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原発工程表 実効性と作業員の安全は?

 6~9カ月後の「放射性物質の放出管理と大幅抑制」という東電の工程表。そうあってほしいと思うが・・・ 燃料棒の露出の隠蔽、「低濃度」汚染水の核種データの未公開していて、「信じろ」という方が無理では・・・。
【原子炉冷却・汚染水阻止 作業綱渡り 産経4/18】
 作業員の健康はどうか。それを無視した無理筋の「計画」ではないか・・・不安に思う。
【高線量、大幅に作業制約 1号機建屋、1時間で被曝上限 朝日4/18】
【原子炉建屋内で高い放射線量 「作業厳しい」と保安院 共同4/18】
【原発工程表、どういう根拠?作業員が達成に疑問 読売4/18】
【福島第1原発 下請け作業員 内部被ばくか 基準の7倍超 処置されず 赤旗4/17】

【原発工程表、どういう根拠?作業員が達成に疑問 読売4/18】

 福島第一原発で連日、修復作業にあたる作業員からは、工程表の目標達成を危ぶむ声が出ている。
 ある協力会社の30歳代の男性は「3か月で放射線量が減少傾向になるとは思えない」と話す。男性は17日も作業にあたったが、原子炉建屋の周辺では依然として放射線量が高く、作業は長い人でも数時間しか行えないという。
 男性によると、マスクを装着し、防護服を着るため、作業員の中には、脱水症状を訴える人が出ている。雨が降れば防護服の上にビニール製のかっぱも着る。「梅雨になれば作業効率が落ちるし、熱中症も心配。東電はどういう根拠で期間を示したのか」と疑問を示した。
 夫が同原発で下請け作業員として働いている女性(61)は、「ずいぶん長くかかるんですね」と表情を曇らせた。夫は事故以来、2週間に1回程度、避難所に帰ってくるだけ。「戻ると、ぐったりして寝てばかりいる。体重も減ったようで、こんな生活が何か月も続くのかと思うと、体が心配です」と案じていた。
(2011年4月18日09時08分 読売新聞)


【福島第1原発 下請け作業員 内部被ばくか 基準の7倍超 処置されず 赤旗4/17】

 東日本大震災が発生した3月11日午後に福島第1原子力発電所構内にいた作業員が内部被ばくしている疑いがあることが、本紙が入手した内部資料で明らかになりました。

 東京電力が原子力安全協定に基づいて周辺自治体に通報する判定基準となる数値の7倍以上に達している人もおり、被ばくの可能性がありながら放置されている下請け労働者が多数存在している可能性があります。
 
資料は、放射線業務を行う作業員の登録を解除(契約終了)するための申請書です。備考欄に記載している数値は、登録期間の前後に義務づけられているWBC(ホールボディカウンター=別項)の測定結果です。
 測定を受けた作業員によれば、単位は体内から1分間に放出される放射線量を示すcpmで、「カウント」と呼ばれています。
 備考欄の数値のうち上段のAが事後、Bが事前で、8人中7人はAが大きく上回り、東電が自治体に通報する判定基準738も超えています。さらに、ある関係者は「福島第1では1500以上と測定された場合、精密検査の対象になっていた」と証言しますが、8人中6人はこれを超えています。しかし、作業員は、数値の意味について説明は受けておらず、何の処置も受けていないといいます。

 この申請書に記載されている作業員は3月11日まで福島第1原発の4号機原子炉建屋内で定期検査に従事していました。同日、作業を終えて1号機前のバス停にいたところで地震が発生。非常呼集を受けた後、作業は解除されました。しかし、同原発のWBCが壊れたため測定を受けられず、4月6日に新潟県の柏崎刈羽原発で測定を受けました。つまり、大震災から4週間近くたった時点でも、事前の数値を大きく上回ったのです。
 東電による判定基準の7倍以上となる5368カウントを計測した作業員は、「屋内退避」圏の福島県南相馬市に住んでいます。要介護の母親を抱えており、自主避難が困難な状況にあります。
 この作業員は、「長い間原発で作業をしてきたが、こんな数値は見たことがない。ずっと南相馬にいたから、放射能が蓄積されたのではないか」と不安を隠しません。

