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福島原発 「国民を欺いた国の責任」 前知事の告発

 佐藤・前福島知事が、福島原発の事故を「天災ではない」「国民を欺いた国の責任をただせ」と、当時の東電、経産省の対応をもとに告発した記事、毎日新聞と週刊朝日に出でいる。(朝日のものは佐々木憲昭さんがHPで紹介している要点)。もともと原発推進論者だったが、そうした経過をうけプルサーマル導入に反対を表明。そして汚職スキャンダルで辞任がおいこまれたのだが・・・ 
【福島県の佐藤前知事が告発――「国民を欺いた国の責任」4/4】
【福島原発:「天災ではない」佐藤栄佐久・前知事 毎日4/4】

3日付けの赤旗に、原子力工学が専門の吉井衆院議員の話がのっていたが、「東電も国も正確なデータをまったく公表していないので、実は制御棒が炉心にしっかり入っているかどうかさえわからない状態」「環境に放出されている放射性物質の核種別のデータを見ないと、炉心がどこまで溶けているかわからない」「政府は情報収集衛星による画像公開を『安全保障』を理由に拒否しつづけている」・・
  いまだ続く隠蔽体質が、専門家の英知を結集することを妨げていると告発している。

【福島原発:「天災ではない」佐藤栄佐久・前知事 毎日4/4】

 福島県知事在職中に、国の原子力政策に疑問を投げかけていた佐藤栄佐久氏(71)に、東京電力福島第1原子力発電所の事故について聞いた。佐藤氏は「深刻な事態は国の原子力政策が招いたもので、天災によるものではない」と強調した。【岩佐淳士、松本惇】

 --未曽有の事故に、東京電力は「想定外の事態」と繰り返した。
 ◆私でさえ安全と思っていた。経済産業省は「二重三重のチェックをしている」「自然災害による事故も絶対あり得ない」と言っていた。国がそれだけ言えば、地域社会が信用するのは当然だった。

 --88~06年の知事在任時、福島第1、第2原発で事故やトラブル隠しが発覚。安全管理に疑問を唱えていた。
 ◆原子力政策は、国会議員や福島のような立地県もタッチできない。政策の基本を定める長期計画策定会議のメンバーの大半は電力関係者の「味方」。政策を実際につくるのは経産省の官僚だ。彼らにとって、良いのか悪いのかは別問題で、一度方針を決めると後戻りしない体質だ。
 
--原子力安全・保安院の経産省からの分離が検討されている。
 ◆分離しないといけない。02~06年に原発トラブルなどに絡んだ内部告発が、県に21通も寄せられた。保安院に情報提供しても対応もせずに東電へ情報が流されると、告発者は恐れていた。原発の運転を前提に安全面をチェックしろと指示してきたと指摘されるのも、保安院が経産省の一組織だからだ。

 --第1原発敷地内からは、微量のプルトニウムも検出された。
 ◆3号機で使用中のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料から出た可能性もある。プルサーマルは、専門家から安全性に懸念の声もあったが、国は推進してきた。

 --多くの住民が原発関連の仕事に従事してきた現実もある。
 ◆原発のない町に帰っても働く場もないという問題は確かにある。ただ、第1原発がある双葉町を見てほしい。原発ができて永久に栄えると思っていたが、すぐに2機増設してほしいという話が出た。財政上の優遇もあったが、09年には自主的な財政運営が制限される「早期健全化団体」に転落した。原発立地の損得を、冷静に考えるべきだと思う。

 --東電は、第1原発1~4号機の廃炉を表明した。5、6号機や第2原発はどう扱うべきか。
 ◆第2原発を再稼働させるべきかどうか、まだ自分の中で整理ができていない。原発は1カ所の立地点で1兆円の投資となる。原発の扱いは、エネルギー政策の根幹にかかわる問題だから。

