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言葉の激しさと中身のなさ

 中身がないほど、表面的な言葉の激しさで、「対決」を演出する・・・それを実感した最近の二例。 「北方領土」をめぐる菅主張の「暴挙」発言。第二は、党首討論。
 劇場型政治、喝采政治の延長ではないか・・・ もちろん明確な道理がある場合の憤りも、事態を解決する力となるが、とてもそうとは思えない。この場合、「高言冷色、鮮なし仁」か?
 【ロシア外務省、首相の「暴挙」発言に「極めて非友好的だ」と批判、「態度変えろ」と牽制 2/10
【首相けんか腰「らしさ出た」…影響懸念の声も 読売2/11】

 話は違うが、今日の図書館シンポジウムで、本を読むことは対話で、その感じことをさらに別の人と交流することが大切、それが図書館の機能という野田正彰氏が語っていて・・なくなった叶岡さんと同じ言葉を久々に聴いた。食べ方、感じ方、「意見の内容でなく言い方に怒る」とか、それが文化だという言葉シンクロしていた。
 閉ざされた知とものでなく、対話を通じ、「狭さを感じ」「学ぶことを問う」という開かれた知のセンターをどうつくるか、先人が自然と格闘し、築き上げてきた生活文化をどう伝承し、エッセンスを引きつぐか…  深く感じたシンポでした。
 野田さんが尊敬をもって紹介していた初代館長・渡辺進さんとの「革新市政研究」… すごく贅沢な時間とあらためて思う。

【ロシア外務省、首相の「暴挙」発言に「極めて非友好的だ」と批判、「態度変えろ」と牽制 2/10

 ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は9日の定例記者会見で、日本とロシアの北方領土問題をめぐる対話の雰囲気は「日本の指導部による極めて非友好的な発言によって著しく損なわれた」と述べ、日本政府の対応を批判した。
 メドベージェフ大統領による昨年11月の北方領土・国後島訪問を「許し難い暴挙」と非難した菅直人首相の発言を念頭に置いたものとみられる。
 情報局長は、11日にモスクワで行われる前原誠司外相とラブロフ外相の会談では北方領土問題も議題になるとの見通しを示した。その上で「日本側がロシアに対する態度を根本的に変更するよう望む」と述べ、日本側を牽制(けんせい)した。
 情報局長はまた、ロシア側が提案している北方領土での日露の共同経済開発は「厳格にロシアの法の枠内で実現されなければならない」と強調した。(共同)

これに対しては・・

【歴代自民党政権の日ロ領土交渉方針の根本的再検討を 日本共産党】 

今朝のサンデーモーニングを見ていたら、歯舞、色丹という北海道の構成部分と、1855年の「日魯通好条約」で確定した国後島、択捉島の南千島を同列に扱っている。
 得撫(うるっぷ)島から占守島までの北千島までが、1875年の「樺太・千島交換条約」で、樺太と返還した平和的に日本領と確定したという事実を省略し、正当な領土であることをあいまいにし、二次大戦が「領土不拡大」を旗印にしたものであり、それと反していること。しかし、スターリンに妥協した米国が領土拡大を認め、日本にサンフランシスコ条約2条C項で「千島」の放棄を押し付けたこと・・・・ この戦後処理の歪みの産物である、という本質には触れなかった。
 ただ現実的な解決としては、歴史、ルールは明確にしても、すでに住んでいるロシア人がおり、その人の生活圏の保障なども含め、経済面を中心により柔軟な対応が必要だとは思う。


 【

首相けんか腰「らしさ出た」…影響懸念の声も 読売2/11】

9日の党首討論は、自民党の谷垣総裁と公明党の山口代表が、民主党の2009年衆院選の政権公約(マニフェスト)の破綻と小沢一郎元代表の証人喚問の問題を追及した。
 菅首相への激しい攻撃で足並みをそろえ、両党の結束をアピールした。
 「マニフェストは、消費税(率引き上げ)をやらないことが大前提だった」
 35分の持ち時間の大半をマニフェスト問題に費やした谷垣氏が、破綻の実例として挙げたのは消費税だ。首相が党首討論の場でも社会保障と税の一体改革に関する与野党協議を呼びかけてくると想定し、消費税率引き上げに関して選挙の洗礼を受けていない菅政権には論議を提起する資格がないと押し返すために用意した論理だった。
 谷垣氏は前夜、党幹部と相談し、与野党協議を呼びかけて野党にも責任を持たせようとする首相の「抱きつき戦術」をかわすことを主眼とする作戦を立てた。「『責任政党』を意識し過ぎて社会保障に関する自民党の方針を詳しく説明したりすると、首相に与野党協議の開始のきっかけとしてつけ込まれかねない」(幹部)と見て、政策論議は封印して政権批判を徹底することにした。
 実際、討論では「八百長相撲を一緒に取ってくれみたいな話」などと、温厚な谷垣氏にしては激しい言葉を使い、与野党協議はあくまで衆院解散が前提だと繰り返した。
 政権批判の第2の柱に位置づけたのが小沢問題だ。首相の指導力欠如を浮き彫りにする狙いからで、持ち時間が尽きても発言台から離れず、「解決してほしい」と声を張り上げた。
 公明党の山口氏も、谷垣氏と同じ攻め口で議論を展開したが、衆院解散は求めなかった。同党幹部は「国民に党略優先と思われるから言わない方がいい」と解説したが、「党内に早期解散への慎重論が残っていることの表れだ」という見方も出た。
 激しい言葉の応酬となった党首討論は、社会保障政策の「入り口論」でぶつかり合い、中身は深まらなかった。みんなの党の渡辺代表は「一見ガチンコ相撲のように見えるが、(民主、自民の)どちらも増税一門だから、やっぱり八百長相撲だ。公明党もバラマキ型の政策なので、これも民主党と似たりよったりだ」と、政策論争そっちのけの討論を皮肉った。
 一方、2011年度予算関連法案の年度内成立に向け、野党の協力がほしいはずの首相が、「けんか腰」とも言える姿勢で討論に臨んだことについて、民主党では「菅さんらしさが出た」という見方の一方で、政権運営への影響を懸念する声が上がった。


 
これにたいしては・・・ 佐々木憲昭さんが・・・

【11.02.11】同じ方向で「激論」――民主・自民の党首討論

 一昨日行われた民主党菅総理と自民党谷垣総裁の党首討論は、表向きは激しいやりとりがおこなわれたように見えました。

 しかしその内容をみると、政策がほとんど同じ方向を向いていることは明らかです。
 たとえば自民党の谷垣総裁が、消費税の増税法案を「平成23年度中に出さなければならない」と言えば、菅総理も基本的には「これにそって進めていきたい」「何らかの法的な対応をしなければならない」と述べ、同調しました。
 そのうえで自民党谷垣総裁は、消費税増税が「民主党のマニフェスト違反」だと指摘し、消費税引き上げの新しいマニフェストをつくって選挙をやることを提案したのです。

 「基本的にこの問題は一致したということになったら、選挙の後、勝った方がそれをやって、負けた方も負けたから腹いせいだなんというようなことはもうやめにする」と言いました。
 こうなると、自民党が民主党に公約違反をせまり“消費税増税で突っ走れ”とけしかけ、民主党はそれを受け入れる決意を固めたことになります。
 激しくやりあっているように見えても、政策の中身では同じ方向を向いているとしか、言いようがありません。


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