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基本合意を守れ! 政府案に、障害者自立支援法違憲訴訟団が声明

 障害者自立支援法違憲訴訟団が、2月18日、声明を発表している。
政府の障害者基本法改正案が「期待を大きく裏切り、基本合意に照らしても、極めて憂慮すべき水準」「法案が巧みに改革の狙いである障害者の『権利』を否定する内容としていることを厳しく批判せざるを得ない」というもの…  
【障害者自立支援法違憲訴訟団 声明 2/18】

 障害者「自立支援」法延命法案の当事者抜きの強行可決といい、政権交代で示された願いを反故にした公約投げ捨てが連続する。
 ここでの対決点は、福祉の市場化をめざす「構造改革」路線を延命・拡大させるのか、決別するのか、保育の新システム・市場化とも結びついた憲法25条をめぐってのたたかいである。

【「障害者基本法改正案」に対する障害者自立支援法違憲訴訟団の声明 2/18】

私たち違憲訴訟団は2010年1月7日、国(厚労省)と基本合意文書を調印した。
 その直後に開催された第1回障がい者制度改革推進会議において、担当大臣らから、「障害者権利条約と基本合意文書が改革の基礎であること」が強調され、私たちは意を強くして、推進会議の議論を見守り、応援してきた。
 しかしながら、2011年2月14日、第30回推進会議において公表された障害者基本法改正案は、私たち訴訟団の期待を大きく裏切り、基本合意に照らしても、極めて憂慮すべき水準である。
 全国弁護団、原告団は、この法案が巧みに改革の狙いである障害者の「権利」を否定する内容としていることを厳しく批判せざるを得ない。
 推進会議は「権利」条約を国内法化する改革であり権利性は基本法改革の要である。
また、基本合意は、新たな総合的福祉法制は障害者の基本的人権の行使を支援することが基本であることを確認しており、障害者自立支援法に代わる仮称「総合福祉法」の上位法である基本法が、障害者の基本的権利を確認することは不可欠である。
  2010年12月17日付推進会議第二次意見は「障害者が地域で生活する平等の権利を保障することを確認するべき」と政府に求めているが、今回の案では「可能な限り」との留保を付した上で、「機会が確保」として、権利性を認めないばかりか、「共生することができること」を「旨として」図られなければならないとして、政府が遵守すべき義務はおよそ不明確極まる。
  基本合意は憲法第13条の自己決定権の尊重を確認し、障害者の意見を十分に踏まえることなく制度を施行した反省を踏まえて今後の施策の立案に当たるとしているが、今回の基本法改正案は、障害者の自己決定権の尊重を確認するものとなっておらず、推進会議の意見を反映していない。
 推進会議のもとに総合福祉部会があり、基本法の下位法として(仮称)総合福祉法がある以上、基本法改正が障害者の声を反映せず、改革の基本理念を実現できないものであれば、2012年に国会に上程予定の総合福祉法もおよそ障害者の声を実現しない、基本合意に反するものになるのではないかと強い危惧を覚えざるを得ない。
  政府は大至急、「改革」の根本理念に立ち返り、推進会議の意見を尊重した障害者基本法改正案に修正すべきである。
  2011年2月18日   障害者自立支援法違憲訴訟団
連絡先:全国弁護団事務局 弁護士藤岡毅 
03(5297)6101

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