◇検査が必要
 立命館大学・安斎育郎名誉教授の話 本来なら、WBC測定の前後の数値はそう差がないはずなので、この人たちは内部被ばくの疑いがある。作業中に水のようなものが付着したか、空気を吸い込んだ可能性がある。便を採るなどの検査が必要だ。

◇WBC 全身カウンターとも呼ばれます。体内に取り込まれた放射性物質から放出されるガンマ線を人体の外側から検出する計測装置で、鉄や鉛で遮蔽(しゃへい)された部屋で1分間、計測します。一般に内部被ばくを調べるものとされていますが、アルファ線、ベータ線は測定できません。琉球大学の矢ケ崎克馬名誉教授は「実際の内部被ばく量は、WBC測定値の3~5倍と見ていい」と指摘します。


【高線量、大幅に作業制約 1号機建屋、1時間で被曝上限 朝日4/18】

 福島第一原発の原子炉建屋で高い放射線量が計測された。特に1号機では出入り口の扉ごしに毎時270ミリシーベルトあり、作業が一切できなくなる作業員の被曝(ひばく)線量の上限(計250ミリシーベルト)をわずか1時間で超える値だった。原子炉建屋内の計測は事故後初めて。人間が作業するには極めて厳しい環境だと分かった。
 作業員が16日に、1~3号機でタービン建屋から原子炉建屋に入るための二重扉付近に立ち入り、じかに放射線量を測った。
 東京電力によると、最初の扉を開けて入った1畳ほどの小部屋の線量は、1号機で最大で毎時270ミリシーベルトだった。2号機は12ミリシーベルト、3号機は10ミリシーベルト。作業員は扉の陰に隠れながら計測したという。
 今回の事故の作業のため、厚生労働省と経済産業省は作業員の緊急時の被曝線量限度を計100ミリシーベルトから計250ミリシーベルトに引き上げた。明確な定義はないが上限を超えると数年は作業ができなくなるとみられ、原子炉建屋内での1人当たりの作業時間は大幅に制限される見込みだ。通常の原発作業の被曝線量の上限は年間50ミリシーベルト。
 今回計測した場所の奥には、原子炉建屋に入る厚さ約20センチの鋼鉄製の扉がもう一つある。扉の向こうの放射線量は、今回の計測値よりも高いと見られている。
 また、東電は17日、米国製の遠隔操作ロボットを原子炉建屋に入れて放射線や温度を測った。1号機では今回の計測よりも北側にある別の二重扉から入り、暫定値ながら最大毎時49ミリシーベルトだった。3号機は同57ミリシーベルトだった。いずれも通常では放射線はまず検出されない場所だが、約5時間で緊急時の被曝線量の上限を上回る高い値を示した。
1号機は原子炉内の核燃料の破損の度合いが全体の70%とみられ、2号機(30%)や3号機(25%)と比べて激しい。破損した核燃料から発生した水素による爆発で、壊れた配管などから高濃度の放射能汚染水が漏れ出ている可能性がある。
 原子炉を安定的に冷やすには、大量の水が循環する冷却系の再構築が欠かせない。原子炉建屋内にある機器や配管の修理や、配管を仮設ポンプにつなぎ直す工事が必要になる可能性が高い。
 今後、ロボットが調べた原子炉建屋内の放射線量や映像などを詳しく分析。どの付近の放射線量が高いのかや、配管が破れていないかなどを確認する。原子炉を安全に停止するのに6~9カ月かかるとする工程表の実現に向け、作業内容が練られる。(東山正宜)