 【略歴】さとう・えいさく 日本青年会議所副会頭などを経て83年参院議員、88年に福島県知事。5期目途中の06年県発注工事を巡る汚職事件が表面化し、同10月に収賄容疑で逮捕された。無罪主張しているが1審、2審では有罪判決が出て、上告中。02年の東京電力の原発トラブル隠し問題では、原発立地県の知事として、プルサーマル計画への「事前了解」を白紙撤回した。
◆福島第1原発と佐藤栄佐久氏◆
71年3月 福島第1原発1号機が営業運転開始
88年9月 佐藤栄佐久氏が福島県知事に初当選
98年11月 県と地元2町が福島第1原発3号機でのプルサーマル計画受け入れを表明
02年8月 東京電力の原発トラブル隠し発覚
  9月 佐藤氏がプルサーマル計画への事前了解を白紙撤回
03年12月 福島、新潟、福井の3県知事が原子力安全・保安院の経済産業省からの分離を国に要請
06年9月 県発注工事を巡る談合事件で実弟らが逮捕された道義的責任を取り、知事を辞職
  10月 佐藤氏が県発注工事を巡る収賄容疑で逮捕される
10年8月 福島県がプルサーマル計画受け入れ表明
  10月 福島第1原発3号機でプルサーマル発電による営業運転を開始
11年3月 東日本大震災発生

【福島県の佐藤前知事が告発――「国民を欺いた国の責任」4/4】

4月8日号の「週刊朝日」は、佐藤栄佐久・前福島県知事が「国民を欺いた国の責任をただせ」と題するインタビュー記事を載せています。

 佐藤前知事は、「今回の事故の報道を見るたびに、怒りがこみ上げてきます。一部の識者は『想定外の事態だ。これは天災だ』というような発言をしていましたが、だまされてはいけません。これは、起こるべくして起こった事故、すなわち“人災”なのです。
 私は福島県知事時代、再三にわたって情報を改ざん・隠蔽する東電と、本来はそれを監視・指導しなければならない立場にありながら一体となっていた経済産業省に対し、「事故情報を含む透明性の確保」と「原発立地県の権限確保」を求めて闘ってきました。しかし、報道を見る限り、その体質は今もまったく変わっていないように思います」と述べています。

 もともとは原発推進論者だった佐藤氏が、日本の原子力政策に疑問を抱き始めたのは、知事に就任した翌年の1989年のことだったと言います。

 「この年の1月6日、福島第二原発の3号機で原子炉の再循環ポンプ内に部品が脱落するという事故が起きていたことが発覚しました。しかし、東電は前年暮れから、異常発生を知らせる警報が鳴っていたにもかかわらず運転を続けていたうえに、その事実を隠していました。県や地元市町村に情報が入ったのはいちばん最後だったのです」。「経産省(当時は通商産業省)に猛抗議をしましたが、まったく反応しませんでした」と。

 さらに、2002年8月29日、原子力安全・保安院から福島県庁に「福島第一原発と第二原発で、原子炉の故障やひび割れを隠すため、東電が点検記録を長年にわたってごまかしていた」という恐るべき内容が書かれた内部告発のファクスが届いたと言います。

 佐藤氏は、こう言っています。

 ――「私はすぐに、部下に調査を命じました。だが、後になって、保安院がこの告発を2年も前に受けていながら何の調査もしなかったうえに、告発の内容を当事者である東電に横流ししていたことがわかったのです。私の怒りは頂点に達しました。これでは警察と泥棒が一緒にいるようなものではないか。それまで、東電と国は『同じ穴のムジナ』だと思っていましたが、本当の『ムジナ』は電力会社の奥に隠れて、決して表に出てこない経産省であり、国だったのです」。

 保安院、経産省ともに何の処分も受けず、責任をとりませんでした。

 それどころか、福島第一原発の所在地である双葉郡に経産省の課長がやってきて、「原発は絶対安全です」というパンフレットを全戸に配り、原発の安全性を訴えたと言います。
 まことに驚くべきことです。

 東海地震の震源域の上にある浜岡原発は、ただちに停止すべきです。

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