「介護保険埋蔵金」と「ボッタクリ保険料」
大阪社保協通信2/14に、介護シンポジウムの内容として政府案の問題点、たたかいの到達点などのまとめがのっている。
そのなかで、各自治体の取過ぎ介護保険料である「介護給付費準備基金」が膨大となっていることと、都道府県の財政安定化基金が使われず「介護埋蔵金」となっていることが指摘されている。ネーミングが大阪らしい。
高知県の財政安定化基金の貸付は現在ゼロ、基金残高は26億円を超えている。
「2.11介護シンポジウム」 大阪社保協通信 2/14
以前に準備基金からの繰り入れにふれたことがある。
【介護基金からの繰入れは5割 高知市 09/3】
高知県では、この基金の一定の取り崩しで、わずかだが保険料が下がった。一方、財政安定化基金の方はどうか。
資料にのっている高知県財政安定化基金貸付・交付の状況
貸付・交付金額の合計 17億8000万円
すでに償還された金額 17億4900万円
21年度末 実支出額 3100万円
〃 基金残高 26億1200万円
なお県の2010年3月の第一号被保険者は、21万7742人。 1人1万円以上である。
□「介護保険埋蔵金」と「ボッタクリ保険料」政府案では、「各都道府県に積み上げられた財政安定化基金を取り崩して保険料の軽減に充てる法整
備を行うことなどにより介護保険料を軽減」が盛り込まれました。介護保険は各自治体で「特別会計」
で管理され、一般会計からの繰り入れは一切行われないという徹底した「保険主義的管理」であるため、
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不足額が生じた場合に貸付等をおこなうために各都道府県に設置されたのが「財政安定化基金」です。
市町村1・都道府県1・国1の割合で拠出されていますが、市町村拠出分はすべて65歳以上の介護保
険料です。06年度制度改悪による給付削減と保険料引き上げにより、保険者(市町村)の介護保険特
別会計は、圧倒的多数が「黒字」となり、09年度には財政安定化基金は、貸付保険者はわずか全国で
9自治体(0.6%)、積立総額2849億円の内、支出されているのはわずか81億円余りで、97
パーセントはまったく使われない「埋蔵金」となってしまっています。□高齢者・利用者は常に犠牲自治体の介護保険会計は取過ぎ保険料で大黒字
また、各自治体の取過ぎ介護保険料である「介護給付費準備基金」は、第3期末(08年度末)には、
全国で4049億6500万円に上っていました。厚労省によるとその取り崩しは、約3000億円程
度にとどまり4分の1以上が3年間貯めこまれたままとなっています。まさに「ボッタクリ保険料」で
す。
大阪社保協では07年から、「介護保険料に怒る一揆の会」と連携してこの「埋蔵金」と「ボッタクリ
保険料」を取り返すたたかいを取組んできました。ボッタクリ保険料取り返せのたたかいは、7割の自
治体で保険料引き下げを実現しましたが、大阪府は「財政安定化基金は取り崩せない」の一点張りでし
た。
今回の「政府案」での「財政安定化基金取り崩し法制化」は、私達の主張の正しさを示す結果となり
ました。大阪では、この法制化の動きも受けて「埋蔵金全額を取り崩して保険料下げろ」と大阪府に迫
っていくことにしています。
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