【原子炉建屋内で高い放射線量 「作業厳しい」と保安院 共同4/18】

 福島第1原発事故で経済産業省原子力安全・保安院は18日、遠隔操作で動くロボットで17日に原子炉建屋内の放射線量を調べた結果、1号機で毎時10~49ミリシーベルト、3号機で毎時28~57ミリシーベルトだったと明らかにした。
 福島第1原発事故での作業員の被ばく線量限度は年間250ミリシーベルトで、保安院は建屋内での長時間の作業は「時間的に厳しい」との見方を示した。
 原子炉の冷却機能を早期に回復させるには原子炉建屋内での作業が必要とされ、建屋内の線量が焦点になっていた。保安院は「中での作業は非常に厳しいが、線量を下げて作業をしたい」としている。
 保安院は、1、3号機の原子炉を冷却するため、原子炉格納容器に水を満たした後、空冷装置の設置を検討していることを明らかにした。
 東電によると、ロボットは17日、1号機原子炉建屋北側で約50分間、3号機原子炉建屋南側で2時間、作業した。最も線量が高いとみられる2号機原子炉建屋は、18日にロボットによる線量測定を試みる。
 東電は18日、原発の本格的な冷却機能回復の支障になっている放射性物質に汚染された水を移すため、水をためる予定の集中廃棄物処理施設で水漏れ防止対策を進めた。
 準備が整えば、実際に比較的低濃度の汚染水を入れて試験をする。同施設には2号機タービン建屋外の立て坑にたまった特に高濃度の汚染水を移す予定だが、保安院の確認が必要で、移送開始には時間がかかりそうだ。
 東電によると、1~3号機タービン建屋内外の高濃度汚染水の総量は推計6万7500トンという。


【原子炉冷却・汚染水阻止 作業綱渡り 産経4/18】

 福島第1原子力発電所事故収束に向け、東京電力が17日に発表した工程表は、3カ月後の「放射線量が着実に減少傾向」、6~9カ月後の「放射性物質(放射能)の放出管理と大幅抑制」と2段階の目標を掲げた。東電の勝俣恒久会長は会見で「かなり成功するのではないか」と自信を見せるが、原子炉の安定冷却や放射能の放出抑制に向けた汚染水の漏出阻止など課題は山積している。放射線量が高く作業環境が悪い中、本当に実現できるのか。

◇1~3号機「水棺」
 東電は原子炉の安定冷却に向け、3カ月後までに1~3号機の格納容器を水で満たす「水棺」と呼ばれる対策を掲げた。ただ、実現には、格納容器に損傷がなく、注入した水が漏れないことが条件となる。
 1号機では現在、水素爆発を防ぐために窒素注入が続けられている。本来なら注入されれば上がるはずの内部の圧力が、9日頃から上がらなくなっており、格納容器からの漏れが指摘されている。3号機も格納容器の密閉機能が健全かどうかが明確ではない。
 さらに問題なのは2号機だ。格納容器とつながる圧力抑制室は損傷して穴が空いるとみられる。冷却のために水を入れても、その分だけ、汚染水が増える恐れがある。高濃度汚染水の漏出源ともみられており始末が悪い。
 東電は3カ月後までに粘着質のセメントで穴をふさいで水棺を実施する案を示したが、工程表には「損傷箇所の密閉作業が長期化する恐れ」と記載。勝俣会長も「できる保証はない」と弱気もみせた。

◇水処理と循環
 放射能の放出経路になっているタービン建屋やトレンチにたまった汚染水は、原子炉冷却機能の復旧にも大きな障害になっている。
 東電は汚染水を減らすため3カ月後を目標に、汚染水に含まれる放射性物質を除去する処理をして、その後、圧力容器に戻して循環させるというプランを提示した。放射能の閉じこめと原子炉冷却を一気に解決する案だが、プランの実現には「水処理施設」と「循環ルート構築」という2つの問題の解決が必要となる。
 水を浄化する処理施設は3カ月後を目標に設置する。ペットのトイレ用消臭砂に使われ、セシウムを吸着するとされる鉱物「ゼオライト」などを使った処理を検討中で、実績のある仏・アレバや米国の助言も活用する予定だ。ただ、「これほど高濃度の汚染水を処理した経験はない」(東電)といい、効果は未知数だ。設置が遅れる可能性も指摘されている。
 また、循環ルートの構築には、配管に漏れがないかどうかのチェックが欠かせない。しかし配管は、放射線量が高く、作業員が原子炉建屋内に入って作業することはできない。
 作業の着手は「線量の大幅削減が前提」で、放射線量の高さは大きな障壁となる。引き続き綱渡りの対応が強いられることは必至で、迅速で正確な情報収集が作業を進めるうえで不可欠になる。

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