窒素注入の意味 海の次は空気中に・・・?!
爆発を防止するとのことでの窒素注入・・・「1号機は2、3号機に比べ格納容器内の圧力が高く、容器の健全性が保たれているとして注入を優先した。配管から酸素が入らないように作業を進め、7日午前1時半ごろから窒素が格納容器内に入り始めた。」とのこと。しかし
【2・3号機も窒素ガス注入へ 汚染水放出も続く 朝日4/7】
つまり、低レベルと海に汚水を流したのと同じように、2.3号機では空気中に流出させるということ(1号機もどうなるかわからないが・・)。
この注入とは流出させるということが、各紙の記事を見ても、よくわからない。そこでまた武田さんの登場。
【原発 緊急情報(51) 窒素を入れた理由と影響 4/7】
とにかく様々な専門家が、基礎的なデータが出されてないために、判断もできない、また提言する窓口もない、と怒っている。
武田さんは、なぜそんな事態になっているのか、他の原因があるのではないか・・と訝しがっている。
圧力容器の内の温度も比較的低く、しかも、外に漏れてる2,3号機にも注入せざるを得ない事態って何って思う。
「事態を小さく見せよう」という保身が優先している感じがしてならない。多くの人が苦しみ、復興作業に多大な影響を与えている原発事故対応。隠し事があってはならない。
50過ぎの私には、個人的には影響はもう余り関係ないと価値判断している。しかし、特に子どもを生み、育てている母親の反応は違う・・・ 少し発ガン率が増えるだけといわれても、その「少し」がわが子にくるかもしれない。と心配するのは当然である。統計で語る世界とは、価値観が違っている。
【原発 緊急情報(51) 窒素を入れた理由と影響 4/7】4月7日に、東電が福島原発の格納容器に「窒素を入れる」と発表され、事実、窒素を入れ始めたようです。この意味は、
1) 格納容器に水素と酸素があって、爆発する可能性がある、
2) 窒素を入れた分だけ、強い放射線をもつガスが放出される、
ということです。そして私たち「被曝側」としては、
1) 窒素が入れば爆発はしない、
2) まだ不安定なので、貯金通帳など身につけておいた方がよい(福島、茨城北部など)、
ということです。
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原子炉の爆発には、核爆発、水素爆発、水蒸気爆発があります。そして爆発する場所としては、建屋、格納容器、圧力容器の3つがあります。
もっとも危険なのは、「圧力容器内の核爆発」で、これを止めるには「ホウ素の投入」が必要です。ですから、「ホウ素」という文字が出てきたら、逃げる準備が必要です.
次に、今回の格納容器の水素爆発などの大量の放射性物質がでる場合で、政府やメディアは「大量の」とか「きわめて憂慮すべき」とは言いますが、具体的にどのぐらい「大量なのか」は言いません。
もし、格納容器が水素爆発したら、現在の10倍から100倍の放射性物質がでますから、福島県東部、茨城県北部は直ちに避難してください。
放射線のレベルは1時間に100マイクロ(シーベルト、省略)ぐらいになるでしょう。つまり、10時間で1ミリ、4日で10ミリになりますので、直ちに避難が必要です.
しかし、爆発の可能性は低いと思います.
しばらくテレビはつけておいて、窒素投入が成功するか、何気なく監視しておくというのが良いでしょう.
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ただ、東電発表にやや矛盾があります。
水素が発生するのは、破損した燃料棒のジルコニウムと水の反応、高い放射線による水の分解ですが、
1) ジルコニウムと水の反応では水素しかでない、
2) 放射線による水の分解では、水素が2モルで酸素が1モルの比率ででる、
3) 水素の爆発下限は水素4%、酸素5%だから、上記の反応では爆発限界に入るのにはなにか別のことがあるのではないか、
4) 格納容器の水素濃度は測定してないと考えられるので、なぜこのような推定をしたか、
などです。
情報が断片的なので、判断が難しく、現在では危険側で考えなければならないのが現状です。
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ところで、先日、放射性物質を含んだ汚染水を海に流した時、漁業組合が「俺たちの海を汚すのに、断りがない」と言い、それに対して東電が謝りました。
今回は、私たちの番です.「私たちが呼吸する空気を汚す窒素投入に対して、自治体に了解を取ったか?」と聞かなければなりません。
東電は私企業ですから、勝手に(能動的行為で)空気を汚すことはできないからです。
(平成23年4月7日 午前10時 執筆)
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