放射能汚染とガレキ処理
ガレキ処理を引き受けた川崎市で市に抗議の電話が殺到・・・というニュースが出ていたが。
そもそもから考えてみたい。廃棄物処理法は「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く」とある。ではこれまで放射能を帯びたので処理されたものがあるか。
それは、存在するのだが、基準は、1つは年10マイクロシーベルト、もうひとつは0.14マイクログレイ/時間(グレイは、シーベルトとほぼ同等とのこと)。しかも産業廃棄物としての処理である。
【福島第1原発:がれき処理宙に 汚染懸念、一般業者扱えず】
①1987年に放射線審議会がまとめたもの。廃棄物として扱うことが適当なのは、10マイクロシーベルト/年以下とする報告「放射性固体廃棄物の浅地中処分における規制除外線量について」。(この「以下はオッケー」というのを、「スソ切り」と言うとのこと。)
②石原産業のチタン廃棄物問題で、91年の科技庁、厚生省、通産省、労働省の4省庁通知。「廃棄物の空間放射線量率が1時間当たり0.14マイクログレイ以下に限り、放射線を測定、記録したうえで工場外に搬出できる」との産業廃棄物としたもの。(一気に100倍以上も基準を緩めた)
(他にあったら、サジェスチョンしてください)
これまで経過からすると、年1.2ミリシーベルトが限度(一般国民の許容範囲1ミリシーベルトとほぼ同じ)である。 だからほとんどのものは今までの基準では処理できない。
だから川崎市が善意であっても、放射能に汚染されてないことの証明がないと処理できない。というのがルールである。
人の場合は、事態が収拾できないので、現在、大人20ミリシーベルト、子ども10ミリシーベルトまで「がまん値」を引き上げているし、流してはいけないという海にも汚水を流しているから・・・ なし崩しに焼却オッケーになるしかないのか?
そこで、福島県に、放射能のフィルターをつけた焼却炉、除染用のプールをつくった処理をし、積極的にクリーン福島を創出することがよい、という武田氏の提案が、現時実をおびてくる。
既存のルールがどうで、それを守ってはなにもできないから、こういう措置をするとか、放出されている核種と値をすべて明らかにするとか、正確に伝えて、国民が政策判断できる条件を整えることが必要だ。
ゴマカシでは国難は乗り切れない。(利益優先で安全を二の次にした自公から、反省がきかれないのか、いただけない。)
【福島第1原発:がれき処理宙に 汚染懸念、一般業者扱えず 毎日4/14】屋内退避区域ぎりぎりの福島第1原発から約30キロ付近の被災地。がれきの放射性物質汚染の実態ははっきりしない=福島県いわき市久之浜町で2011年3月29日午後4時40分ごろ、渡辺暢撮影
東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故が、がれきの処理に影を落としている。原発周辺では、いまだに津波によるがれきが大量に放置されており、放射性物質による汚染が懸念されている。【渡辺暢】
地震や津波で発生したがれきは「災害廃棄物」と呼ばれ、通常は廃棄物処理法に基づいて市町村が処理する。ただ、東日本大震災ではあまりに膨大なため、国が費用を全額負担する方針だ。
しかし、福島県産業廃棄物課の担当者は「放射性物質で汚染されたものは災害廃棄物として扱えない」と指摘する。廃棄物処理法の条文に「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く」とただし書きがあるためだ。
同県産業廃棄物協会の木村光政事務局長は「現段階では我々には扱えない。汚染を拡散させたくはない。放射線量の安全基準を決めてほしい」と話す。
一方、放射性廃棄物の扱いを定める原子炉等規制法は、原子力事業者から出たものだけが対象だ。原発の外の廃棄物が汚染されるケースは、そもそも想定されていない。
経済産業省原子力安全・保安院は「放射性廃棄物として扱っていいのか分からない」と困惑する。同院には、がれきの処分について廃棄物業者などからの問い合わせが相次いでおり、「ひとまず安全に保管するよう指導している」(放射性廃棄物規制課)という。
法のはざまで、汚染されたがれきの処理が滞ることが懸念されるが、似たケースは既に起きている。
今月4日、青森市の産業廃棄物処理施設に搬入された牛の肉骨粉から1時間当たり最大0.16マイクロシーベルトの放射線が検出された。青森県環境政策課によると、この肉骨粉は、福島など東北6県から搬入された死亡牛を八戸市の工場で処理したもの。同課は原発の影響と推定しているが、取り扱いを定めた法令がないため、当面は業者が保管せざるを得ないという。
環境省の推計では、震災で発生した福島県内のがれきの量は、建物のみで290万トン。汚染されたがれきの扱いについては関係省庁で協議が続いているが、結論は出ていない。
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