設では、冷却システムが一時止まるなど影響が出た。
 東北電力の東通原子力発電所(青森県東通村)は定期検査で運転を停止中だったが、地震で県内全域が停電し、外部電源2系統が止まったため、非常用発電機で電力を供給した。
 すべての核燃料は使用済み核燃料一時貯蔵プールに入っており、停電後にプールの冷却系が自動停止したが、およそ1時間後に再開し、影響はなかった。放射性物質の外部への漏出も確認されていない。点検中だった別の外部電源1系統は8日午前3時30分頃、復旧した。
 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)は試験運転中で、停電により外部電源2系統の電力供給が止まったが、非常用電源が稼働し、同社によれば、使用済み核燃料や放射性廃液の冷却などに影響はないという。
 経済産業省原子力安全・保安院によると、今回のように原子力施設で非常用発電機を働かせるケースは、極めてまれ。通常の外部電源が使えなくなった場合に稼働する最終手段で、福島第一原発では津波によってこの非常用電源も喪失し、原子炉の安定的な冷却が困難な事態に陥った。
 一方、東日本大震災で運転を停止した東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)1~3号機では7日深夜、外部電源4系統のうち1系統を除き、電力供給が停止。その後、復旧作業が進み、8日朝には2系統が稼働している。原発に電力を供給する変電所に障害はなく、東北電で供給が止まった原因を調べている。
 東北電によると、1~3号機の使用済み核燃料一時貯蔵プールは、地震の揺れで冷却系が一時的に止まり、水がわずかずつプールの外に漏れた。冷却系は約1時間後に手動で起動。核燃料の露出はなく、放射性物質も外部に漏れていない。
 東北電は、1号機のプールの冷却系が停止した理由として、ポンプに取り付けた圧力計の誤作動の可能性を挙げている。2、3号機は原因を調査している。


【生活と原子力 06 なぜ「東通原発」は非常電源が入ったか? 4/8】

4月7日深夜、東北地方は再び最大震度6を記録する余震に見舞われた。被災者の人はとても心配だろう。なんと言ったら良いか判らないぐらいの過酷な仕打ちだ。

でも、ここではそのような状態でも、「原発」のことを冷静に考えておきたい。
この余震で青森の東通原発と六ヶ所村の再処理施設の電源が切れ、ディーゼル発電の非常用電源を使った。震度は5と推定される。
ディーゼル発電機が動くということは「耐震設計を越えた地震に見舞われた」ということだ。
また、停止中の女川原発も震度6で通常電源がとまり、予備電源に切り替わった。ここも「耐震設計を越えた地震」ということになる。
・・・・・・・・・
5年前から私は「原発は地震で壊れる」として、安全委員会部会、講演、書籍などで原発の耐震性を考え直さなければならないと訴えてきた。
自分が「予言」したからということではない。実は予言などという大げさなものではなく、「科学的な合理性を持って原発は地震で倒れる」のであり、実に簡単な原理なのである。
それを「原発は地震で大丈夫」と口で言ってきただけなのだ。

もし、それを日本社会が理解してくれれば、原発は少しは安全になる可能性がある。
原理は簡単だ.
1)耐震設計自体が低い(柏崎、福島は震度5、今回の地震の結果から見ると、女川は震度5、東通は震度4で設計したと考えられる)
2)原子炉だけを守るようになっていて「原子力発電所」や「付近住民」を守ろうとはしていない。

 これが現実なのに、政府、原子力委員会、原子力安全委員会、保安院、電力会社、県、市町村の首長は、いずれも、
「原発は地震で壊れない。安全だ」
と言い続けてきた。
・・・・・・
 国民の安全を守るのがもっとも大切な指導者なのに、「耐震設計は4で震度5なら損傷する。そして、付近住民や電気設備ではなく原子炉だけを守る」ということを知っていながら、よくそんな発言ができると思う。

 昨日、 文化系の見識のある方とディスカッションをした。なぜ、「震度4、原子炉だけ」という設計を「地震で大丈夫」と言うのか、科学者の私には理解ができないからだ。

・・・・・・実績・・・・・・
柏崎刈葉  震度6で「放射線漏れ」と「変電所火災」
福島    震度6で電源喪失、水素爆発
女川    震度5で通常電源喪失
東通    震度5で通常、予備電源ともに喪失

・・・・・・それでも全国の原発は大丈夫??・・・・・・

 100%の確率で損傷、倒壊している。だから、電力会社が自主的に他の原発を止めて欲しい.

 今回の東通原発は震度5で通常電源、予備電源が喪失し、ディーゼル発電機を動かした。普通の人なら「最後の砦が役に立った」と思うかも知れないが、筆者の専門の工学から見ると、「設計が4だったら、設計通り、設計が5だったら、設計ミスか施工の手抜き」という事になる。

 工学というのは「まあまあ、なあなあ」ではない。震度5で設計したら、震度5で「非常事態」になってはいけない。震度5では「ビクともしない」というのが震度5の設計である.
 その意味で、東通原発が震度5でディーゼル発電が動いたということは、設計か施工の欠陥である.東北電力は直ちにどちらに問題があったかを公表すべきだ。

 さらに、福島原発にもトリックがある。
 福島原発が「地震で倒れない」と言った政府、福島県の発言がウソではないことを印象つけるために「津波の損傷」と言ってきた。
 しかし、作業員は「地震直後に上からザーッと水が降ってきた」という証言や、1号炉の圧力容器の亀裂など  を見ると、震度6の最初のアタックでかなり損傷していたと考えられる.
 また、たとえ津波であっても、日本には38メートルの津波を経験しているのだから、10数メートルの津波が「想定外」というなら「地震や津波で壊れる怖れがある」ということだろう。
・・・・・・・・・
 いや、そんな細かいことを議論していては、大筋を見失う.
原発は、
1)原子炉だけ守ればよい.だから、電力の供給がなくなるのは「原発の安全性」の問題では無いとしている、
2) 設計震度は「電力会社が地震学者を呼んで勝手に決めれば良い」としている、
という事実をもう一度、認識することだ。

 東通原発では、震度5で最後の砦になるディーゼル発電以外の電源を失った。まるで、個人病院のようだ。
 個人病院でも停電に備えて予備の小型発電機ぐらいは備えている.予備の電源があるからと言って「地震で大丈夫です」などと言うのはまったく非常識で、原発は多重防御ではなく、ほぼ1重だ。

 そして、問題なのは「原子炉だけを守る」という思想だから、柏崎で変電所(場内)が燃えても「関係ありません」と言い、今度も「停電だから仕方ありません」と言うだろう.
 でも、ディーゼル発電機が故障したら、東通原発は、冷却系を失い、福島原発と同じようになるのだ。電力会社の方は、「原発は地震で倒れます」と地元に行って欲しいし、自治体は「原発は地震で倒れるから、止めろ」と言うべきだろう.

 再び、被曝する人を出さないために。
(平成23年4月8日 午後1時 執筆)

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