「民主党は無知だった」 現閣僚の答弁
無駄削減と予算の組み替えで16.8兆円を捻出するという民主党のマニフェストを、民主党政権の閣僚である与謝野経済財政担当大臣が「厳しく言えば無知だった」と述べた。
厳しく言えば「詐欺」「犯罪」だと思うが・・・(それが不可能であることは、素人の私でも指摘してきた)。
これは政権の正当性がないことを、政権自身が認めたことになる発言。この答弁は今後の国会質疑で重みをますだろう。さて解散総選挙も近いのであろうか。
【民主、無知だった=公約修正は不可避-与謝野経財相 時事2/1】
【与謝野大臣「民主党は無知だった」と答弁 読売2/1】
ところで、政権交代が実現した直後から、小選挙区制による人為的な「政権交代可能な二大政党制」づくりの仕掛けが機能不全に陥っている。
これについて、前参議院議員で、田村耕太郎氏がコラムがダイヤモンドオンラインにアップされている。
【小選挙区は廃止せよ! 矛盾だらけの二大政党が日本をおかしくする1/18】
「いくら政権交代を繰り返しても中身の変わらない、二大政党間の権力争いが続くだけだ。国民には望ましい選択肢が生まれない。二大政党がお互いを追い込みあっているのはエンターテイメント性はあるが、問題解決にはつながらない。」
「食べたくない2つのメニューしか出せない選挙が、日本政治を機能停止に追い込んでいる。もっと美味しくてバラエティ豊かなメニューが提示できる制度にしよう。」
「権力闘争のために、無理して多様な価値観や理念の議員を囲い込んだ政党なので、党内に政策や哲学でひどい矛盾を抱えたままなのだ。議員時代、経済政策から外交まで自民党内での議論でも民主党内の議論でも「なんでこの人たちが同じ政党なの?」と思うことばかりだった。どちらの党も「主張が全然違うわれわれがなぜ同じ政党なのか」と同僚を冷たい目でみているのが現状だ。私の知人のA党議員は「B党から出たかったが選挙区に空きがなかった」「根っこはB党だけど今度の風ならA党だと思った」という人がけっこういる。」
「中選挙区のいいところは信念ある政治家を生み出しやすいところである。小選挙区の場合、過半数を敵に回したら絶対に当選できない。一方、選挙区内で4人まで当選できる中選挙区なら、最下位当選者の得票率は20%くらいになる。コアの20%が支持してくれれば、8割を敵に回しても当選できるのだ。本当のことを言える政治家が勝ち抜ける唯一の制度である。勇気ある政治家が当選できるのだ。」
「二大政党制は採決要員としてイエスマンのサラリーマン政治家を作り出すシステムでもある。票もカネも政党に握られている。大政党に公認されないと、資金的にも組織的にも選挙も政治的活動もできない。だから政治家がつまらなくなる。」
「政界再編を望む声があるが、それも小選挙区では起きにくい。常に一対一で戦う相手が選挙区におり、理念や政策で一致しても、その多くは選挙区事情で一緒になれない。もしもともと複数の候補者で複数の議席を争う中選挙区制であれば、重要な政策ごとにアメーバのように一緒になったり離れたりするのが自然にできるのではないか。」
自民党から当選後、自民党が09総選挙で下野したあと、離党し民主党に乗り換え、昨年の参院選で敗北・・
立場や行動の評価は別にして、二大政党制の矛盾の指摘は、内実を知っているだけに妙に説得力がある。
【民主、無知だった=公約修正は不可避-与謝野経財相 時事2/1】与謝野馨経済財政担当相は1日の衆院予算委員会で、無駄削減と予算組み替えで16.8兆円の財源を捻出できるとした民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)について、「同情して言えば(民主党は財政の仕組みを)知らなかった。厳しく言えば無知であった」と述べた。
自公政権で財務相を務めた与謝野氏は衆院選の前、民主党の公約を「ほとんど犯罪に近い」と批判。この日の答弁でも「これから財源の壁にぶつかる。客観的に冷静に、実現可能性に視点を置いて見直す必要がある」と述べ、大幅な修正が不可避との見方を示した。稲田朋美氏(自民)の質問に答えた。
【与謝野大臣「民主党は無知だった」と答弁 読売2/1】与謝野経済財政相は1日の衆院予算委員会で、民主党が政権交代前に作った2009年衆院選の政権公約(マニフェスト)の財源捻出策について「民主党は無知だったと言わざるを得ない」と答弁した。
同党のマニフェストは、各公約の財源について、予算組み替えやムダ削減などで16・8兆円を捻出する方針を掲げたが、与謝野氏は著書などでもこの点を批判していた。
答弁の直後には、菅首相も「一部は過大に見積もっていたところもある」と追随し、与謝野氏の考え方が首相に影響を与えている様子をうかがわせた。与謝野氏周辺は、「誤った財源論に固執する民主党の呪縛を与謝野氏が解放してあげているのだ」と指摘する。
また、1日の予算委では、与謝野氏が自民党議員時代の昨年2月、当時の鳩山首相を「平成の脱税王」などと批判したことを自民党が追及。与謝野氏はこれに対し、「(『脱税王』と)お呼びしたことは事実だが、税務当局が厳格に税の執行を行ったと思う」と論点をそらした。その上で「野党だからそのぐらいの迫力でモノを言わなければいけないと思った」と釈明した。
(2011年2月1日23時03分 読売新聞)
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