東電 震災当日のデータ なぜ隠す?
今朝のNHKニースで、「独自に入手した資料」として、地震当日、1号機の圧力容器だけが異常に水位が低下し、短時間に水素爆発したのは、津波の影響でなく、地震そのもので圧力容器が損傷したからではないか、と報じていた。 それは津波対策ではなく、耐震性という質的に違った問題となる。
NHKの報道後、東電は公表したのだが、この機におよんでもデータを隠蔽? と感じてしまう。
【1号機 震災の夜に燃料露出直前 NHK4/8】
【本震7時間後に燃料露出寸前の状態 福島第一原発1号機 朝日4/8】
【福島原発事故は人災/警告に耳貸さず初動に遅れ 吉井英勝4/7】
・・・ 吉井氏は「原発安全神話”を信仰し、情報を公開せず、国民の安全より企業利益第一主義に走ったのが最大の要因」と指摘している。
【1号機 震災の夜に燃料露出直前 NHK4/8】東京電力、福島第一原子力発電所の事故で、1号機では、先月11日の地震当日の夜までに原子炉の水が核燃料が露出する直前まで減り、安全のために最も大切な「冷やす機能」を十分に保てなかったことが、NHKが入手した資料で分かりました。専門家は「その後さらに水が減り、核燃料が露出したことで、地震の翌日という早い段階で水素爆発が起きたのではないか」と指摘しています。
NHKが入手した資料には、地震当日の先月11日に福島第一原発の1号機から3号機で測定された原子炉の「水の高さ」や「圧力」などの値が示されていますが、東京電力などは、これまで地震の翌日以降の値しか公表してきませんでした。資料によりますと、1号機では、地震発生から7時間近くたった午後9時半に、原子炉の中で核燃料が露出するまでの水の高さが残り45センチとなり、通常の10分の1程度に減っていたことが分かりました。1号機から3号機では、地震と津波によってすべての電源が失われ、2号機と3号機では非常用の装置で原子炉を冷やし、水の高さが4メートル前後に維持されていました。これに対し1号機では、地震当日の夜までに、すでに安全のために最も大切な「冷やす機能」を十分に保てなかったことになります。また核燃料が水から露出するまで、2号機と3号機では、地震から1日半から3日程度かかっているのに対し、1号機では18時間ほどしかありませんでした。東京大学の関村直人教授は「1号機では、『冷やす機能』が維持できなくなったあと、さらに水が減り核燃料が露出したことで、地震の翌日という早い段階で水素爆発が起きたのではないか」と指摘しています。一方、東京電力は「調査はこれからで詳しいことは分からない」と話しています。
【本震7時間後に燃料露出寸前の状態 福島第一原発1号機 朝日4/8】東京電力は8日、福島第一原発1~3号機について、3月11日の地震直後の炉内データを公表した。1号機の水位は地震の7時間後、燃料が露出する寸前まで下がっていたことがわかった。操作によっていったん回復したが、再び低下、12日午後に水素爆発した。
1号機の水位は11日午後9時半、燃料上端から45センチまで下がった。炉内の圧力を減らしたら上昇に転じた。下がった理由は不明だが、その後しばらく水位を制御できたことから、東電は地震での損傷による可能性は低いとみている。
水位は12日午前7時ごろから再び低下。蒸気を冷やして水を原子炉に入れる非常用復水器が機能しなくなったとみられる。午前8時36分に燃料の上端に達し、午後には燃料が1.7メートル露出した状態が続き、午後3時半ごろ爆発した。
東電はこれまで13日以降のデータ一覧のみ公表していた。「地震直後のデータは欠落が多かったので入れなかった。個別に聞かれれば答えた。国も公表していた」と説明している
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いつもお世話になります。
NHKの元ネタは、おそらく『世界』5月号田中三彦「福島第一原発事故はけっして“想定外”ではない」です。官邸で公開されている原発事故報告書(たとえば、http://www.kantei.go.jp/saigai/201104071900genpatsu.pdf 順次時刻をおって更新されています)がありますが、残念ながら12日以降の水位しかわかりません(『世界』の記事では、3/27日時点の報告書のようですが、同様に12日以降のようです)。それにもとづいて、田中氏もNHKと同様の推論をしています。
隠蔽されて空白だった、事故その日の11日のデータが公表された、ということでしょう。
Posted by: jichiken | April 08, 2011 05:17 PM